源泉徴収・年末調整
人を雇った、役員に社宅を貸した、税理士に報酬を払った。源泉徴収が発生する場面と、年末調整・退職金の実務です。
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法人
役員社宅の家賃の計算方法。賃貸料相当額の計算式
会社が借りた住宅を役員に貸すとき、役員から「賃貸料相当額」以上の家賃を受け取っていれば給与として課税されません。小規模な住宅(木造なら132㎡以下など)は建物の課税標準額×0.2%+12円×床面積/3.3㎡+敷地の課税標準額×0.22%。それ以外は会社が払う家賃の50%との比較になります。国税庁タックスアンサーNo.2600をもとに整理しました。
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法人
源泉所得税の納期の特例。年2回にできるのは給与と士業の報酬だけ
給与の支給人員が常時10人未満なら、源泉所得税を半年分まとめて納められます。1〜6月分は7月10日、7〜12月分は翌年1月20日。対象は給与・退職金と税理士などの報酬に限られ、外注先の個人デザイナーへの報酬などは毎月納付のままです。申請書を出した月の翌月分から適用されます。国税庁タックスアンサーNo.2505をもとに整理しました。
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源泉徴収
税理士報酬の源泉徴収は税込か税抜か。消費税が分けてあれば税抜でよい
税理士や弁護士への報酬の源泉徴収は、原則として消費税込みの金額が対象です。ただし請求書で報酬と消費税が明確に区分されていれば、税抜の報酬額だけを対象にできます。インボイス登録のない事業者の請求書でも同じです。国税庁タックスアンサーNo.6929の計算例(110,000円→11,231円、100,000円→10,210円)で確認します。
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法人
役員を5年以下で退職すると、退職金の「2分の1」がなくなります
退職所得は通常「(収入−退職所得控除)×1/2」ですが、役員等としての勤続年数が5年以下の人が受ける退職金(特定役員退職手当等)には2分の1がありません。勤続年数は1年未満を切り上げるため、4年11か月は5年、5年1か月は6年。使用人期間と役員期間の両方がある場合は、40万円×役員年数の特定役員退職所得控除額で分けて計算します。国税庁タックスアンサーNo.2737の計算例つき。
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源泉徴収
個人に払う報酬で源泉徴収が要るのは8種類
個人(居住者)への報酬のうち源泉徴収の対象は、原稿料・講演料、弁護士や司法書士など特定の資格者への報酬、診療報酬、プロスポーツ選手・モデル・外交員の報酬、芸能の出演料、ホステス等の報酬、契約金、広告宣伝の賞金の8区分。謝礼や車代の名目でも実態が報酬なら対象。法人への支払いは馬主の競馬賞金以外は対象外。国税庁タックスアンサーNo.2792をもとに整理しました。
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源泉徴収
税理士・弁護士に払う報酬の源泉徴収。100万円を超えると税率が変わります
個人の弁護士・税理士などへの報酬は、100万円以下の部分が10.21%、100万円を超える部分が20.42%+102,100円で源泉徴収します。150万円なら204,200円。謝金・日当・旅費の名目でも対象ですが、会社が直接払う交通費・宿泊費と、登録免許税など国に納める実費分は対象外。納付は翌月10日、納期の特例なら7月10日と1月20日。国税庁タックスアンサーNo.2798をもとに整理しました。
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源泉徴収
通勤手当の非課税限度額。電車・バスは月15万円、マイカーは距離で決まる
通勤手当は一定額まで非課税です。電車・バスは最も経済的かつ合理的な経路の定期代で月15万円まで(グリーン料金は不可)。マイカー・自転車は片道の距離で決まり、2km未満は全額課税、2km以上10km未満で月4,200円、95km以上で66,400円。駐車場代は上限5,000円を加算でき、有料道路の料金も合計15万円まで加算できます。国税庁タックスアンサーNo.2585・2582をもとに整理しました。
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源泉徴収
勤続5年以下の退職金は、300万円を超える部分に2分の1がありません
令和4年1月1日以後に支払う退職金から、役員等以外で勤続年数5年以下の人の退職金(短期退職手当等)は、収入金額から退職所得控除額を引いた残りのうち300万円を超える部分について2分の1課税が使えません。国税庁の計算例では、勤続4年2か月・退職金800万円で退職所得450万円。役員の特定役員退職手当等との違いも整理しました。国税庁タックスアンサーNo.2740をもとに整理しました。
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源泉徴収
食事の支給は月7,500円以下かつ半額負担なら非課税
役員や使用人に支給する食事は、本人が食事の価額の半分以上を負担していること、会社の負担額が1か月当たり7,500円以下であることの2つを満たせば給与として課税されません。7,500円は消費税および地方消費税の額を除いた金額で判定し、10円未満の端数は切り捨てます。現金で食事代を補助する場合は原則として全額が給与課税。ただし残業や宿日直のときに支給する食事は、無料でも課税されません。国税庁タックスアンサーNo.2594をもとに整理しました。
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源泉徴収
育成就労外国人の給与は源泉徴収の対象です
令和9年4月1日から育成就労制度の運用が始まります。出入国在留管理庁と厚生労働省の照会に対し、国税庁は令和8年9月15日付で「貴見のとおりで差し支えありません」と回答しました。育成就労外国人は原則として租税条約にいう「専ら…訓練を受ける」者に該当せず、育成就労実施者から受ける給与は給与所得として所得税の課税対象、源泉徴収の対象になる、という内容です。技能実習制度とは制度の目的が異なる点が理由として挙げられています。関係する法令条項は所得税法第28条、第183条、租税条約。国税庁の文書回答事例をもとに整理しました。
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源泉徴収
退職所得控除は20年まで年40万円、20年超は年70万円
退職所得控除額は、勤続年数20年以下なら40万円×勤続年数(80万円に満たない場合は80万円)、20年超なら800万円+70万円×(勤続年数-20年)です。勤続年数の1年未満の端数は1年に切り上げるので、10年2か月は11年で440万円、30年なら1,500万円になります。前に退職金を受け取っている場合は重複期間の分だけ控除額が減り、前年以前4年内が原則、確定拠出年金の老齢一時金が絡むと令和8年1月1日以後は9年内・19年内になります。国税庁タックスアンサーNo.1420・No.2732をもとに整理しました。
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源泉徴収
年末調整の対象者と順序。2,000万円超は対象外
年末調整は、1年間に源泉徴収をした所得税および復興特別所得税の合計額と、その人が1年間に納めるべき税額とを一致させる手続です。対象になるのは給与所得者の扶養控除等(異動)申告書を提出している人で、1年間に支払うべきことが確定した給与の総額が2,000万円を超える人は対象になりません。年の中途で行う年末調整の対象になるのは、非居住者となった人、死亡によって退職した人など5つの場合です。計算は給与所得控除後の金額を求め、所得控除を引き、1,000円未満切捨てで税率を当てはめ、住宅借入金等特別控除を引き、102.1パーセントを乗じて100円未満を切り捨てる順序で行います。国税庁タックスアンサーNo.2662・No.2665をもとに整理しました。
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源泉徴収
事業主の源泉徴収義務。給与を払ったら翌月10日までに納付
給与や税理士報酬などを支払う事業主は、会社でも個人でも源泉徴収義務者です。給与の支払を始めたら「給与支払事務所等の開設届出書」を1か月以内に提出し、給与を払うときは源泉徴収税額表の甲欄・乙欄で税額を求め、支払った月の翌月10日までに納付します。給与の支給人員が常時10人未満なら、申請により7月と翌年1月の年2回にまとめる納期の特例が使えます。国税庁タックスアンサーNo.2110・No.2505をもとに整理しました。
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源泉徴収
パート・アルバイトの源泉徴収。丙欄は2か月以内の雇用
パートやアルバイトの給与から源泉徴収する税額は、一般の社員と同じく「給与所得者の扶養控除等申告書」の提出の有無と支給方法に応じ、源泉徴収税額表の月額表または日額表の甲欄・乙欄で求めます。ただし日給や時間給で計算する給与で、雇用契約の期間があらかじめ2か月以内と定められている場合、または日々雇い入れて継続して2か月を超えて支払わない場合は、日額表の丙欄を使います。契約の延長や再雇用で2か月を超えたら、超えた日から丙欄は使えません。国税庁タックスアンサーNo.2514をもとに整理しました。
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源泉徴収
賞与の源泉徴収は算出率の表で。前月給与の10倍超は別計算
賞与から源泉徴収する所得税等は、原則として「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」を使い、前月の給与(社会保険料等控除後)と扶養親族等の数で税率を求め、賞与(社会保険料等控除後)に掛けて計算します。扶養控除等申告書の提出があれば甲欄、なければ乙欄です。賞与が前月の給与の10倍を超える場合や前月に給与がない場合は、賞与を6(または12)で割って月額表に当てはめる別の計算です。国税庁タックスアンサーNo.2523をもとに整理しました。
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源泉徴収
社員旅行の課税。4泊5日と50%、役員だけは対象外
会社が費用を負担する従業員レクリエーション旅行は、社会通念上一般に行われている旅行で少額不追求の趣旨を逸脱しないものなら、参加者の給与として課税されません。目安は旅行期間4泊5日以内、参加人数が全体の50パーセント以上の2つです。役員だけの旅行、取引先の接待、私的旅行、金銭との選択が可能な旅行は対象外です。研修旅行は業務に直接必要なら課税されません。国税庁タックスアンサーNo.2603をもとに整理しました。
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源泉徴収
従業員の社宅は家賃50%以上で非課税。計算式
会社が従業員(使用人)に社宅や寮を貸す場合、1か月当たりの家賃を賃貸料相当額の50パーセント以上受け取っていれば給与として課税されません。賃貸料相当額は、建物と敷地の固定資産税の課税標準額と床面積から計算し、会社が借りた物件を貸す場合も同じ式です。無償なら賃貸料相当額が、50パーセント未満なら差額が給与になり、現金の住宅手当は給与です。国税庁タックスアンサーNo.2597をもとに整理しました。
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源泉徴収
原稿料・講演料の源泉徴収。10.21%と車代・旅費
個人の作家に原稿料を、大学教授などに講演料を支払うときは、支払う側が所得税および復興特別所得税を源泉徴収します。税額は支払金額100万円以下なら10.21%、100万円を超える部分は20.42%。謝金や車代という名目でも実態が同じなら対象で、旅費はホテルなどに直接払えば含めなくてよく、懸賞の賞金は1回50,000円以下なら不要です。国税庁タックスアンサーNo.2795をもとに整理しました。
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源泉徴収
退職所得になるもの。打切り支給・一時金・解雇予告手当
退職所得になるのは、退職しなかったら支払われなかったもので、退職したことに基因して一時に支払われる給与です。退職時に支払っても、在職者の賞与と同じ性質なら給与所得になります。中小企業退職金共済や確定拠出年金の老齢給付金の一時金、解雇予告手当は退職手当等とされ、制度の移行や分掌変更による打切り支給も条件付きで退職手当等になります。国税庁タックスアンサーNo.2725をもとに整理しました。
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源泉徴収
給与所得になるもの。手当と現物給与の考え方
給与所得には、給料や賞与のほか、残業手当・家族手当・住宅手当などの手当も原則として含まれます。非課税になる手当は、一定金額以下の通勤手当、通常必要と認められる旅費、一定金額以下の宿直・日直の手当などの例外です。食事の支給や商品の値引販売などの現物給与も、原則として給与所得の収入金額になります。国税庁タックスアンサーNo.2508をもとに整理しました。
ご自身の場合はどうなるか、直接お答えします。
記事に書ききれないのは、結局のところ「あなたの場合はどうか」です。数字と状況をお聞きすれば、その場でお答えします。初回30分は無料で、その場で契約を求めることはありません。