申告
会社員の確定申告はe-Taxで。
生命保険料控除などの証明書は添付を省略できます
会社員の方の確定申告は、医療費控除や住宅ローン控除の還付申告がきっかけになることが多いと思います。
その申告書は、国税庁のホームページで作ってe-Taxで送信できます。生命保険料控除や地震保険料控除などの証明書は、内容を入力して送信すれば、税務署に出さなくてよくなります。
ただし、出さなくてよいのは提出だけで、捨ててよいわけではありません。国税庁のタックスアンサーNo.1904で、e-Taxの利点と、添付を省略できる書類、気をつける点を確認します。
この記事の要点
会社員でも、給与の収入金額が2,000万円を超える場合や、給与・退職所得以外の所得が20万円を超える場合などは確定申告が必要で、医療費控除や住宅借入金等特別控除を受けるための還付申告もできます。e-Taxなら自宅から送信でき、生命保険料控除や社会保険料控除などの証明書は、内容を入力すれば添付を省略できます。ただし5年間は提示を求められることがあります。国税庁タックスアンサーNo.1904をもとに整理しました。
先に見ておくと分かりやすいもの
確定申告が必要な会社員と、申告できる会社員
会社員(給与所得者)でも、給与の収入金額が2,000万円を超える場合や、給与所得と退職所得以外の所得金額が20万円を超える場合などは、確定申告をしなければなりません。確定申告の必要がない方でも、医療費控除や住宅借入金等特別控除を受けるために還付申告をすることができます。
国税庁 タックスアンサー No.1904「給与所得者と電子申告」
給与所得者であっても給与等の収入金額が2,000万円を超える場合や給与所得および退職所得以外の所得金額が20万円を超えるなどの場合には、確定申告をすれば税金が還付される方を除き、確定申告をしなければなりません。
| 主な場合 | |
|---|---|
| 確定申告をしなければならない | 給与の収入金額が2,000万円を超える/給与所得・退職所得以外の所得金額が20万円を超える など |
| 確定申告(還付申告)をすることができる | 医療費控除を受ける/住宅借入金等特別控除を受ける など |
申告が必要になる場面は、ほかにもあります。会社員でも確定申告が必要な7つの場合にまとめました。No.1904は、こうした確定申告書の提出にはe-Tax(電子申告)が便利だとしています。
e-Taxの4つの利点
e-Taxを使うと、自宅にいながら申告ができます。No.1904は主な利点として、24時間提出できること、スマートフォンなどから作成したデータをそのまま送れること、還付が早いこと、第三者作成書類の添付を省略できることの4つを挙げています。
| No.1904が挙げる利点 | |
|---|---|
| (1) | 所得税の確定申告期間中は24時間提出が可能(24時間提出できる期間は年によって異なる) |
| (2) | パソコンやスマートフォンから、国税庁ホームページの「確定申告書等作成コーナー」で作ったデータを直接送信できる。必要な付表や明細書も、入力すれば自動で作られる |
| (3) | 還付申告の場合、書面での提出より早く還付金を受け取れる |
| (4) | 生命保険料控除証明書などの第三者作成書類の添付を省略できる |
(2)のとおり、確定申告書等作成コーナーで作った申告書は、印刷して書面で出すこともできます。作り方は同じで、最後に「送信」するか「印刷」するかの違いです。還付を早く受けたい方、平日に税務署へ行く時間がとりにくい方には、送信のほうが向いています。
使う前に必要なこと
e-Taxを使うには、パソコンがインターネットに接続できることのほか、事前に開始届出書の提出や電子証明書の取得などが必要です。No.1904は、詳しくはe-Taxホームページを見るよう案内しています。
国税庁 タックスアンサー No.1904
e-Taxを利用するには、パソコンがインターネット環境に接続可能であることのほか、事前に、開始届出書の提出、電子証明書の取得などが必要ですので、詳しくはe-Taxホームページをご覧ください。
申告の締切りが近づいてから準備を始めると、電子証明書の取得などで手間取ることがあります。はじめて使う年は、早めに準備を済ませておくと落ち着いて申告できます。
添付を省略できる第三者作成書類
e-Taxで確定申告書を出す場合、保険会社など第三者が作った証明書(第三者作成書類)は、記載内容を入力して送信すれば、税務署への提出または提示を省略できます。会社員の方の申告で出てくるものを分けると、次のとおりです。
| 区分 | 添付を省略できる書類(No.1904の一覧から) |
|---|---|
| 所得控除の証明書 | 社会保険料控除、小規模企業共済等掛金控除、生命保険料控除、地震保険料控除、寄附金控除、勤労学生控除の証明書、雑損控除の証明書 |
| 医療費控除 | 医療費通知(医療費のお知らせ)、医療費に係る使用証明書等(おむつ証明書など)、セルフメディケーション税制の取組を明らかにする書類 |
| 住宅ローン控除など | 住宅借入金等特別控除の借入金年末残高証明書(適用2年目以降のもの)、特定増改築等住宅借入金等特別控除(バリアフリー改修・省エネ改修等・多世帯同居改修)の借入金年末残高証明書(適用2年目以降のもの) |
| 税額控除など | 政党等寄附金特別控除、認定NPO法人寄附金特別控除、公益社団法人等寄附金特別控除、特定震災指定寄附金特別控除の証明書、個人の外国税額控除に係る証明書 |
| 給与所得者の特例 | 給与所得者の特定支出の控除の特例に係る支出の証明書 |
住宅借入金等特別控除の年末残高証明書は適用2年目以降のものに限られています。生命保険料控除の中身は生命保険料控除と地震保険料控除に、住宅ローン控除の手続は住宅ローン控除の調書方式に書きました。
省略した書類も5年間は手元に残す
添付を省略できるのは、税務署への提出または提示です。入力した内容を確認するため、原則として法定申告期限から5年間は、税務署長等から書類の提示や提出を求められることがあります。
国税庁 タックスアンサー No.1904
入力内容を確認するため、必要があるときは、原則として法定申告期限から5年間、税務署長等からこれらの書類の提示または提出を求められることがあります。この求めに応じなかった場合は、これらの書類については、確定申告書に添付または提示がなかったものとして取り扱われます。
求めに応じられなかった場合は、その書類を添付も提示もしなかったものとして扱われます。送信が終わったら証明書を捨ててしまう、というのは避けてください。申告書の控えと一緒に、年分ごとにまとめて保管しておくのが確実です。
医療費通知は明細書への入力で、提出を省略できる
医療費控除で使う医療費通知(医療費のお知らせ)は、令和3年分以後の所得税から、「医療費控除の明細書」に入力して送信すれば、税務署への提出または提示を省略できます。セルフメディケーション税制の取組を明らかにする書類は、令和3年分の確定申告から添付も提示も要らなくなりました。
国税庁 タックスアンサー No.1904(注1)(注2)
(注1)令和3年分以後の所得税より、「医療費控除の明細書」に入力して送信することにより、税務署への提出または提示を省略することができます。
(注2)令和3年分の確定申告から「セルフメディケーション税制に係る一定の取組を行ったことを明らかにする書類」の添付または提示は必要なくなりました。
医療費控除の明細書の書き方と、領収書の保存については医療費控除の手続に、セルフメディケーション税制についてはセルフメディケーション税制の記事にまとめました。
書面で出す添付書類は、イメージデータでも送れる
e-Taxで申告や申請・届出をする場合、別途郵送などの書面で出す必要がある添付書類も、書面に代えてイメージデータで送信できます。No.1904は、e-Taxホームページの「添付書類のイメージデータによる提出について」を見るよう案内しています。
入力で済む第三者作成書類と、イメージデータで送る添付書類の両方を使えば、紙の書類を郵送したり税務署に持参したりする場面は、かなり減らせます。どの書類がどちらに当たるかは、確定申告書等作成コーナーの画面の案内に沿って確かめてください。
よくある質問
会社員でも確定申告が必要なのはどんな場合ですか
会社員(給与所得者)でも、給与の収入金額が2,000万円を超える場合や、給与所得と退職所得以外の所得金額が20万円を超える場合などは、確定申告をしなければなりません。確定申告の必要がない方でも、医療費控除や住宅借入金等特別控除を受けるために還付申告をすることができます。→ 本文で読む
e-Taxで確定申告をすると何がよいのですか
e-Taxを使うと、自宅にいながら申告ができます。No.1904は主な利点として、24時間提出できること、スマートフォンなどから作成したデータをそのまま送れること、還付が早いこと、第三者作成書類の添付を省略できることの4つを挙げています。→ 本文で読む
e-Taxを使う前に何が必要ですか
e-Taxを使うには、パソコンがインターネットに接続できることのほか、事前に開始届出書の提出や電子証明書の取得などが必要です。No.1904は、詳しくはe-Taxホームページを見るよう案内しています。→ 本文で読む
e-Taxで申告すると添付を省略できる書類は何ですか
e-Taxで確定申告書を出す場合、保険会社など第三者が作った証明書(第三者作成書類)は、記載内容を入力して送信すれば、税務署への提出または提示を省略できます。会社員の方の申告で出てくるものを分けると、次のとおりです。→ 本文で読む
e-Taxで添付を省略した証明書は捨ててもよいですか
添付を省略できるのは、税務署への提出または提示です。入力した内容を確認するため、原則として法定申告期限から5年間は、税務署長等から書類の提示や提出を求められることがあります。 求めに応じられなかった場合は、 その書類を添付も提示もしなかったものとして扱われます。 送信が終わったら証明書を捨ててしまう、というのは避けてください。申告書の控えと一緒に、年分ごとにまとめて保管しておくのが確実です。→ 本文で読む
医療費通知は確定申告で提出する必要がありますか
医療費控除で使う医療費通知(医療費のお知らせ)は、令和3年分以後の所得税から、「医療費控除の明細書」に入力して送信すれば、税務署への提出または提示を省略できます。セルフメディケーション税制の取組を明らかにする書類は、令和3年分の確定申告から添付も提示も要らなくなりました。→ 本文で読む
出典
- 国税庁「No.1904 給与所得者と電子申告」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1904.htm
この記事は、記載時点で公表されている法令・通達・国税庁の資料にもとづいて書いています。制度は改正されることがあり、また個別の事情によって取扱いは変わります。実際のご判断にあたっては、税理士にご相談いただくか、所轄の税務署にお確かめください。当事務所は本記事の情報を用いて行われた判断について責任を負いかねます。
還付申告やe-Taxの送信で迷ったら、ご相談ください。
医療費控除や住宅ローン控除の還付申告、副業の所得がある方の確定申告まで、申告書の作成から送信まで承ります。添付を省略した証明書の保管のしかたも合わせてお伝えします。ふじみ野市とその近隣の方は訪問でのご相談も承ります。初回30分は無料です。
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