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消費税

外食とテイクアウトの違い。
軽減税率8%と10%の分かれ目

「持ち帰りは8%、店内で食べると10%」。ここまでは多くの方がご存じですが、実際の店では迷う場面が次々に出てきます。コンビニのイートインで食べるとき、フードコートのラーメン、ファストフードのセットでドリンクだけ店内で飲むとき、出前やケータリングはどちらか。

いまの軽減税率の線引きは、国税庁のタックスアンサーNo.6102と、軽減税率制度に関するQ&A(個別事例編)に、具体例つきで載っています。分かれ目は「飲食設備のある場所で食べさせるかどうか」です。

なお、令和9年4月1日から2年間は、飲食料品の消費税率が1%に引き下げられる予定です(大綱の内容で、法案の可決・成立が前提です)。国税庁のQ&Aは、1%の対象になる飲食料品の範囲は税率8%の範囲と同じだとしています。この記事の線引きは、そのときの「1%か10%か」の線引きにもそのまま当てはまります。

公開 最終更新

この記事の要点

軽減税率で外食になるのは、飲食設備のある場所で食事を提供するときです。持ち帰り(テイクアウト)と出前・宅配は飲食料品の譲渡で8%、店内飲食とケータリング・出張料理は10%。イートインのあるコンビニやスーパーは、提供した時に店内飲食か持ち帰りかを確かめて判定します。フードコート、屋台、公園のベンチ、有料老人ホームの食事まで、国税庁のタックスアンサーNo.6102とQ&A(個別事例編)をもとに整理しました。

外食は「飲食設備のある場所での食事の提供」。ケータリングも対象外

軽減税率の対象になるのは飲食料品の譲渡で、外食とケータリング等は含まれません。外食とは、飲食店業等を営む者が、飲食に用いられる設備がある場所で行う食事の提供をいいます。ケータリング等とは、相手方が指定した場所で、加熱、調理、給仕などの役務を伴って飲食料品を提供することをいいます。

国税庁 タックスアンサー No.6102「消費税の軽減税率制度」(注3)

外食とは、飲食店業等の事業を営む者が飲食に用いられる設備がある場所において行う食事の提供をいいます。ケータリング等とは、相手方が指定した場所において行う加熱、調理または給仕等の役務を伴う飲食料品の提供をいいます。
場面いまの税率
持ち帰り(テイクアウト)8%
出前・宅配(単に届けるだけ)8%
飲食設備のある場所での食事の提供(店内飲食)10%
ケータリング・出張料理10%

軽減税率の対象は、飲食料品(酒類を除く)と新聞で、標準税率は10%です。軽減税率の対象に含まれない外食とケータリング等は、10%になります。税率が適用されるかどうかの判定は、事業者が飲食料品を提供する時点で行います。

令和9年4月からの1%は、まだ法律になっていません

飲食料品を1%にする案は、令和8年9月15日の大綱で示されたもので、法案が国会で可決・成立した場合の内容です。国税庁のQ&Aとパンフレットは、1%の対象になる飲食料品の範囲は、令和9年3月31日以前に税率8%の対象になっている範囲と同じだと説明し、テイクアウトと出前・宅配は対象、外食は10%としています。この記事は、いまの8%と10%の線引きを書き、1%は範囲が同じであることを添えるにとどめます。

テイクアウトか店内飲食かは、提供した時に確かめて決める

テイクアウトとは、飲食料品を持ち帰りのための容器に入れ、または包装を施して行う譲渡で、外食には含まれません。持ち帰りか店内飲食かは、飲食料品を提供した時に、その場で食べるのか持ち帰るのかを相手方に確かめるなどの方法で判定します。

場面いまの税率考え方
その場で食べるために出したものを、あとで持ち帰ることにした10%提供した時点で「食事の提供」。その後に持ち帰っても変わらない
注文した料理の残りを折り詰めにして持ち帰らせる10%同上
回転寿司で、店内で食べる寿司と区別せずに出したものをパック詰めして持ち帰る10%同上
回転寿司で、顧客が持ち帰り用として注文し、パック詰めにして販売する8%飲食料品の譲渡
ハンバーガーとドリンクのセットで、ドリンクだけ店内で飲む10%(セット全体)セット商品は一の商品。ドリンク以外を持ち帰っても変わらない
持ち帰りのハンバーガーと、店内で飲むドリンクを単品で売るハンバーガー8%、ドリンク10%別々の商品として売るなら別々に判定する

喫茶店のコーヒーチケットのように、店内でも持ち帰りでも使えるものは、チケットを売った時ではなく、コーヒーを提供した時に店内か持ち帰りかを確かめて税率を判定します。コーヒーチケットの発行時に消費税の課税対象とする方法を継続して使っている場合は、店内用と持ち帰り用でチケットを分けて発行する対応が考えられる、と国税庁は書いています。

イートインのあるコンビニ・スーパーは意思確認が要る

顧客が飲食に使えるイートインスペースや休憩スペースがある店では、飲食料品を販売するときに、店内で飲食するか持ち帰るかを確かめて税率を判定します。ただし、大半の商品が持ち帰りの店では、全員に質問する必要はなく、掲示で申し出てもらう方法でも差し支えないとされています。

国税庁 軽減税率制度に関するQ&A(個別事例編)問53

「休憩スペースを利用して飲食する場合はお申し出ください」等の掲示を行うなど、営業の実態に応じた方法で意思確認を行うこととして差し支えありません。
場面考え方
トレイや返却が必要な食器に入れて出す店内のイートインスペースで飲食させる「食事の提供」。10%
持ち帰りの容器に入れて売る商品(ホットスナック、弁当など)店内飲食か持ち帰りかを確かめて判定する
「飲食はお控えください」と掲示している休憩スペース実態として顧客に飲食させていなければ、飲食設備に当たらない。ただし、実態として飲食させているなら「食事の提供」
従業員専用のバックヤード、トイレ、サッカー台顧客が飲食に使わないことが明らかな設備は、飲食設備に当たらない
飲食設備が休憩スペースだけの店で、ベンチ等は飲食不可と掲示している休憩スペースの利用について意思確認をすれば足りる
イートインスペースで食べられるのは飲み物とパンだけと掲示している実態としてそれ以外を食べさせていなければ、それ以外の商品は持ち帰り販売のみで、意思確認は不要

顧客向けの飲食設備がないスーパーで、従業員が休憩時間に商品を買って従業員専用のバックヤードで食べる場合も、スーパーが行うのは飲食料品の譲渡で、軽減税率の対象です。従業員価格で売っても、従業員は顧客として買っていると考えられるとされています。

「飲食設備」の範囲。フードコート・屋台・公園のベンチ・遊園地

飲食設備とは、テーブル、椅子、カウンターなど、飲食に用いられる設備をいい、規模や目的は問われません。カウンターだけの立食の店も、スーパーの休憩スペースも、飲食に使わせていれば飲食設備です。自分で設置した設備でなくても、設備を置いた人との合意などに基づいて顧客に使わせていれば、その設備も飲食設備に当たります。

場面いまの税率考え方
社員食堂10%社員に飲食させる役務の提供
セルフサービスの飲食店10%店のテーブルや椅子、カウンターを使わせている
ショッピングセンターのフードコート(テーブルはセンターのもの)10%設備の設置者との合意等に基づき顧客に使わせているなら飲食設備
屋台で、自分でテーブルや椅子を置いている。または設備設置者から使用許可を受けている10%飲食設備で飲食させている
屋台で、テーブルや椅子がない。または公園などの公共のベンチを誰でも自由に使っている8%単に飲食料品を販売している
遊園地の売店での食べ歩き。売店の管理が及ばない園内のベンチで食べる8%遊園地全体が飲食設備になるわけではない
遊園地の売店のそばに置いたテーブルや椅子で食べさせる10%売店の管理が及ぶ設備。意思確認をして判定する
飲食店のレジ前にある菓子の販売8%単に飲食料品を販売している
飲食店で、缶やペットボトルの飲料をコップに入れずに出す10%店内で飲ませるものとして提供している
映画館の売店での販売8%売店のそばにテーブルや椅子を置いて飲食させる場合は、持ち帰りを除き10%
列車の食堂車10%列車内の移動ワゴンでの販売は8%。ただし、座席に置いたメニューから注文を受けて座席で出す場合や、事前に予約を取って座席で食べさせる場合は10%
カラオケボックスの客室で、注文に応じて出す10%客室は飲食設備のある場所
ホテルの宴会場や会議室での提供、ルームサービス10%ホテルのテナントのレストランが行う場合も同じ
ホテルの客室の冷蔵庫の飲料(酒類を除く)8%単に飲食料品を販売している

設備を置いた人との「合意等」には、契約書で明らかにされた合意だけでなく、黙示の合意も含まれます。黙示の合意とは、飲食料品を提供する事業者が、明示の合意なく自分の顧客にその設備を使わせていることが設備設置者に黙認されており、しかも事業者がその設備を管理支配しているような状況をいいます。管理支配の例として、設備にメニューを置く、顧客を案内する、配膳や下膳をする、清掃をする、が挙げられています。

出前・宅配は軽減、ケータリング・出張料理は対象外

そばの出前や宅配ピザのように、顧客が指定した場所まで飲食料品を届けるだけの場合は、飲食料品の譲渡にあたり、軽減税率の対象です。一方、相手方が指定した場所で、調理、盛り付け、配膳などの役務を伴う提供は、ケータリング・出張料理として軽減税率の対象になりません。

場面いまの税率考え方
そばの出前、宅配ピザの配達8%顧客の指定した場所まで単に届けるだけ
社内の会議室への飲料の配達8%単に届けるだけなら飲食料品の譲渡。配達後に会議室で給仕などの役務を行うなら、ケータリングで10%
顧客の自宅で調理して提供する出張料理、料理代行(食材持込)10%相手方が指定した場所で役務を伴って提供している
味噌汁つきの弁当を配達し、配達先で味噌汁を取り分け用の器に注ぐ8%容器への取り分けは、飲食料品の販売に通常必要な行為で、ケータリングには当たらない

国税庁は、ケータリング・出張料理の例として、相手方が指定した場所での盛り付け、飲食料品が入っている器の配膳、取り分け用の食器等を飲食に適する状態に配置することを挙げています。盛り付けは役務に含まれますが、持ち帰り用のコーヒーをカップに注ぐような、容器への取り分けは含まれません。

有料老人ホーム・学校給食は例外。学生食堂と病院食は別

ケータリング等でも、有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅の入居者への食事、義務教育諸学校などの学校給食は、一定の基準を満たせば軽減税率の対象です。一食あたりの対価(税抜き)が730円以下で、同じ日に同じ人へ提供した分の累計が2,190円までという金額基準があります(令和8年6月1日以後)。

施設軽減税率の対象になる提供
有料老人ホーム(老人福祉法の届出が行われているもの)設置者または運営者が、入居者(60歳以上の人、要介護認定・要支援認定を受けている60歳未満の人、またはそれらの人の配偶者)に行う飲食料品の提供
サービス付き高齢者向け住宅(登録を受けたもの)設置者または運営者が、入居者に行う飲食料品の提供
義務教育諸学校設置者が、児童または生徒の全てに対して学校給食として行う飲食料品の提供
夜間課程を置く高等学校、特別支援学校の幼稚部・高等部、幼稚園、特別支援学校の寄宿舎それぞれ、設置者が行う学校給食(夜間学校給食、学校給食に準じたもの)や、寄宿舎の入居者への提供

金額基準は、令和7年4月1日から令和8年5月31日までは一食690円以下・一日の累計2,070円まででした。令和8年6月1日から730円以下・2,190円までに変わっています。累計額の計算は、対象にする飲食料品の提供をあらかじめ書面で定めていれば、その方法によります。

例外にならないものもあります。利用が選択制の学生食堂は、学校給食に当たらず、飲食設備のある場所での食事の提供でもあるため、10%です。有料老人ホームから給食の調理を受託している業者の調理は、有料老人ホームに対する役務の提供で、軽減税率の対象になりません。病院食は、健康保険法等に基づく入院時食事療養費に係るものであれば非課税で、消費税は課されません。患者が自分で選んだ特別メニューに支払う特別の料金は、非課税にならず、軽減税率の対象にもなりません。

店を営む側が決めておくこと

外食かテイクアウトかの判定は、その店の飲食設備と、提供のしかたで決まります。迷う場面を先に洗い出し、意思確認の方法とレジでの区分を決めておくと、日々の売上を正しい税率で区分できます。

確かめること見るところ
顧客が飲食に使える設備はあるかテーブル、椅子、カウンター、休憩スペース、ベンチ。設置者が自分でなくても、顧客に使わせているか
意思確認の方法全員に聞くか、掲示で申し出てもらうか。大半が持ち帰りの店は掲示でも差し支えないとされている
セット商品・チケットの扱いセットは全体で判定される。店内・持ち帰り兼用のチケットは、提供した時に判定する
出前・宅配・配達後のサービス届けるだけなら飲食料品の譲渡。盛り付けや配膳を伴うならケータリング
税率ごとの売上の区分8%(令和9年4月以後は法案が成立すれば1%)と10%を分けて記録する。インボイスや帳簿の書き方はインボイスの記載事項の記事へ

令和9年4月から飲食料品が1%になると、持ち帰りと店内飲食の差は、2ポイントから9ポイントに広がります。判定の基準は変わらないとされていますが、間違えたときの影響は大きくなります。切替日の前後の取引の扱いは消費税1%の切替日をまたぐ取引の記事に、大綱で決まった全体像は食料品の消費税が1%にの記事にまとめました。

よくある質問

軽減税率でいう「外食」とは何ですか

軽減税率の対象になるのは飲食料品の譲渡で、外食とケータリング等は含まれません。外食とは、飲食店業等を営む者が、飲食に用いられる設備がある場所で行う食事の提供をいいます。ケータリング等とは、相手方が指定した場所で、加熱、調理、給仕などの役務を伴って飲食料品を提供することをいいます。→ 本文で読む

テイクアウトか店内飲食かは、どう判断しますか

テイクアウトとは、飲食料品を持ち帰りのための容器に入れ、または包装を施して行う譲渡で、外食には含まれません。持ち帰りか店内飲食かは、飲食料品を提供した時に、その場で食べるのか持ち帰るのかを相手方に確かめるなどの方法で判定します。→ 本文で読む

コンビニのイートインで食べるときの税率は変わりますか

顧客が飲食に使えるイートインスペースや休憩スペースがある店では、飲食料品を販売するときに、店内で飲食するか持ち帰るかを確かめて税率を判定します。ただし、大半の商品が持ち帰りの店では、全員に質問する必要はなく、掲示で申し出てもらう方法でも差し支えないとされています。→ 本文で読む

フードコートや屋台、公園のベンチで食べる場合はどうなりますか

飲食設備とは、テーブル、椅子、カウンターなど、飲食に用いられる設備をいい、規模や目的は問われません。カウンターだけの立食の店も、スーパーの休憩スペースも、飲食に使わせていれば飲食設備です。自分で設置した設備でなくても、設備を置いた人との合意などに基づいて顧客に使わせていれば、その設備も飲食設備に当たります。→ 本文で読む

出前や宅配、ケータリングの税率は何%ですか

そばの出前や宅配ピザのように、顧客が指定した場所まで飲食料品を届けるだけの場合は、飲食料品の譲渡にあたり、軽減税率の対象です。一方、相手方が指定した場所で、調理、盛り付け、配膳などの役務を伴う提供は、ケータリング・出張料理として軽減税率の対象になりません。→ 本文で読む

有料老人ホームや学校給食の食事は軽減税率ですか

ケータリング等でも、有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅の入居者への食事、義務教育諸学校などの学校給食は、一定の基準を満たせば軽減税率の対象です。一食あたりの対価(税抜き)が730円以下で、同じ日に同じ人へ提供した分の累計が2,190円までという金額基準があります(令和8年6月1日以後)。→ 本文で読む

店を営む側は、何を決めておけばよいですか

外食かテイクアウトかの判定は、その店の飲食設備と、提供のしかたで決まります。迷う場面を先に洗い出し、意思確認の方法とレジでの区分を決めておくと、日々の売上を正しい税率で区分できます。→ 本文で読む

出典

  1. 国税庁「No.6102 消費税の軽減税率制度」
    https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shohi/6102.htm
  2. 国税庁「消費税の軽減税率制度に関するQ&A(個別事例編)」(平成28年4月・令和8年4月改訂)Ⅲ 外食の範囲
    https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/qa_03.htm
  3. 国税庁「飲食料品に係る2年間の消費税率引下げについて」パンフレット(令和8年9月)
    https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/pdf/0026008-127_pamphlet.pdf(PDF)
  4. 国税庁「飲食料品に係る2年間の消費税率引下げに関するQ&A」(令和8年9月)
    https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/pdf/0026008-127_qa.pdf(PDF)

この記事は、記載時点で公表されている法令・通達・国税庁の資料にもとづいて書いています。制度は改正されることがあり、また個別の事情によって取扱いは変わります。実際のご判断にあたっては、税理士にご相談いただくか、所轄の税務署にお確かめください。当事務所は本記事の情報を用いて行われた判断について責任を負いかねます。

持ち帰りと店内の両方がある店は、どの売上が何%になるかを先に整理します。

イートインのある店、出前やケータリングを行う店、フードコートに出店している店は、税率の判定を誤ると申告にも影響します。レジの設定と意思確認の方法、売上の区分のしかたを、事業の実態に合わせて整理します。ふじみ野市とその近隣の方は訪問でのご相談も承ります。初回30分は無料です。