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消費税

事業用の車や建物を売ったときの消費税。
賃貸住宅の建物を売っても課税

仕事で使っていた車を買い替えで下取りに出した、事業用の機械を売った、貸していたアパートを売った。こうした売却にも消費税がかかることがあります。

消費税は商品の売上だけにかかるものではありません。事業に使っていた資産を売ることも、事業に付随する取引として課税の対象になります。家賃が非課税の賃貸住宅でも、建物を売るときは課税の対象です。

国税庁のタックスアンサーNo.3240と、非課税取引のNo.6201、納税義務の免除のNo.6501で、どこを確かめればよいかを整理します。

公開 最終更新

この記事の要点

個人事業者が事業に使っていた建物や機械、車両などを売ったときも、消費税の課税の対象になります。住宅の貸付けは非課税ですが、住宅賃貸用の建物を売却した場合は課税の対象です。土地の譲渡は非課税です。実際に納めるかどうかは納税義務の判定により、インボイスの登録をしていると免除されません。国税庁タックスアンサーNo.3240・No.6201・No.6501をもとに整理しました。

先に見ておくと分かりやすいもの

事業用の建物・機械・車両を売っても課税の対象

消費税の課税の対象は、国内で行う資産の譲渡等のうち非課税取引以外のものです。資産の譲渡等には、性質上事業に付随して対価を得て行われるものも含まれるので、販売用の商品だけでなく、事業に使っていた建物や機械、車両などの事業用資産を売った場合も課税の対象になります。

国税庁 タックスアンサー No.3240「個人が事業用建物等を譲渡した場合の消費税」

資産の譲渡等とは、「事業者が事業として対価を得て行う資産の譲渡および貸付けならびに役務の提供」であり、その性質上事業に付随して対価を得て行われる資産の譲渡等も含まれます。したがって、販売用の商品だけでなく、事業に使用していた建物や機械、車両等の事業用資産を譲渡した場合や、住宅賃貸用や店舗賃貸用の建物を売却した場合も課税の対象となります。

たとえば、仕事で使っていた車を買替えのときに下取りに出すことも、事業用の車両を譲渡する取引に当たります。「売上ではないから消費税は関係ない」とは限りません。帳簿でも、売った代金を消費税の対象として扱うかどうかを確かめる必要があります。

住宅の家賃は非課税でも、建物の売却は課税

住宅の貸付けは、消費税の非課税取引です。それでも、No.3240は、住宅賃貸用の建物を売却した場合も課税の対象になるとしています。貸しているときの家賃が非課税でも、その建物を売ることは別の取引として扱われます。

取引消費税根拠
住宅の貸付け(家賃)非課税(1か月未満の貸付けなどは除く)No.6201(17)
住宅賃貸用の建物の売却課税の対象No.3240
店舗賃貸用の建物の売却課税の対象No.3240
事業に使っていた建物・機械・車両などの売却課税の対象No.3240

住宅だけを貸している大家さんは、ふだんの家賃が非課税なので、消費税と縁がないと考えがちです。建物を売る年だけ、消費税の課税の対象になる取引が出てくることになります。貸付けの区分は地代は非課税、家賃は課税の記事にまとめました。

土地の譲渡は非課税

土地の譲渡と貸付けは、消費税の非課税取引です。土地には借地権などの土地の上に存する権利も含まれます。土地付きの建物を売る場合でも、土地の部分は非課税です。

国税庁 タックスアンサー No.6201「非課税となる取引」(1)

土地の譲渡および貸付け
土地には、借地権などの土地の上に存する権利を含みます。

No.6201は、有価証券等の譲渡も非課税としています。ただし、株式・出資・預託の形態によるゴルフ会員権などの譲渡は非課税取引に当たりません。事業で持っていたものを売るときは、それが非課税の一覧に入っているかを先に確かめます。ゴルフ会員権の所得税の扱いはゴルフ会員権を売ったときの税金の記事に書きました。

納めるかどうかは納税義務の判定で決まる

課税の対象になる取引があっても、実際に消費税を納めるかどうかは、納税義務の判定で決まります。個人事業者は、その年の前々年(基準期間)の課税売上高が1,000万円以下であれば、原則として納税義務が免除されます。ただし、インボイス(適格請求書発行事業者)の登録を受けている場合は免除されません。

No.6501が挙げる場合納税義務
基準期間の課税売上高が1,000万円以下原則として免除
適格請求書発行事業者の登録を受けている免除されない
特定期間(前年の1月1日から6月30日まで)の課税売上高が1,000万円を超える免除されない(給与等支払額の合計額で判定することもできる)
課税事業者選択届出書を出している免除されない

インボイスに登録している方は、事業用の車や建物を売った代金も、その年の消費税の申告に入ってくることになります。判定の全体は消費税の1,000万円の記事に、登録した場合の扱いはインボイスに登録するとの記事にまとめました。

売る前に確かめること

事業用の資産を売るときは、売るものが課税の対象か非課税か、売る年に自分が消費税を納める立場か、の2点を先に確かめます。とくに賃貸物件は、家賃が非課税でも建物の売却は課税の対象になる点に気をつけてください。

確かめること見るところ
売るものは何か建物・機械・車両などの事業用資産か、土地か(土地は非課税)
賃貸用の建物か住宅賃貸用・店舗賃貸用とも、建物の売却は課税の対象
売る年に納税義務があるか基準期間・特定期間の課税売上高、インボイスの登録、課税事業者選択届出書

なお、No.6501には、飲食料品の譲渡について消費税率が引き下げられる期間に合わせて、課税事業者選択届出書の提出時期の特例が設けられるという案内も載っています。その内容は食品を売る事業者がやることの記事で整理しています。

よくある質問

事業用の車や建物を売ると消費税がかかりますか

消費税の課税の対象は、国内で行う資産の譲渡等のうち非課税取引以外のものです。資産の譲渡等には、性質上事業に付随して対価を得て行われるものも含まれるので、販売用の商品だけでなく、事業に使っていた建物や機械、車両などの事業用資産を売った場合も課税の対象になります。→ 本文で読む

家賃が非課税の賃貸住宅でも、建物を売ると消費税の対象になりますか

住宅の貸付けは、消費税の非課税取引です。それでも、No.3240は、住宅賃貸用の建物を売却した場合も課税の対象になるとしています。貸しているときの家賃が非課税でも、その建物を売ることは別の取引として扱われます。→ 本文で読む

土地を売ったときに消費税はかかりますか

土地の譲渡と貸付けは、消費税の非課税取引です。土地には借地権などの土地の上に存する権利も含まれます。土地付きの建物を売る場合でも、土地の部分は非課税です。 No.6201は、有価証券等の譲渡も非課税としています。ただし、株式・出資・預託の形態によるゴルフ会員権などの譲渡は非課税取引に当たりません。事業で持っていたものを売るときは、 それが非課税の一覧に入っているか を先に確かめます。ゴルフ会員権の所得税の扱いは ゴルフ会員権を売ったときの税金 の記事に書きました。→ 本文で読む

事業用資産を売ったときに消費税を納めるかどうかはどう決まりますか

課税の対象になる取引があっても、実際に消費税を納めるかどうかは、納税義務の判定で決まります。個人事業者は、その年の前々年(基準期間)の課税売上高が1,000万円以下であれば、原則として納税義務が免除されます。ただし、インボイス(適格請求書発行事業者)の登録を受けている場合は免除されません。→ 本文で読む

事業用の資産を売る前に何を確かめればよいですか

事業用の資産を売るときは、売るものが課税の対象か非課税か、売る年に自分が消費税を納める立場か、の2点を先に確かめます。とくに賃貸物件は、家賃が非課税でも建物の売却は課税の対象になる点に気をつけてください。→ 本文で読む

出典

  1. 国税庁「No.3240 個人が事業用建物等を譲渡した場合の消費税」
    https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3240.htm
  2. 国税庁「No.6201 非課税となる取引」
    https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shohi/6201.htm
  3. 国税庁「No.6501 納税義務の免除」
    https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shohi/6501.htm

この記事は、記載時点で公表されている法令・通達・国税庁の資料にもとづいて書いています。制度は改正されることがあり、また個別の事情によって取扱いは変わります。実際のご判断にあたっては、税理士にご相談いただくか、所轄の税務署にお確かめください。当事務所は本記事の情報を用いて行われた判断について責任を負いかねます。

事業用の資産を売る前に、消費税の扱いを確かめます。

車両の買替えや、賃貸物件の売却を考えている方は、売る年に消費税を納めるのかどうか、土地と建物の区分、インボイスの登録の有無まで含めて先に整理しておくと安心です。所得税の申告と一緒に確かめます。ふじみ野市とその近隣の方は訪問でのご相談も承ります。初回30分は無料です。