控除
障害者控除は27万円・40万円・75万円の3段階。
本人だけでなく配偶者・扶養親族が対象でも受けられます
ご本人やご家族が障害者手帳をお持ちのとき、「税金の控除はあるのか」「いくら引けるのか」というご質問をいただきます。
答えを先に書くと、障害者控除は、障害者27万円、特別障害者40万円、同居特別障害者75万円の3段階です。本人だけでなく、同一生計配偶者や扶養親族が対象でも、扶養している側の所得から差し引けます。
見落としやすいのは、扶養控除の付かない16歳未満のお子さんや、手帳がなくても市町村の認定を受けている高齢の親御さんも対象になることです。国税庁のタックスアンサーNo.1160で、誰がどの区分に当たるのかを確認していきます。
この記事の要点
障害者控除は、納税者本人、同一生計配偶者または扶養親族が所得税法上の障害者に当てはまるときの所得控除で、障害者27万円、特別障害者40万円、同居特別障害者75万円です。扶養控除のない16歳未満の扶養親族でも受けられます。手帳の交付を受けた人のほか、市町村長等の認定を受けた65歳以上の人、6か月以上寝たきりで複雑な介護を必要とする人も対象です。国税庁タックスアンサーNo.1160をもとに整理しました。
先に見ておくと分かりやすいもの
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控除額は27万円・40万円・75万円の3段階
答えを先に書くと、障害者控除の控除額は、障害者27万円、特別障害者40万円、同居特別障害者75万円の3段階です。国税庁のタックスアンサーNo.1160は、納税者自身、同一生計配偶者または扶養親族が所得税法上の障害者に当てはまる場合には、一定の金額の所得控除を受けることができる、としています。
| 区分 | 控除額 |
|---|---|
| 障害者 | 27万円 |
| 特別障害者 | 40万円 |
| 同居特別障害者 | 75万円 |
障害者控除は所得控除です。税額から直接引くのではなく、所得から差し引いてから税率を掛けます。障害の程度が重いほど、また同居していれば、控除額が大きくなる仕組みです。
本人・同一生計配偶者・扶養親族。16歳未満の子も対象
障害者控除は、納税者本人が障害者である場合だけでなく、同一生計配偶者や扶養親族が障害者である場合にも受けられます。家族の分を、扶養している側の所得から差し引く形です。
ここで見落としやすいのが、16歳未満の子です。No.1160は、障害者控除は、扶養控除の適用がない16歳未満の扶養親族を有する場合においても適用される、としています。
国税庁 タックスアンサー No.1160「障害者控除」
なお、障害者控除は、扶養控除の適用がない16歳未満の扶養親族を有する場合においても適用されます。
扶養控除は16歳未満の子には付きませんが、障害者控除は別枠です。手帳をお持ちのお子さん、児童相談所などで知的障害者と判定されたお子さんがいれば、年齢にかかわらず障害者控除の対象になります。同一生計配偶者の考え方は配偶者控除の記事で整理しています。
障害者控除の対象になる人の8つの区分
誰が「所得税法上の障害者」に当たるかは、No.1160が(1)から(8)までの区分で示しています。手帳の交付を受けている人だけでなく、手帳がなくても市町村長等の認定を受けている人や、寝たきりで複雑な介護を必要とする人も含まれます。
| 対象になる人 | 特別障害者になる人 | |
|---|---|---|
| (1) | 精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある人 | この人は特別障害者 |
| (2) | 児童相談所、知的障害者更生相談所、精神保健福祉センター、精神保健指定医の判定により、知的障害者と判定された人 | 重度の知的障害者と判定された人 |
| (3) | 精神障害者保健福祉手帳の交付を受けている人 | 障害等級が1級の人 |
| (4) | 身体障害者手帳に、身体上の障害がある人として記載されている人 | 障害の程度が1級または2級の人 |
| (5) | 精神または身体に障害のある満65歳以上の人で、(1)(2)(4)に準ずるものとして市町村長等や福祉事務所長の認定を受けている人 | 特別障害者に準ずるものとして認定を受けている人 |
| (6) | 戦傷病者手帳の交付を受けている人 | 恩給法に定める特別項症から第3項症までの人 |
| (7) | 原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律の規定により厚生労働大臣の認定を受けている人 | この人は特別障害者 |
| (8) | その年の12月31日の現況で引き続き6か月以上寝たきりの状態で、複雑な介護を必要とする人 | この人は特別障害者 |
表の右の列が、次に説明する「特別障害者」に当たるかどうかです。同じ区分の中でも、程度によって障害者と特別障害者に分かれるものがあります。
特別障害者になるのはどの区分か
特別障害者は、控除額が40万円(同居なら75万円)になる区分です。No.1160では、(1)精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある人、(7)厚生労働大臣の認定を受けている原子爆弾被爆者、(8)寝たきりで複雑な介護を必要とする人は、それだけで特別障害者になります。
そのほかの区分は、程度で分かれます。
- 知的障害者と判定された人のうち、重度の知的障害者と判定された人
- 精神障害者保健福祉手帳の障害等級が1級と記載されている人
- 身体障害者手帳の障害の程度が1級または2級と記載されている人
- 市町村長等の認定を受けている満65歳以上の人のうち、特別障害者に準ずるものとして市町村長、特別区長や福祉事務所長の認定を受けている人
- 戦傷病者手帳の障害の程度が恩給法に定める特別項症から第3項症までの人
手帳をお持ちなら、等級の欄を見れば障害者か特別障害者かはほぼ決まります。身体障害者手帳なら1級または2級が特別障害者、それ以外の等級は障害者(27万円)です。
同居特別障害者の「同居を常況」とは
75万円の控除を受けられる同居特別障害者は、特別障害者のうち同居している人に限られます。No.1160の注記は、同居特別障害者とは、特別障害者である同一生計配偶者または扶養親族のうち、納税者自身、配偶者、その納税者と生計を一にするその他の親族のいずれかとの同居を常況としている人、としています。
国税庁 タックスアンサー No.1160「障害者控除」(注)
同居特別障害者とは、特別障害者である同一生計配偶者または扶養親族のうち、納税者自身、配偶者、その納税者と生計を一にするその他の親族のいずれかとの同居を常況としている人です。
ポイントは2つです。1つは、納税者本人が特別障害者でも同居特別障害者にはならないこと。この区分は配偶者や扶養親族についてのものです。もう1つは、同居の相手が納税者本人でなくてもよいことです。納税者の配偶者や、生計を一にするほかの親族と同居していれば当たります。たとえば納税者が単身赴任中で、特別障害者である親が自宅で納税者の配偶者と暮らしている場合も、同居を常況としていると考えます。
65歳以上の人と寝たきりの人。判定は12月31日の現況
手帳を持っていなくても対象になる区分が2つあります。1つは(5)で、精神または身体に障害のある年齢が満65歳以上の人で、その障害の程度が(1)、(2)または(4)に掲げる人に準ずるものとして市町村長等や福祉事務所長の認定を受けている人です。介護が必要になった親御さんについて、市町村の認定を受けているかを確かめてください。
もう1つは(8)です。No.1160は、その年の12月31日の現況で引き続き6か月以上にわたって身体の障害により寝たきりの状態で、複雑な介護を必要とする人は特別障害者となる、としています。括弧書きで、介護を受けなければ自ら排便等をすることができない程度の状態、と具体的に示されています。
判定の基準日はその年の12月31日の現況です。年の途中で手帳の交付を受けた場合も、年末の時点で当てはまれば、その年分は控除の対象と考えます。
また、所得税法上の障害者に当たる方は、住まいのバリアフリー改修についての税額控除で「特定個人」の要件を満たします。バリアフリー改修工事の税額控除もあわせてご覧ください。
よくある質問
障害者控除はいくら引けますか
答えを先に書くと、障害者控除の控除額は、障害者27万円、特別障害者40万円、同居特別障害者75万円の3段階です。国税庁のタックスアンサーNo.1160は、納税者自身、同一生計配偶者または扶養親族が所得税法上の障害者に当てはまる場合には、一定の金額の所得控除を受けることができる、としています。→ 本文で読む
16歳未満の子どもでも障害者控除は受けられますか
障害者控除は、納税者本人が障害者である場合だけでなく、同一生計配偶者や扶養親族が障害者である場合にも受けられます。家族の分を、扶養している側の所得から差し引く形です。 ここで見落としやすいのが、16歳未満の子です。No.1160は、障害者控除は、扶養控除の適用がない16歳未満の扶養親族を有する場合においても適用される、としています。→ 本文で読む
特別障害者とはどのような人ですか
特別障害者は、控除額が40万円(同居なら75万円)になる区分です。No.1160では、(1)精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある人、(7)厚生労働大臣の認定を受けている原子爆弾被爆者、(8)寝たきりで複雑な介護を必要とする人は、それだけで特別障害者になります。→ 本文で読む
同居特別障害者の同居とはどういう意味ですか
75万円の控除を受けられる同居特別障害者は、特別障害者のうち同居している人に限られます。No.1160の注記は、同居特別障害者とは、特別障害者である同一生計配偶者または扶養親族のうち、納税者自身、配偶者、その納税者と生計を一にするその他の親族のいずれかとの同居を常況としている人、としています。→ 本文で読む
手帳がなくても障害者控除は受けられますか
手帳を持っていなくても対象になる区分が2つあります。1つは(5)で、精神または身体に障害のある年齢が満65歳以上の人で、その障害の程度が(1)、(2)または(4)に掲げる人に準ずるものとして市町村長等や福祉事務所長の認定を受けている人です。介護が必要になった親御さんについて、市町村の認定を受けているかを確かめてください。→ 本文で読む
出典
- 国税庁「No.1160 障害者控除」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1160.htm
この記事は、記載時点で公表されている法令・通達・国税庁の資料にもとづいて書いています。制度は改正されることがあり、また個別の事情によって取扱いは変わります。実際のご判断にあたっては、税理士にご相談いただくか、所轄の税務署にお確かめください。当事務所は本記事の情報を用いて行われた判断について責任を負いかねます。
手帳や認定書は、申告のときに一度見直してください。
障害者控除は、本人だけでなく配偶者やお子さん、同居の親が対象でも受けられます。手帳の等級と同居の有無で、27万円・40万円・75万円のどれになるかが決まります。手帳や認定書をお持ちの方がご家族にいる場合は、扶養の状況とあわせて確認します。ふじみ野市とその近隣の方は訪問でのご相談も承ります。初回30分は無料です。