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副業

会社員でも確定申告が必要な7つの場合。
副業20万円超、年収2,000万円超、2か所給与

会社員は年末調整で所得税が終わるので、確定申告は要らない。原則はそのとおりです。しかし国税庁は、確定申告をしなければならない会社員を7つ挙げています。

副業の20万円、年収2,000万円、2か所からの給与。「自分は当てはまらない」と思っている方ほど、条件の細かいところを確かめてください。国税庁のタックスアンサーNo.1900をそのまま読みます。

公開 最終更新

この記事の要点

年末調整を受けた会社員でも、給与収入2,000万円超、給与以外の所得20万円超、2か所以上の給与で年末調整されなかった給与と他の所得の合計が20万円超、同族会社の役員で会社から利子や賃貸料を受けている、などに当たれば確定申告が必要です。2か所給与でも給与から所得控除を引いた額が150万円以下で他の所得20万円以下なら不要。国税庁タックスアンサーNo.1900をもとに整理しました。

原則:年末調整で終わる。ただし7つの例外

大部分の給与所得者は、勤務先の年末調整で所得税額が確定し、納税も完了しますので、確定申告は要りません。ただし、次のいずれかに当たる人は、確定申告をしなければなりません。

国税庁 タックスアンサー No.1900「給与所得者で確定申告が必要な人」

大部分の給与所得者の方は、給与の支払者が行う年末調整によって所得税額が確定し、納税も完了しますから、確定申告の必要はありません。
しかし、給与所得者であっても次のいずれかに当てはまる人(確定申告をすれば税金が還付される人は除きます。)は、確定申告をしなければなりません。

確定申告が必要な7つの場合

No.1900の記載典型例
1給与の年間収入金額が2,000万円を超える人高額の給与。年末調整の対象外
2給与を1か所から受けていて、その給与の全部が源泉徴収の対象で、各種の所得金額(給与所得、退職所得を除く)の合計額が20万円を超える人副業の所得が20万円超
3給与を2か所以上から受けていて、給与の全部が源泉徴収の対象で、年末調整されなかった給与の収入金額と、各種の所得金額(給与所得、退職所得を除く)との合計額が20万円を超える人本業+アルバイト
4同族会社の役員などで、その同族会社から貸付金の利子や資産の賃貸料などを受け取っている人自分の会社に事務所を貸している社長
5災害減免法により源泉徴収の猶予などを受けている人被災した年
6源泉徴収義務のない者から給与等の支払を受けている人在日の外国公館や、海外の会社から直接給与を受けている人
7退職所得について正規の方法で税額を計算した場合に、その税額が源泉徴収された金額よりも多くなる人退職所得の受給に関する申告書を出さなかった人など

会社員の副業で問題になるのは2と3です。4は、小さな会社の社長が自分の会社から家賃や利息を受け取っている場合で、金額にかかわらず申告が必要です。20万円以下でも免除されません。

副業20万円:「所得」で判定し、給与と退職所得は除く

2の「各種の所得金額(給与所得、退職所得を除く。)の合計額が20万円を超える」が、いわゆる副業20万円ルールです。3つ、読み方の注意があります。

  • 「所得」で判定する。収入から必要経費を引いた残りです。副業の売上が30万円でも経費が15万円なら所得は15万円で、この基準では申告不要です
  • 「各種の所得の合計」で判定する。雑所得・事業所得・不動産所得・一時所得・配当所得などを全部足します。副業の雑所得15万円と保険の満期の一時所得10万円があれば合計25万円で、申告が必要です
  • 給与所得と退職所得は含めない。アルバイトの給与は、ここではなく3の「2か所給与」の判定で見ます

この20万円は所得税の申告義務の話です。住民税には同じ基準がありません。20万円以下で確定申告をしない場合も、住民税の申告は別に必要です。詳しくは副業20万円ルールの記事住民税の記事に書きました。

2か所給与:年末調整されなかった給与+他の所得が20万円超

本業のほかにアルバイトの給与がある場合は、3で判定します。年末調整されなかった給与(通常はアルバイト先の給与)の収入金額と、給与・退職所得以外の各種の所得金額との合計が20万円を超えれば、申告が必要です。

国税庁 タックスアンサー No.1900「給与所得者で確定申告が必要な人」

3 給与を2か所以上から受けていて、かつ、給与の全部が源泉徴収の対象となる場合において、年末調整されなかった給与の収入金額と、各種の所得金額(給与所得、退職所得を除く。)との合計額が20万円を超える人(注)

ここは副業の所得と違って、アルバイト給与は収入金額(額面)で数えます。給与所得控除を引く前です。アルバイトの年間の額面が20万円を超えていれば、それだけで申告が必要になります。

2か所給与でも申告不要になる「150万円以下」の注

3には注があり、次の両方に当てはまる人は申告不要とされています。

国税庁 タックスアンサー No.1900「給与所得者で確定申告が必要な人」

(注) 給与の収入金額の合計額から、所得控除の合計額(雑損控除、医療費控除、寄附金控除、基礎控除を除く。)を差し引いた金額が150万円以下で、さらに各種の所得金額(給与所得、退職所得を除く。)の合計額が20万円以下の人は、申告は不要です。

全部の給与の収入金額の合計から、社会保険料控除や配偶者控除・扶養控除などの所得控除(基礎控除・雑損控除・医療費控除・寄附金控除は除く)を引いた額が150万円以下で、かつ給与・退職所得以外の所得が20万円以下なら、2か所給与でも申告しなくてよい、という規定です。パートを2か所掛け持ちしているような、給与の合計が大きくない方向けの例外です。

ただし、申告が「不要」なだけで、申告すれば還付になることは多いです。2か所めの給与は乙欄で多めに源泉徴収されていますので、申告して精算したほうが得な場合がほとんどです(乙欄の記事)。

20万円に含めない所得:源泉分離課税など

「各種の所得金額の合計」には、次の所得は含めません。課税がすでに終わっているか、申告しないことを選べるものです。

国税庁 タックスアンサー No.1900「給与所得者で確定申告が必要な人」

1 上場株式等の配当等や非上場株式の少額配当等で確定申告をしないことを選択したもの
2 特定口座の源泉徴収選択口座内の上場株式等の譲渡による所得で、確定申告をしないことを選択したもの
3 特定公社債の利子で確定申告をしないことを選択したもの
4 源泉分離課税とされる預貯金や一般公社債等の利子等
5 源泉分離課税とされる抵当証券などの金融類似商品の収益
6 源泉分離課税とされる一時払養老保険の差益(保険期間等が5年以下のものおよび保険期間等が5年超で5年以内に解約されたもの)

源泉徴収ありの特定口座で株を売った利益や、上場株式の配当は、申告しないことを選べば20万円の計算に入りません。NISA口座の利益はそもそも非課税です。副業の所得と株の利益を合計して20万円を超えるかどうかを心配する必要は、通常ありません。

還付になる人は「しなければならない」から除かれる

7つの場合の前提として「確定申告をすれば税金が還付される人は除きます」とあります。申告して還付になる人は、申告する義務はありませんが、申告しなければ還付も受けられません。

逆に、7つのどれかに当たって納税になる人は、3月15日までに申告する義務があります。忘れると期限後申告になり、無申告加算税と延滞税がかかります(期限後申告の記事)。副業の所得が20万円を超えたかどうかは、年が明けたらすぐ計算してください。

よくある質問

年末調整を受けた会社員でも確定申告が必要な場合はありますか

大部分の給与所得者は、勤務先の年末調整で所得税額が確定し、納税も完了しますので、確定申告は要りません。ただし、次のいずれかに当たる人は、確定申告をしなければなりません。→ 本文で読む

会社員で確定申告が必要なのはどんな人ですか

会社員の副業で問題になるのは2と3です。4は、小さな会社の社長が自分の会社から家賃や利息を受け取っている場合で、 金額にかかわらず 申告が必要です。20万円以下でも免除されません。→ 本文で読む

副業の収入が20万円を超えたら確定申告が必要ですか

2の「各種の所得金額(給与所得、退職所得を除く。)の合計額が20万円を超える」が、いわゆる副業20万円ルールです。3つ、読み方の注意があります。 この20万円は所得税の申告義務の話です。住民税には同じ基準がありません。20万円以下で確定申告をしない場合も、住民税の申告は別に必要です。詳しくは 副業20万円ルールの記事 と 住民税の記事 に書きました。→ 本文で読む

本業のほかにアルバイトの給与があると確定申告は必要ですか

本業のほかにアルバイトの給与がある場合は、3で判定します。年末調整されなかった給与(通常はアルバイト先の給与)の 収入金額 と、給与・退職所得以外の各種の所得金額との合計が20万円を超えれば、申告が必要です。→ 本文で読む

2か所から給与をもらっていても確定申告が不要な場合はありますか

全部の給与の収入金額の合計から、社会保険料控除や配偶者控除・扶養控除などの所得控除(基礎控除・雑損控除・医療費控除・寄附金控除は除く)を引いた額が150万円以下で、かつ給与・退職所得以外の所得が20万円以下なら、2か所給与でも申告しなくてよい、という規定です。パートを2か所掛け持ちしているような、給与の合計が大きくない方向けの例外です。→ 本文で読む

株の利益や配当も副業20万円の計算に含めますか

「各種の所得金額の合計」には、次の所得は含めません。課税がすでに終わっているか、申告しないことを選べるものです。 源泉徴収ありの特定口座で株を売った利益や、上場株式の配当は、申告しないことを選べば20万円の計算に入りません。NISA口座の利益はそもそも非課税です。副業の所得と株の利益を合計して20万円を超えるかどうかを心配する必要は、通常ありません。→ 本文で読む

出典

  1. 国税庁「No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人」
    https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1900.htm

この記事は、記載時点で公表されている法令・通達・国税庁の資料にもとづいて書いています。制度は改正されることがあり、また個別の事情によって取扱いは変わります。実際のご判断にあたっては、税理士にご相談いただくか、所轄の税務署にお確かめください。当事務所は本記事の情報を用いて行われた判断について責任を負いかねます。

ご自分が7つのどれかに当たるか、源泉徴収票を見ながら確認します。

副業の所得の計算、2か所給与の判定、同族会社の役員の場合。源泉徴収票と副業の収入・経費の一覧をお持ちいただければ、申告の要否をその場でお答えします。