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印紙税

領収書の印紙は5万円から。
売上代金なら100万円まで200円、借入金や保証金の受取書は金額にかかわらず200円

領収書に貼る収入印紙。金額が大きくなるほど印紙も高くなりますが、その区分は「売上代金かどうか」で2種類に分かれています。

そして、領収書という名前でなくても、受け取った事実を証明する書類なら印紙税の対象です。請求書に「代済」と書いただけでも該当します。国税庁のタックスアンサーNo.7105で、対象・税額・非課税を確認します。

公開 最終更新

この記事の要点

金銭の受取書(領収書・レシート・「代済」と書いた請求書)は印紙税の第17号文書。売上代金の受取書は5万円未満が非課税、5万円以上100万円以下200円、100万円超200万円以下400円、300万円以下600円、500万円以下1,000円、1,000万円以下2,000円。借入金や保証金など売上代金以外の受取書は5万円以上で一律200円。営業に関しないものは非課税です。国税庁タックスアンサーNo.7105をもとに整理しました。

受取書とは:領収書・レシート・「代済」と書いた請求書

金銭または有価証券の受取書や領収書は、印紙税額一覧表の第17号文書に該当し、印紙税が課税されます。受取書とは、受領した事実を証明するために作成して支払者に渡す証拠書類です。

国税庁 タックスアンサー No.7105「金銭又は有価証券の受取書、領収書」

「受取書」、「領収証」、「レシート」、「預り書」はもちろんのこと、受取事実を証明するために請求書や納品書などに「代済」、「相済」、「了」などと記入したものや、お買上票などでその作成の目的が金銭または有価証券の受取事実を証明するものであるときは、金銭または有価証券の受取書に該当します。

書類の題名ではなく、受け取った事実を証明するために作ったかどうかで判断します。請求書に「領収済」のハンコを押して渡せば、それは受取書です。レシートも受取書です。「領収書ではなくレシートだから印紙は要らない」ということはありません。

売上代金の受取書の印紙税額

受取書の印紙税額は、受け取る金銭が売上代金に係るものか、それ以外かで違います。売上代金とは、資産を譲渡・使用させること、役務を提供することの対価です。手付金も含みます。

記載金額(売上代金の受取書)印紙税額
5万円未満非課税
5万円以上 100万円以下200円
100万円を超え 200万円以下400円
200万円を超え 300万円以下600円
300万円を超え 500万円以下1,000円
500万円を超え 1,000万円以下2,000円

国税庁 タックスアンサー No.7105「金銭又は有価証券の受取書、領収書」

(注1) 受取金額が1,000万円を超える売上代金の受取書の税額は、コード7141「印紙税額の一覧表(その2)第5号文書から第20号文書まで」を参照してください。
(注2) 営業に関しないものは非課税となります。

商品の代金、工事代金、サービス料、家賃、手付金。事業で受け取るお金のほとんどは売上代金です。1,000万円を超える場合は、さらに税額が上がる区分がコード7141にあります。

売上代金以外の受取書:5万円以上で一律200円

国税庁 タックスアンサー No.7105「金銭又は有価証券の受取書、領収書」

したがって、借入金、担保としての保証金、保険金や損害賠償金などは売上代金に該当しません。
(中略)
売上代金以外の受取書の場合
5万円未満のもの 非課税
5万円以上のもの 200円

借入金を受け取ったときの受取書、敷金・保証金の預り証、保険金や損害賠償金の受取書は、売上代金ではありません。これらは5万円以上なら金額にかかわらず200円です。1,000万円の借入金の受取書でも200円です。

敷金の預り証は、賃貸オーナーがよく発行する書類です。売上代金(家賃)の領収書は金額に応じた印紙、敷金の預り証は200円、と区別してください。

5万円未満と、営業に関しないものは非課税

受取金額が5万円未満の受取書は、売上代金でもそれ以外でも非課税です。そして、営業に関しない受取書も非課税です。

国税庁 タックスアンサー No.7105「金銭又は有価証券の受取書、領収書」

ここでいう営業とは、一般通念による営業をいい、おおむね営利を目的として同種の行為を反復継続して行うことをいいます。したがって、株式会社などの営利法人や個人である商人の行為は営業になりますが、公益法人や商人以外の個人の行為は営業には当たりません。

株式会社や個人事業者(商人)が発行する受取書は「営業に関する」ものです。一方、給与所得者が私物を売って領収書を書いた場合、公益法人が発行する受取書、医師や弁護士など(商人でない個人)の業務に関する受取書は、営業に関しないものとして非課税です。

個人事業者でも「商人」でなければ非課税

営業に当たるかどうかは、法人か個人かではなく「商人」かどうかで決まります。物を売る、サービスを提供して対価を得る個人事業者は商人です。士業や医師のように、法律上「商人」に当たらないとされる職業の方の受取書は、営業に関しないものとして非課税と扱われています。判断に迷う場合は、業種ごとの取扱いを確認してください。

売上代金とそれ以外が混ざっている受取書

国税庁 タックスアンサー No.7105「金銭又は有価証券の受取書、領収書」

(1) 金銭または有価証券の受取書の記載金額を、売上代金に係る金額とその他の金額とに区分することができるときは、売上代金に係る金額のみが記載金額となります。
ただし、非課税文書である「記載された受取金額が50,000円未満の受取書」であるかどうかの判断は、売上代金に係る金額とその他の金額との合計額により行います。
(2) 金銭または有価証券の受取書の記載金額を売上代金に係る金額とその他の金額とに区分することができないときは、その金額が売上代金に係る金額として受取書の記載金額となります。

家賃と敷金を1枚の受取書で受け取った場合、内訳が書いてあれば家賃の額だけで税額を決めます。ただし5万円未満かどうかは合計額で見ます。内訳がなければ、全額を売上代金として税額を決めます。内訳を書いておくほうが、印紙は安く済みます。

実務での注意点

電子データで発行した領収書には印紙税がかかりません。印紙税は「文書」に課税されます。PDFでメール送付した領収書や、電子決済の画面に表示される領収データは文書ではないので、印紙は不要です。紙で発行するかどうかで印紙税の負担が変わります。

クレジットカード決済の領収書。カード決済は金銭の受領ではないので、「クレジットカード利用」と明記した領収書には印紙税がかかりません。明記していないと、金銭の受取書と区別できず課税される恐れがあります。

貼り忘れは過怠税。印紙を貼らなかった場合、本来の印紙税額に加えて過怠税が課されます。税務調査で領収書の控えを見れば、貼り忘れは一目で分かります。自主的に申し出れば過怠税は軽くなりますので、気づいたら放置しないでください。

消費税額を区分して書けば、税抜の金額で判定できます。受取書に消費税の額が明確に区分して記載されていれば、消費税を除いた金額を記載金額として税額を判定できます(この取扱いはNo.7105には書かれていませんので、別途確認してください)。5万円や100万円の境目にある領収書では、区分の有無で印紙の要否が変わることがあります。

よくある質問

レシートや「領収済」と書いた請求書にも印紙は必要ですか

金銭または有価証券の受取書や領収書は、印紙税額一覧表の第17号文書に該当し、印紙税が課税されます。受取書とは、受領した事実を証明するために作成して支払者に渡す証拠書類です。 書類の題名ではなく、 受け取った事実を証明するために作ったかどうか で判断します。請求書に「領収済」のハンコを押して渡せば、それは受取書です。レシートも受取書です。「領収書ではなくレシートだから印紙は要らない」ということはありません。→ 本文で読む

領収書の印紙はいくらから必要ですか

受取書の印紙税額は、受け取る金銭が 売上代金 に係るものか、それ以外かで違います。売上代金とは、資産を譲渡・使用させること、役務を提供することの対価です。手付金も含みます。 商品の代金、工事代金、サービス料、家賃、手付金。事業で受け取るお金のほとんどは売上代金です。1,000万円を超える場合は、さらに税額が上がる区分がコード7141にあります。→ 本文で読む

敷金や借入金の受取書の印紙はいくらですか

借入金を受け取ったときの受取書、敷金・保証金の預り証、保険金や損害賠償金の受取書は、売上代金ではありません。これらは 5万円以上なら金額にかかわらず200円 です。1,000万円の借入金の受取書でも200円です。→ 本文で読む

印紙税が非課税になる領収書はありますか

受取金額が5万円未満の受取書は、売上代金でもそれ以外でも非課税です。そして、 営業に関しない 受取書も非課税です。 株式会社や個人事業者(商人)が発行する受取書は「営業に関する」ものです。一方、給与所得者が私物を売って領収書を書いた場合、公益法人が発行する受取書、医師や弁護士など(商人でない個人)の業務に関する受取書は、営業に関しないものとして非課税です。→ 本文で読む

家賃と敷金を1枚の領収書で受け取った場合、印紙はどう判定しますか

家賃と敷金を1枚の受取書で受け取った場合、内訳が書いてあれば家賃の額だけで税額を決めます。ただし5万円未満かどうかは合計額で見ます。内訳がなければ、全額を売上代金として税額を決めます。 内訳を書いておくほうが、印紙は安く済みます。→ 本文で読む

電子で発行した領収書に印紙は必要ですか

電子データで発行した領収書には印紙税がかかりません。 印紙税は「文書」に課税されます。PDFでメール送付した領収書や、電子決済の画面に表示される領収データは文書ではないので、印紙は不要です。紙で発行するかどうかで印紙税の負担が変わります。→ 本文で読む

出典

  1. 国税庁「No.7105 金銭又は有価証券の受取書、領収書」
    https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/inshi/7105.htm

この記事は、記載時点で公表されている法令・通達・国税庁の資料にもとづいて書いています。制度は改正されることがあり、また個別の事情によって取扱いは変わります。実際のご判断にあたっては、税理士にご相談いただくか、所轄の税務署にお確かめください。当事務所は本記事の情報を用いて行われた判断について責任を負いかねます。

印紙の貼り忘れは、税務調査で必ず見られます。

領収書・契約書の印紙税は、決算のときにまとめて確認できます。過去分の貼り忘れがあれば、自主的に申し出た場合の過怠税の扱いも含めてご相談ください。