譲渡
ゴルフ会員権や金地金を売ったときの譲渡所得。
特別控除50万円、所有5年超なら2分の1で総合課税です
ゴルフ会員権を手放した、持っていた金を売った。こうしたとき、「株や不動産と同じ税金なのか」と聞かれます。
答えを先に書くと、土地・建物・株式等以外の資産の譲渡所得は、譲渡益から特別控除50万円を引き、所有期間が5年を超えていればその2分の1だけを給与などと合算する総合課税です。不動産や株式のような分離課税ではありません。
特別控除は短期・長期の合計で50万円まで、譲渡益が50万円に届かなければ所得はゼロです。国税庁のタックスアンサーNo.1460で、何が対象になり、どう計算するのかを確認していきます。
この記事の要点
ゴルフ会員権や金地金など、土地・建物・株式等以外の資産を売って出た利益は譲渡所得です。売った金額から取得費と譲渡費用を引いた譲渡益から、特別控除額(最高50万円)を差し引いて所得を計算します。所有期間5年以下は短期、5年超は長期で、長期は所得の2分の1だけを給与などと合算して総合課税されます。事業用の商品や、取得価額10万円未満の減価償却資産などの譲渡は譲渡所得に含まれません。国税庁タックスアンサーNo.1460をもとに整理しました。
先に見ておくと分かりやすいもの
土地・建物・株式等以外の資産の譲渡所得とは
答えを先に書くと、ゴルフ会員権や金地金などを売って出た利益は譲渡所得で、土地・建物・株式等とは別の計算をし、給与などと合算して総合課税されます。国税庁のタックスアンサーNo.1460は、譲渡所得とは、一般的に土地、建物、株式等、ゴルフ会員権、金地金などの資産を譲渡することによって生ずる所得をいう、としています。
国税庁 タックスアンサー No.1460「譲渡所得(土地、建物及び株式等以外の資産を譲渡したとき)」
譲渡所得とは、一般的に土地、建物、株式等、ゴルフ会員権、金地金などの資産を譲渡することによって生ずる所得をいいます。
土地・建物の譲渡所得と株式等の譲渡所得には、それぞれ分離課税の仕組みがあります。この記事で扱うのは、それ以外の資産(ゴルフ会員権や金地金など)を売ったときの譲渡所得です。なお、暗号資産の売却は譲渡所得ではなく雑所得ですので、暗号資産の税金を別にご覧ください。
譲渡所得に含まれないもの。商品・10万円未満の減価償却資産など
資産を売っても、譲渡所得にならないものがあります。No.1460は、事業用の商品などの棚卸資産や山林の譲渡、使用可能期間が1年未満の減価償却資産や取得価額が10万円未満の減価償却資産(業務の性質上基本的に重要なものを除く)、一括償却資産の必要経費算入の規定の適用を受けた減価償却資産などの譲渡による所得は、譲渡所得に含まれない、としています。
| 譲渡所得に含まれないもの |
|---|
| 事業用の商品などの棚卸資産の譲渡 |
| 山林の譲渡 |
| 使用可能期間が1年未満の減価償却資産の譲渡 |
| 取得価額が10万円未満の減価償却資産の譲渡(業務の性質上基本的に重要なものを除く) |
| 一括償却資産の必要経費算入の規定の適用を受けた減価償却資産の譲渡 |
個人事業の方が、経費で落とした10万円未満のパソコンや工具を売った場合は、譲渡所得ではありません。仕入れた商品を売った利益も、経費にした少額の資産を売った代金も、譲渡所得とは別の区分で計算することになります。
計算方法。譲渡益から特別控除50万円を引く
譲渡所得の金額は、売った金額から取得費と譲渡費用を差し引いた譲渡益を出し、そこから特別控除額(最高50万円)を引いて計算します。No.1460は算式を次のように示しています。
国税庁 タックスアンサー No.1460「譲渡所得(土地、建物及び株式等以外の資産を譲渡したとき)」
短期譲渡所得の総収入金額-(取得費+譲渡費用)+長期譲渡所得の総収入金額-(取得費+譲渡費用)=譲渡益
譲渡益-特別控除額(最高50万円)=譲渡所得の金額
特別控除の50万円は、短期と長期の合計で50万円までです。No.1460は、まず短期譲渡所得の譲渡益から控除し、残りがあれば長期譲渡所得の譲渡益から控除する、としています。譲渡益が50万円より少ない場合は、譲渡益が特別控除額になります。つまり所得はゼロです。
取得費は買ったときの代金、譲渡費用は売るためにかかった手数料などです。ゴルフ会員権を買ったときの契約書や、金地金の購入時の計算書は取得費の証明になりますから、売るまで保管してください。
短期と長期の区分。所有期間5年が境目
譲渡所得は、所有期間で短期と長期に分かれます。No.1460は、短期譲渡所得とは所有期間が5年以下の資産を譲渡することにより生ずる所得、長期譲渡所得とは所有期間が5年を超える資産を譲渡することにより生ずる所得、としています。
| 区分 | 所有期間 | 総所得金額に合算する額 |
|---|---|---|
| 短期譲渡所得 | 5年以下 | 全額 |
| 長期譲渡所得 | 5年超 | 2分の1 |
例外が1つあります。自己の研究成果である特許権などは、所有期間に関係なく長期譲渡所得になります。5年の境目は、次の節の「2分の1」に直結します。買った日と売った日の記録が大切です。
総合課税。長期は2分の1だけ合算する
土地・建物・株式等以外の資産の譲渡所得は、分離課税ではなく総合課税です。No.1460は、他の所得、例えば給与所得などと合計して総所得金額を求め、所得控除の合計額を控除し、その残額に所得税の税率を乗じて税額を計算する、としています。
ここで短期と長期の差が出ます。No.1460は、総所得金額を求めるときに合計する所得金額を、短期譲渡所得の金額はその全額、長期譲渡所得の金額はその2分の1に相当する金額、としています。
国税庁 タックスアンサー No.1460「譲渡所得(土地、建物及び株式等以外の資産を譲渡したとき)」
なお、総所得金額を求めるときに合計する所得金額は、短期譲渡所得の金額は、その全額ですが、長期譲渡所得の金額は、その2分の1に相当する金額となります
5年を超えて持っていた資産なら、特別控除を引いた後の金額の半分だけが課税の対象になります。給与と合算するため、税率は給与を含めた所得全体で決まります(所得税の税率の記事)。損失が出た場合の扱いは損益通算の記事で整理しています。
よくある質問
ゴルフ会員権や金地金を売った利益は何所得ですか
答えを先に書くと、ゴルフ会員権や金地金などを売って出た利益は譲渡所得で、土地・建物・株式等とは別の計算をし、給与などと合算して総合課税されます。国税庁のタックスアンサーNo.1460は、譲渡所得とは、一般的に土地、建物、株式等、ゴルフ会員権、金地金などの資産を譲渡することによって生ずる所得をいう、としています。→ 本文で読む
事業で使っていた資産を売ったら譲渡所得ですか
資産を売っても、譲渡所得にならないものがあります。No.1460は、事業用の商品などの棚卸資産や山林の譲渡、使用可能期間が1年未満の減価償却資産や取得価額が10万円未満の減価償却資産(業務の性質上基本的に重要なものを除く)、一括償却資産の必要経費算入の規定の適用を受けた減価償却資産などの譲渡による所得は、譲渡所得に含まれない、としています。→ 本文で読む
ゴルフ会員権や金地金の譲渡所得はどう計算しますか
譲渡所得の金額は、売った金額から取得費と譲渡費用を差し引いた譲渡益を出し、そこから特別控除額(最高50万円)を引いて計算します。No.1460は算式を次のように示しています。 特別控除の50万円は、短期と長期の合計で50万円までです。No.1460は、まず短期譲渡所得の譲渡益から控除し、残りがあれば長期譲渡所得の譲渡益から控除する、としています。譲渡益が50万円より少ない場合は、譲渡益が特別控除額になります。つまり所得はゼロです。→ 本文で読む
譲渡所得の短期と長期はどう分けますか
譲渡所得は、所有期間で短期と長期に分かれます。No.1460は、短期譲渡所得とは所有期間が5年以下の資産を譲渡することにより生ずる所得、長期譲渡所得とは所有期間が5年を超える資産を譲渡することにより生ずる所得、としています。→ 本文で読む
5年を超えて持っていた資産を売ると税金はどうなりますか
土地・建物・株式等以外の資産の譲渡所得は、分離課税ではなく総合課税です。No.1460は、他の所得、例えば給与所得などと合計して総所得金額を求め、所得控除の合計額を控除し、その残額に所得税の税率を乗じて税額を計算する、としています。→ 本文で読む
出典
- 国税庁「No.1460 譲渡所得(土地、建物及び株式等以外の資産を譲渡したとき)」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1460.htm
この記事は、記載時点で公表されている法令・通達・国税庁の資料にもとづいて書いています。制度は改正されることがあり、また個別の事情によって取扱いは変わります。実際のご判断にあたっては、税理士にご相談いただくか、所轄の税務署にお確かめください。当事務所は本記事の情報を用いて行われた判断について責任を負いかねます。
ゴルフ会員権や金を売る前に、買ったときの資料を探してください。
売った金額から取得費と譲渡費用を引き、50万円の特別控除を引いた残りが課税の対象です。所有期間が5年を超えていれば、その2分の1だけを給与などと合算します。購入時の契約書や計算書が取得費の証明になりますので、手放す前に確認しておきましょう。ふじみ野市とその近隣の方は訪問でのご相談も承ります。初回30分は無料です。
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