申告
税金を期限までに納められないとき。
延滞税と、換価の猶予・納税の猶予
確定申告で思ったより税額が大きかった、病気や休業で手元のお金が足りない。期限までに税金を納められないとき、何もしないでいると延滞税が増えていきます。
国税を期限までに納めないと延滞税がかかり、督促のあとも納めなければ差押えなどを受けることがあります。一方で、税務署に申請すれば、分割で納める猶予が認められる場合があります。
国税庁のタックスアンサーNo.9206で、延滞税と滞納処分の流れ、換価の猶予・納税の猶予の要件、申請に要る書類を確認します。
この記事の要点
国税を期限までに納めないと、法定納期限の翌日から納付する日までの日数に応じて延滞税が自動的にかかり、督促状のあとも納めなければ財産の差押えなどの滞納処分を受けることがあります。一時に納めることが難しい理由があれば、税務署に申請して換価の猶予・納税の猶予を受けられる場合があり、猶予期間中の延滞税は免除または軽減されます。国税庁タックスアンサーNo.9206をもとに整理しました。
先に見ておくと分かりやすいもの
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期限を過ぎると延滞税。督促のあとは滞納処分
国税を定められた期限までに納めないと、原則として法定納期限の翌日から納付する日までの日数に応じて、利息に相当する延滞税が自動的にかかります。税務署から督促状が届いてもなお納めないときは、財産の差押えなどの滞納処分を受ける場合があります。
国税庁 タックスアンサー No.9206「国税を期限内に納付できないとき」
国税が定められた期限までに納付されない場合には、原則として法定納期限の翌日から納付するまでの日数に応じて利息に相当する延滞税が自動的に課されます。
また、税務署から督促状が送付されてもなお納付されないときには、財産の差押えなどの滞納処分を受ける場合があります。
延滞税は日数に応じてかかるので、納めるのが遅れるほど増えます。一度に全額を納められないときも、そのままにせず、次の節の猶予の申請を含めて早めに動くことが大切です。
申請すれば猶予が認められる場合がある
国税を一時に納めることが難しい理由がある場合は、税務署に申請することで、換価の猶予または納税の猶予が認められる場合があります。猶予が認められると、財産の換価(売却)や差押えなどが猶予されるほか、猶予期間中の延滞税が免除または軽減されます。
| 換価の猶予 | 納税の猶予 | |
|---|---|---|
| 主なきっかけ | 一時に納めると、事業の継続や生活の維持が難しくなるおそれがある | 災害・盗難、病気・負傷、廃業・休業、事業の著しい損失など |
| 申請の期限 | 納期限から6か月以内 | 申請書の提出が要件(猶予該当事実が(6)の場合は納期限まで) |
| 期間 | 原則として1年以内 | |
| 担保 | 原則として必要(不要になる場合あり) | |
No.9206は、申請による換価の猶予のほか、税務署長の職権による換価の猶予もあると注記しています。そのうえでNo.9206は、納期限までに納められない場合は、早めに所轄の税務署の徴収担当に相談するよう案内しています。
換価の猶予の5つの要件
換価の猶予は、次の1から5までのすべてに当てはまるとき、原則として1年以内の期間に限って認められる場合があります。とくに、納期限から6か月以内に申請書を出していることが要件になっている点に気をつけてください。
国税庁 タックスアンサー No.9206 換価の猶予
1 国税を一時に納付することにより、事業の継続または生活の維持を困難にするおそれがあると認められること。
2 納税について誠実な意思を有すると認められること。
3 換価の猶予を受けようとする国税以外の国税の滞納がないこと。
4 納付すべき国税の納期限から6か月以内に申請書が提出されていること。
5 原則として、担保の提供があること。
3のとおり、ほかの国税に滞納があると、換価の猶予は受けられません。納められない税金が複数あるときは、全体の状況を整理してから相談するほうが話が早く進みます。
納税の猶予の要件。災害・病気・廃業など
納税の猶予は、災害や病気、廃業・休業などの事実があり、それによって一時に納めることができないと認められ、申請書を出していて、原則として担保の提供があるとき、原則として1年以内の期間に限って認められる場合があります。
| No.9206が挙げる猶予該当事実 | |
|---|---|
| (1) | 財産について、災害を受けたり盗難にあったこと |
| (2) | 納税者や家族が病気にかかったり負傷したこと |
| (3) | 事業を廃業したり休業したこと |
| (4) | 事業について著しい損失を受けたこと |
| (5) | 上記の(1)から(4)に類する事実があったこと |
| (6) | 本来の期限から1年以上経過した後に、修正申告などにより納付すべき税額が確定したこと |
(6)は、何年か前の申告を修正申告で直したら、まとまった税額を納めることになったという場面です。この場合、申請書は納期限までに出す必要があります。修正申告については確定申告を間違えたときの記事に、災害を受けたときの所得税の軽減は災害減免法の記事にまとめました。
担保は原則必要。100万円以下などは不要
猶予を申請するときは、原則として、猶予を受けようとする金額に相当する担保を提供する必要があります。ただし、猶予を受ける金額が100万円以下の場合、猶予を受ける期間が3か月以内の場合、担保として提供できる財産がない場合などは、担保は要りません。
| 担保を提供しなくてよい場合(いずれか) |
|---|
| 1 猶予を受ける金額が100万円以下である場合 |
| 2 猶予を受ける期間が3か月以内である場合 |
| 3 担保として提供することができる種類の財産がないといった事情がある場合 |
3のとおり、担保として提供できる種類の財産がないといった事情がある場合も、担保は要りません。担保を用意できないからといって、申請をあきらめる必要はありません。
猶予期間は1年以内。各月に分割して納める
猶予を受けられる期間は1年の範囲内で、申請する人の財産や収支の状況に応じて、最も早く国税を完納できると認められる期間に限られます。猶予を受けた国税は、原則として猶予期間中の各月に分割して納めます。
国税庁 タックスアンサー No.9206 猶予期間
猶予期間内に完納することができないやむを得ない理由があると認められる場合は、当初の猶予期間が終了する前に所轄の税務署に申請することにより、当初の猶予期間と合わせて2年を超えない範囲で猶予期間の延長が認められることがあります。
延長の申請は、当初の猶予期間が終わる前に出す必要があります。分割の計画どおりに納められそうにないと分かった時点で、早めに税務署に相談してください。
申請に出す書類
猶予を受けるには、猶予の申請書のほか、財産収支状況書、担保の提供に関する書類、納税の猶予の場合は災害などの事実を証する書類を、所轄の税務署長に出します。猶予を受けようとする金額が100万円を超える場合は、財産収支状況書に代えて財産目録と収支の明細書が要ります。
| 書類 | |
|---|---|
| 1 | 「換価の猶予申請書」または「納税の猶予申請書」 |
| 2 | 「財産収支状況書」(猶予を受けようとする金額が100万円を超える場合は、「財産目録」および「収支の明細書」) |
| 3 | 担保の提供に関する書類(実印の押印と印鑑証明書の添付が必要な場合がある) |
| 4 | 災害などの事実を証する書類(納税の猶予の場合) |
財産収支状況書や収支の明細書では、毎月の収入と支出から、いくら納められるかを示します。分割の額に無理がないかを、申請の前に自分で確かめておくと、その後の納付が続けやすくなります。
よくある質問
税金を期限までに納めないとどうなりますか
国税を定められた期限までに納めないと、原則として法定納期限の翌日から納付する日までの日数に応じて、利息に相当する延滞税が自動的にかかります。税務署から督促状が届いてもなお納めないときは、財産の差押えなどの滞納処分を受ける場合があります。→ 本文で読む
税金を一度に納められないときに猶予を受けられますか
国税を一時に納めることが難しい理由がある場合は、税務署に申請することで、換価の猶予または納税の猶予が認められる場合があります。猶予が認められると、財産の換価(売却)や差押えなどが猶予されるほか、猶予期間中の延滞税が免除または軽減されます。→ 本文で読む
換価の猶予を受けるための要件は何ですか
換価の猶予は、次の1から5までのすべてに当てはまるとき、原則として1年以内の期間に限って認められる場合があります。とくに、納期限から6か月以内に申請書を出していることが要件になっている点に気をつけてください。→ 本文で読む
納税の猶予はどんな場合に認められますか
納税の猶予は、災害や病気、廃業・休業などの事実があり、それによって一時に納めることができないと認められ、申請書を出していて、原則として担保の提供があるとき、原則として1年以内の期間に限って認められる場合があります。→ 本文で読む
猶予の申請に担保は必要ですか
猶予を申請するときは、原則として、猶予を受けようとする金額に相当する担保を提供する必要があります。ただし、猶予を受ける金額が100万円以下の場合、猶予を受ける期間が3か月以内の場合、担保として提供できる財産がない場合などは、担保は要りません。→ 本文で読む
猶予を受けられる期間はどのくらいですか
猶予を受けられる期間は1年の範囲内で、申請する人の財産や収支の状況に応じて、最も早く国税を完納できると認められる期間に限られます。猶予を受けた国税は、原則として猶予期間中の各月に分割して納めます。→ 本文で読む
出典
- 国税庁「No.9206 国税を期限内に納付できないとき」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/osirase/9206.htm
この記事は、記載時点で公表されている法令・通達・国税庁の資料にもとづいて書いています。制度は改正されることがあり、また個別の事情によって取扱いは変わります。実際のご判断にあたっては、税理士にご相談いただくか、所轄の税務署にお確かめください。当事務所は本記事の情報を用いて行われた判断について責任を負いかねます。
納めるのが難しいと分かったら、期限の前にご相談ください。
換価の猶予は納期限から6か月以内の申請が要件で、納税の猶予にも申請期限がある場合があります。財産収支状況書の作り方や、分割の計画の立て方まで一緒に整理します。ふじみ野市とその近隣の方は訪問でのご相談も承ります。初回30分は無料です。
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