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贈与

贈与税の計算。基礎控除110万円を引いてから速算表に当てはめます。
親子なら税率が下がります

贈与税は、税率だけ見ると重い税金です。しかし計算の仕組みは単純で、110万円を引いて、表に当てはめるだけです。

そして、誰から誰への贈与かで税率表が2つに分かれます。親から18歳以上の子への贈与は、税率が低いほうの表を使います。国税庁のタックスアンサーNo.4408の速算表と計算例を、そのまま追います。

公開 最終更新

この記事の要点

暦年課税の贈与税は、1年間にもらった財産の合計から基礎控除110万円を引き、速算表の税率を掛けて控除額を引きます。18歳以上の人が父母や祖父母からもらう場合は「特例税率」で、それ以外の「一般税率」より軽くなります。500万円の贈与なら一般53万円、特例48.5万円。両方ある場合は按分して合計します。国税庁タックスアンサーNo.4408の速算表と計算例で確認します。

計算の流れ:合計 → 110万円を引く → 速算表

国税庁 タックスアンサー No.4408「贈与税の計算と税率(暦年課税)」

贈与税の計算は、まず、その年の1月1日から12月31日までの1年間に贈与によりもらった財産の価額を合計します。
続いて、その合計額から基礎控除額110万円を差し引きます。
次に、その残りの金額に税率を乗じて税額を計算します。
手順計算
11月1日〜12月31日にもらった財産を合計する
2基礎控除110万円を引く
3残額に速算表の税率を掛け、控除額を引く

基礎控除はもらった人1人につき年110万円です。複数の人からもらっても、110万円は1回しか引けません。逆に、渡す側から見れば、3人に110万円ずつ渡せば合計330万円を無税で移せます。

税率表は2つある

速算表は「一般贈与財産用(一般税率)」と「特例贈与財産用(特例税率)」の2つです。どちらを使うかは、誰から誰への贈与かで決まります。

使う場面
特例税率贈与を受けた年の1月1日に18歳以上の人が、直系尊属(父母・祖父母など)からもらう場合
一般税率それ以外。兄弟間、夫婦間、他人から、親から未成年の子へ、夫の父から嫁へ など

国税庁は、特例税率について「夫の父からの贈与等には使用できません」とわざわざ書いています。直系尊属ですので、義理の親は含まれません。年齢は「18歳」で、令和4年3月31日以前の贈与については「20歳」です。

一般税率の速算表

基礎控除後の課税価格税率控除額
200万円以下10%
300万円以下15%10万円
400万円以下20%25万円
600万円以下30%65万円
1,000万円以下40%125万円
1,500万円以下45%175万円
3,000万円以下50%250万円
3,000万円超55%400万円

特例税率の速算表

基礎控除後の課税価格税率控除額
200万円以下10%
400万円以下15%10万円
600万円以下20%30万円
1,000万円以下30%90万円
1,500万円以下40%190万円
3,000万円以下45%265万円
4,500万円以下50%415万円
4,500万円超55%640万円

2つの表を見比べると、特例税率のほうが同じ税率の適用される金額帯が広いことが分かります。たとえば20%が適用されるのは、一般税率では400万円以下までですが、特例税率では600万円以下までです。

計算例:500万円なら53万円と48.5万円

同じ500万円の贈与でも、どちらの表を使うかで税額が変わります。国税庁が示している計算例を、そのまま並べます。

国税庁 タックスアンサー No.4408「贈与税の計算と税率(暦年課税)」

(例) 贈与財産の価額が500万円の場合(「一般税率」を使用します。)
基礎控除後の課税価格 500万円 - 110万円 = 390万円
贈与税額の計算 390万円 × 20% - 25万円 = 53万円
(中略)
(例) 贈与財産の価額が500万円の場合(「特例税率」を使用します。)
基礎控除後の課税価格 500万円 - 110万円 = 390万円
贈与税額の計算 390万円 × 15% - 10万円 = 48.5万円
500万円をもらった場合計算贈与税額
一般税率(兄弟間・夫婦間など)390万円 × 20% − 25万円53万円
特例税率(親から18歳以上の子へ)390万円 × 15% − 10万円48.5万円

同じ500万円でも、4万5,000円の差が出ます。

両方ある場合は按分して合計

その年に、一般贈与財産と特例贈与財産の両方をもらった場合は、次のように計算します。

国税庁 タックスアンサー No.4408「贈与税の計算と税率(暦年課税)」

① すべての財産を「一般税率」で計算した税額に占める「一般贈与財産」の割合に応じた税額を計算します。
② すべての財産を「特例税率」で計算した税額に占める「特例贈与財産」の割合に応じた税額を計算します。
③ 納付すべき贈与税額は、①と②の合計額です。

国税庁の計算例(一般贈与財産100万円、特例贈与財産400万円)を追います。

(すべての贈与財産を「一般贈与財産」として税額計算)
500万円 - 110万円 = 390万円
390万円 × 20% - 25万円 = 53万円
(上記の税額のうち、一般贈与財産に対応する税額(一般税率)の計算)
53万円 × 100万円 / (100万円+400万円) = 10.6万円…①
(中略)
390万円 × 15% - 10万円 = 48.5万円
48.5万円 × 400万円 / (100万円 + 400万円) = 38.8万円…②
③ 贈与税額 = ①一般贈与財産の税額 + ②特例贈与財産の税額
上記の場合 ①10.6万円 + ②38.8万円 = 49.4万円…贈与税額

まず合計額(500万円)で両方の税額を出し、それぞれの財産の割合で按分して足す、という手順です。基礎控除110万円は、合計額から1回だけ引きます。

気をつけること

もらった人が申告して納めます。渡した側ではありません。申告の期限は、贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までです。

110万円以下なら申告は不要です。ただし、相続時精算課税を選ぶ場合や、住宅取得等資金の非課税を使う場合は、税額がゼロでも申告が必要です。

暦年課税と相続時精算課税は別の制度です。この記事は暦年課税(毎年110万円の基礎控除を使う通常の方法)の話です。相続時精算課税を選んだ贈与者からの贈与には、別の計算方法が適用されます。いったん相続時精算課税を選ぶと、その贈与者からの贈与について暦年課税には戻れません。

贈与した財産は、相続のときに戻ってくることがあります。相続開始前の一定期間内の贈与は、相続財産に加算されます。期間は改正で段階的に延びますので、生前贈与加算の記事を確認してください。毎年110万円ずつ贈与する「暦年贈与」は、この加算の対象になる期間があることを前提に計画してください。

よくある質問

贈与税はどう計算しますか

基礎控除は もらった人1人につき年110万円 です。複数の人からもらっても、110万円は1回しか引けません。逆に、渡す側から見れば、3人に110万円ずつ渡せば合計330万円を無税で移せます。→ 本文で読む

贈与税の一般税率と特例税率はどう違いますか

速算表は「一般贈与財産用(一般税率)」と「特例贈与財産用(特例税率)」の2つです。どちらを使うかは、 誰から誰への贈与か で決まります。 国税庁は、特例税率について「夫の父からの贈与等には使用できません」とわざわざ書いています。 直系尊属 ですので、義理の親は含まれません。年齢は「18歳」で、令和4年3月31日以前の贈与については「20歳」です。→ 本文で読む

親から子への贈与は税率が安くなりますか

2つの表を見比べると、 特例税率のほうが同じ税率の適用される金額帯が広い ことが分かります。たとえば20%が適用されるのは、一般税率では400万円以下までですが、特例税率では600万円以下までです。→ 本文で読む

500万円の贈与を受けたら贈与税はいくらですか

同じ500万円の贈与でも、どちらの表を使うかで税額が変わります。国税庁が示している計算例を、そのまま並べます。→ 本文で読む

贈与税の申告は誰がいつまでにしますか

もらった人が申告して納めます。 渡した側ではありません。申告の期限は、贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までです。 110万円以下なら申告は不要です。 ただし、相続時精算課税を選ぶ場合や、住宅取得等資金の非課税を使う場合は、税額がゼロでも申告が必要です。→ 本文で読む

出典

  1. 国税庁「No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)」
    https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/zoyo/4408.htm

この記事は、記載時点で公表されている法令・通達・国税庁の資料にもとづいて書いています。制度は改正されることがあり、また個別の事情によって取扱いは変わります。実際のご判断にあたっては、税理士にご相談いただくか、所轄の税務署にお確かめください。当事務所は本記事の情報を用いて行われた判断について責任を負いかねます。

贈与の前に、税額を計算してお見せします。

いくら渡すと税額がいくらになるか。相続まで含めて、どの渡し方がいちばん軽いか。数字を並べてご相談に応じます。