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控除

配偶者控除は配偶者の所得62万円以下。
給与なら136万円以下です(令和8年分から)

「妻の収入はいくらまでなら扶養に入れますか」。年末調整のたびに受ける質問です。

答えは年分によって動いていて、令和8年分からは合計所得62万円以下です。給与だけなら136万円以下。そして、この判定から除かれる所得があることは、あまり知られていません。国税庁のタックスアンサーNo.1190で確認します。

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この記事の要点

配偶者の合計所得金額が62万円以下(令和8年分から。令和7年分は58万円、令和2〜6年分は48万円)なら配偶者控除が受けられます。給与だけなら給与所得控除74万円を引くので、給与収入136万円以下が目安。62万円を超え133万円以下なら配偶者特別控除。ただし本人の合計所得が1,000万円を超えると、どちらも受けられません。特定口座の株の利益など、判定から除かれる所得もあります。国税庁タックスアンサーNo.1190をもとに整理しました。

配偶者控除の所得要件:62万円以下(令和8年分から)

国税庁 タックスアンサー No.1190「配偶者の所得がいくらまでなら配偶者控除が受けられるか」

配偶者に所得があっても、配偶者の年間の合計所得金額が62万円以下(注1)(令和7年分は58万円、令和2年分から令和6年分までは48万円以下、令和元年分以前は38万円以下)であれば配偶者控除が受けられます。
年分配偶者の合計所得金額
令和元年分以前38万円以下
令和2年分〜令和6年分48万円以下
令和7年分58万円以下
令和8年分〜62万円以下

ここで見るのは所得であって収入ではありません。給与収入から給与所得控除を引いた後の金額です。

給与だけなら136万円以下

配偶者の収入が給与だけなら、給与所得控除を引いた残りが所得です。国税庁は計算例を示しています。

国税庁 タックスアンサー No.1190「配偶者の所得がいくらまでなら配偶者控除が受けられるか」

その年の給与収入が136万円以下であれば、給与所得控除額が74万円ですので、これを差し引くと、合計所得金額が62万円以下となり、配偶者控除が受けられます。
(例)給与収入が105万円の場合
給与所得=給与収入-給与所得控除=105万円-74万円=31万円
この場合、合計所得金額は62万円以下ですから、配偶者控除が受けられます。

給与収入136万円が、令和8年分からの目安です。令和7年分は給与所得控除が最低65万円で、所得58万円以下=給与収入123万円以下でした。令和6年分までは給与所得控除55万円・所得48万円以下で、これが長く言われてきた「103万円の壁」です。

62万円を超えても133万円以下なら配偶者特別控除

所得が62万円を1円超えたら控除がゼロになる、という制度ではありません。配偶者特別控除があります。

国税庁 タックスアンサー No.1190「配偶者の所得がいくらまでなら配偶者控除が受けられるか」

配偶者特別控除は、納税者本人の合計所得金額が1,000万円以下の場合で、かつ、配偶者の合計所得金額が62万円を超え(注)133万円以下(令和7年分は58万円を超え133万円以下、令和2年分から令和6年分までは48万円を超え133万円以下、平成30年分から令和元年分までは38万円を超え123万円以下)である場合に、納税者本人の合計所得金額および配偶者の合計所得金額に応じて定められた控除額の控除が受けられるものです。
配偶者の合計所得金額(令和8年分〜)受けられる控除
62万円以下配偶者控除
62万円超 133万円以下配偶者特別控除(金額は段階的に減る)
133万円超なし

配偶者特別控除の額は、本人の所得と配偶者の所得の組み合わせで決まり、所得が増えるにつれて段階的に小さくなります。62万円を超えた瞬間に世帯の手取りが落ちる、という形にはなっていません。

本人の所得が1,000万円を超えると受けられない

国税庁 タックスアンサー No.1190「配偶者の所得がいくらまでなら配偶者控除が受けられるか」

平成30年分以降は、控除を受ける納税者本人の合計所得金額が1,000万円を超える年については、配偶者控除は受けられません。

配偶者特別控除も、本人の合計所得金額が1,000万円以下であることが要件です。配偶者の所得がゼロでも、本人の所得が1,000万円を超えていれば控除はありません。年末調整の用紙で本人の所得の見積額を書く欄があるのは、このためです。

給与以外の所得がある場合

配偶者に不動産所得や一時所得、譲渡所得がある場合も、合計した金額で判定します。

国税庁 タックスアンサー No.1190「配偶者の所得がいくらまでなら配偶者控除が受けられるか」

(例)給与収入90万円、不動産所得10万円の場合
給与所得=給与収入-給与所得控除=90万円-74万円=16万円
合計所得金額=給与所得の金額+不動産所得の金額=16万円+10万円=26万円
この場合、合計所得金額は62万円以下ですから、配偶者控除が受けられます。

配偶者が副業をしている場合、その所得も合算されます。パート収入だけを見て「136万円以下だから大丈夫」と判断すると、副業の分で超えていることがあります。

判定から除かれる所得がある

ここは知られていない点です。次の所得は、合計所得金額の判定から除かれます

国税庁 タックスアンサー No.1190「配偶者の所得がいくらまでなら配偶者控除が受けられるか」

(1)特定公社債等の利子や上場株式等の配当、少額配当など確定申告不要制度の対象となるもので、確定申告をしないことを選択したもの
(2)特定口座の源泉徴収選択口座内の株式等の譲渡による所得で、確定申告をしないことを選択したもの
(3)源泉分離課税とされる預貯金や一般公社債等の利子など
(4)源泉分離課税とされる抵当証券の利息や一時払養老保険(保険期間等が5年以下のものや保険期間等が5年超で5年以内に解約されたもののうち一定のもの)の差益などの金融類似商品の収益
(5)源泉分離課税とされる一定の割引債の償還差益

配偶者が源泉徴収ありの特定口座で株を売って利益が出ても、確定申告をしないことを選べば、配偶者控除の判定には入りません。NISA口座の利益はそもそも非課税ですので、当然入りません。

株の利益を確定申告すると、扶養から外れることがあります

逆に言えば、源泉徴収された税金を取り戻そうとして確定申告をすると、その利益が合計所得金額に入ります。還付を受けた金額より、配偶者控除がなくなることによる世帯の増税のほうが大きい、ということが起こります。配偶者が株の申告をする前に、世帯全体で計算してください。

よくある質問

配偶者控除は配偶者の所得がいくらまで受けられますか

ここで見るのは 所得 であって収入ではありません。給与収入から給与所得控除を引いた後の金額です。→ 本文で読む

パート収入がいくらまでなら配偶者控除を受けられますか

配偶者の収入が給与だけなら、給与所得控除を引いた残りが所得です。国税庁は計算例を示しています。 給与収入136万円 が、令和8年分からの目安です。令和7年分は給与所得控除が最低65万円で、所得58万円以下=給与収入123万円以下でした。令和6年分までは給与所得控除55万円・所得48万円以下で、これが長く言われてきた 「103万円の壁」 です。→ 本文で読む

配偶者の所得が62万円を超えたら控除はなくなりますか

所得が62万円を1円超えたら控除がゼロになる、という制度ではありません。配偶者特別控除があります。 配偶者特別控除の額は、本人の所得と配偶者の所得の組み合わせで決まり、所得が増えるにつれて段階的に小さくなります。 62万円を超えた瞬間に世帯の手取りが落ちる、という形にはなっていません。→ 本文で読む

自分の所得が高いと配偶者控除は受けられませんか

配偶者特別控除も、本人の合計所得金額が1,000万円以下であることが要件です。 配偶者の所得がゼロでも、本人の所得が1,000万円を超えていれば控除はありません。 年末調整の用紙で本人の所得の見積額を書く欄があるのは、このためです。→ 本文で読む

配偶者の株の利益は配偶者控除の判定に入りますか

配偶者が 源泉徴収ありの特定口座 で株を売って利益が出ても、確定申告をしないことを選べば、配偶者控除の判定には入りません。NISA口座の利益はそもそも非課税ですので、当然入りません。→ 本文で読む

出典

  1. 国税庁「No.1190 配偶者の所得がいくらまでなら配偶者控除が受けられるか」
    https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1190.htm

この記事は、記載時点で公表されている法令・通達・国税庁の資料にもとづいて書いています。制度は改正されることがあり、また個別の事情によって取扱いは変わります。実際のご判断にあたっては、税理士にご相談いただくか、所轄の税務署にお確かめください。当事務所は本記事の情報を用いて行われた判断について責任を負いかねます。

ご夫婦の所得を合わせて、いちばん手取りが多くなる形をお出しします。

配偶者控除・配偶者特別控除・社会保険の扶養は、それぞれ基準が違います。3つを並べて、働き方を決める材料をお渡しします。