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申告

確定申告を間違えたとき。
納めすぎなら更正の請求(5年以内)、少なすぎなら修正申告。自主的なら加算税なし

申告書を出した後で、控除の入れ忘れや経費の計算違いに気づく。よくあることです。直す手続きは2つあり、どちらに転んだかで使う手続きが違います。

納めすぎなら「更正の請求」、少なすぎなら「修正申告」。国税庁のタックスアンサーNo.2026で、期限と加算税を確認します。

公開 最終更新

この記事の要点

申告後に間違いに気づいたら、税金を納めすぎていた場合は法定申告期限から5年以内に更正の請求、少なすぎた場合は修正申告です。修正申告は調査の事前通知前に自主的にすれば過少申告加算税なし、通知後は5%(50万円超部分10%)、調査後は10%(同15%)。帳簿不提示なら加重。新たに納める税金は修正申告書を出した日が納期限で、延滞税も併せて納めます。国税庁タックスアンサーNo.2026をもとに整理しました。

どちらに間違えたかで手続きが分かれる

法定申告期限の後に申告内容の間違いに気づいた場合、直す方法は2つです。納める税金が多すぎた(還付が少なすぎた)なら更正の請求、納める税金が少なすぎた(還付が多すぎた)なら修正申告です。

間違いの方向手続き期限ペナルティ
税金を納めすぎた/還付が少なすぎた更正の請求法定申告期限から5年以内なし
税金が少なすぎた/還付が多すぎた修正申告できるだけ早く過少申告加算税(自主的なら不要)+延滞税

どちらも、国税庁の確定申告書等作成コーナーの「更正の請求書・修正申告書作成コーナー」で作れます。令和4年12月31日以後に終了する年分については、更正前・修正前の課税標準等の記載が不要になり、修正申告の第5表も要らなくなりました。

納めすぎ:更正の請求。法定申告期限から5年以内

国税庁 タックスアンサー No.2026「確定申告を間違えたとき」

更正の請求という手続ができる場合があります。この手続は、更正の請求書を税務署長に提出することにより行います。更正の請求書が提出されると、税務署ではその内容を検討して、納め過ぎた税金がある等(純損失の金額が増える場合を含みます。)と認めた場合には、減額更正(更正の請求をした人にその内容が通知されます。)をして税金を還付または純損失の金額を増加することになります。
(中略)
更正の請求ができる期間は、原則として法定申告期限から5年以内です。

更正の請求は「お願い」の形です。出せば自動的に還付されるのではなく、税務署が内容を検討して認めた場合に減額更正が行われ、還付されます。医療費控除の入れ忘れ、扶養控除の漏れ、経費の計上漏れなどが典型です。根拠の資料(領収書など)を付けて出します。

注意点として、所得金額や所得控除が変わっても最終的な税額(または純損失の金額)が変わらない場合は、更正の請求はできません。たとえば、所得税額がもともとゼロの人が控除を追加しても、税額はゼロのままなので請求の対象になりません。

少なすぎ:修正申告。自主的なら過少申告加算税なし

国税庁 タックスアンサー No.2026「確定申告を間違えたとき」

誤りを把握した際には、できるだけ早く修正申告をしてください。
税務署からの調査の事前通知の前に自主的に修正申告をした場合であれば、過少申告加算税はかかりません。

納める税金が少なかった場合は、修正申告で正しい税額に直します。ここで大事なのは、税務署から調査の事前通知が来る前に自分から出せば、過少申告加算税はかからないことです。延滞税はかかりますが、加算税はゼロです。

副業の売上の計上漏れ、経費の入れすぎ、株の譲渡益の申告漏れなど、気づいた時点で出せば、本税と延滞税だけで済みます。

事前通知の後は5%、調査後は10%。50万円超の部分は上がる

国税庁 タックスアンサー No.2026「確定申告を間違えたとき」

税務署からの調査の事前通知の後に修正申告(調査による更正を予知する前の修正申告)をした場合には、新たに納める税金のほかに、新たに納める税金に5パーセントの割合を乗じた過少申告加算税がかかります。ただし、新たに納める税金が当初の申告納税額と50万円とのいずれか多い金額を超えている場合、その超えている部分については10パーセントの割合になります。
また、税務署の調査を受けた後に修正申告(調査による更正を予知した修正申告)をした場合や、税務署から申告納税額の更正を受けた場合には、新たに納める税金のほかに、新たに納める税金に10パーセントの割合を乗じた過少申告加算税がかかります。ただし、新たに納める税金が当初の申告納税額と50万円とのいずれか多い金額を超えている場合、その超えている部分については15パーセントの割合になります。
いつ修正申告したか過少申告加算税
調査の事前通知の前に自主的にかからない
事前通知の後、調査による更正を予知する前5%(当初の申告納税額と50万円の多いほうを超える部分は10%)
調査を受けた後、または更正を受けた10%(同じく超える部分は15%)

令和5年分以降は、調査で帳簿の提示を求められて出さなかった場合や、帳簿の売上の記載が本来の2分の1未満だった場合は10%、3分の2未満だった場合は5%が加算されます。また、当初の申告が期限後申告だった場合は、過少申告加算税ではなく無申告加算税がかかることがあります。

新たに納める税金は、修正申告書を出した日が納期限

国税庁 タックスアンサー No.2026「確定申告を間違えたとき」

2 新たに納める税金は、修正申告書を提出する日が納期限となりますので、その日に納めてください。
3 この場合、納付の日までの延滞税を併せて納付する必要があります

修正申告で増えた税金は、申告書を出したその日に納めます。延滞税は、本来の納期限(3月15日)の翌日から納付日までにかかります。修正申告を先延ばしにするほど延滞税は増えますので、気づいたら申告と納付を同じ日に済ませてください。

よくある間違いと、どちらの手続きか

間違い手続き
医療費控除・扶養控除・生命保険料控除を入れ忘れた更正の請求(税額が減る)
副業の経費を計上し忘れた更正の請求(税額が減る)
副業の売上を一部計上していなかった修正申告(税額が増える)
私的な支出を経費に入れていた修正申告(税額が増える)
控除を追加したが、もともと税額ゼロ更正の請求はできない(税額に異動なし)

更正の請求は5年の猶予がありますが、修正申告は早いほど有利です。税額が増える方向の間違いに気づいたときは、その週のうちに動いてください。

よくある質問

確定申告を間違えたときはどうすればよいですか

法定申告期限の後に申告内容の間違いに気づいた場合、直す方法は2つです。納める税金が多すぎた(還付が少なすぎた)なら 更正の請求 、納める税金が少なすぎた(還付が多すぎた)なら 修正申告 です。→ 本文で読む

確定申告で税金を納めすぎた場合、いつまで取り戻せますか

更正の請求は「お願い」の形です。出せば自動的に還付されるのではなく、税務署が内容を検討して認めた場合に減額更正が行われ、還付されます。医療費控除の入れ忘れ、扶養控除の漏れ、経費の計上漏れなどが典型です。根拠の資料(領収書など)を付けて出します。→ 本文で読む

自分から修正申告をすれば加算税はかかりませんか

納める税金が少なかった場合は、修正申告で正しい税額に直します。ここで大事なのは、 税務署から調査の事前通知が来る前に自分から出せば、過少申告加算税はかからない ことです。延滞税はかかりますが、加算税はゼロです。→ 本文で読む

税務調査の後に修正申告をすると加算税は何パーセントですか

令和5年分以降は、調査で帳簿の提示を求められて出さなかった場合や、帳簿の売上の記載が本来の2分の1未満だった場合は10%、3分の2未満だった場合は5%が加算されます。また、当初の申告が期限後申告だった場合は、過少申告加算税ではなく無申告加算税がかかることがあります。→ 本文で読む

修正申告で増えた税金はいつまでに納めますか

修正申告で増えた税金は、申告書を出したその日に納めます。延滞税は、本来の納期限(3月15日)の翌日から納付日までにかかります。修正申告を先延ばしにするほど延滞税は増えますので、気づいたら申告と納付を同じ日に済ませてください。→ 本文で読む

出典

  1. 国税庁「No.2026 確定申告を間違えたとき」
    https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2026.htm

この記事は、記載時点で公表されている法令・通達・国税庁の資料にもとづいて書いています。制度は改正されることがあり、また個別の事情によって取扱いは変わります。実際のご判断にあたっては、税理士にご相談いただくか、所轄の税務署にお確かめください。当事務所は本記事の情報を用いて行われた判断について責任を負いかねます。

出した申告書の控えをお持ちいただければ、直す必要があるかを確認します。

更正の請求で還付になる見込み、修正申告で加算税を避ける段取り。どちらも早いほど有利です。