控除
公益社団法人等への寄附。
所得控除と税額控除を選べ、税額控除は所得税の25%が上限です
母校や公益財団法人に寄附をされた方から、「ふるさと納税と同じように控除が受けられるのか」というご質問をいただきます。
答えを先に書くと、公益社団法人等への寄附金は、所得控除(寄附金控除)か税額控除(公益社団法人等寄附金特別控除)のどちらかを選んで確定申告できます。税額控除を選ぶ場合、控除額はその年分の所得税額の25パーセント相当額が限度です。
どの法人への寄附が対象になるのか、限度額はどう決まるのか、確定申告に何を添付するのか。国税庁のタックスアンサーNo.1266に沿って確かめます。
この記事の要点
公益社団法人・公益財団法人、学校法人、社会福祉法人、更生保護法人などへの寄附金は、所得控除の寄附金控除か、税額控除の公益社団法人等寄附金特別控除かを選べます。税額控除はその年の所得税額の25パーセント相当額が限度で、対象となる寄附金の合計額は総所得金額等の40パーセント相当額が限度です。確定申告書に計算明細書と、法人が発行する証明書類を添付します。国税庁タックスアンサーNo.1266をもとに整理しました。
先に見ておくと分かりやすいもの
所得控除か税額控除かを選べる
公益社団法人等に対する寄附金は、所得控除として寄附金控除を受けるか、税額控除として公益社団法人等寄附金特別控除を受けるか、いずれかを選択できます。国税庁のタックスアンサーNo.1266は、この選択を次のように説明しています。
国税庁 タックスアンサー No.1266「公益社団法人等に寄附をしたとき」
個人が支払った特定寄附金のうち、次の(1)から(3)までに掲げる法人等(以下「公益社団法人等」といいます。)に対する寄附金については、支払った年分の所得控除として寄附金控除の適用を受けるか、または次の算式で計算した金額(その年分の所得税額の25パーセント相当額を限度とします。)について税額控除(以下「公益社団法人等寄附金特別控除」といいます。)の適用を受けるか、いずれかを選択することができます。
所得控除は、所得から寄附金の一部を差し引いてから税率を掛ける方法です。税額控除は、計算した税金からそのまま差し引く方法です。一般に、所得税の税率が低い方は税額控除のほうが有利になりやすく、税率が高い方は所得控除が有利になることがあります。どちらが有利かは、その年の所得と税額を並べて計算して決めます。
自治体への寄附であるふるさと納税は所得控除の寄附金控除だけで、この税額控除の対象ではありません。寄附先によって使える制度が違います。
対象になる法人と寄附金
税額控除の対象になるのは、公益社団法人・公益財団法人、学校法人、社会福祉法人、更生保護法人への寄附金のほか、国立大学法人や公立大学法人などへの一定の目的の寄附金です。国税庁は次の3つの区分で示しています。
| 区分 | 法人 | 対象になる寄附金 |
|---|---|---|
| (1) | 公益社団法人・公益財団法人、私立学校法第3条の学校法人および専修学校・各種学校の設置のみを目的とする法人、社会福祉法人、更生保護法人 | これらの法人に対する寄附金 |
| (2) | 国立大学法人、公立大学法人、独立行政法人国立高等専門学校機構、独立行政法人日本学生支援機構 | 学生に対する修学の支援のための事業に充てられることが確実なもの |
| (3) | 国立大学法人・大学共同利用機関法人、公立大学法人、独立行政法人国立高等専門学校機構 | 学生または不安定な雇用状態にある研究者への研究助成・能力向上のための事業に充てられることが確実なもの |
いずれも、運営組織および事業活動が適正で、市民から支援を受けていることについて一定の要件を満たす法人に限られます。公益財団法人という名前であれば自動的に対象になるわけではありません。(2)と(3)の国立大学法人などへの寄附は、使い道が修学支援や研究助成に限られている点にも注意してください。
限度額。総所得金額等の40パーセントと所得税額の25パーセント
限度額は2段階です。まず、計算の基礎になる寄附金の合計額は、その年分の総所得金額等の40パーセント相当額が限度です。次に、計算した特別控除額は、その年分の所得税額の25パーセント相当額が限度で、100円未満の端数は切り捨てます。
| 何の限度か | 限度額 |
|---|---|
| 計算の基礎になる公益社団法人等への寄附金の合計額 | 総所得金額等の40パーセント相当額 |
| 特別控除額(税額から引ける金額) | その年分の所得税額の25パーセント相当額(100円未満切捨て) |
算式では寄附金の合計額から「2千円」を差し引きますが、ふるさと納税など寄附金控除の適用を受ける特定寄附金がほかにある場合には、2,000円からその特定寄附金の合計額を控除した残額に置き換わります。同じように、40パーセントの限度も、ほかの特定寄附金の合計額と合わせて総所得金額等の40パーセント相当額を超えるときは、その40パーセント相当額から特定寄附金の合計額を控除した残額になります。
ふるさと納税と公益法人への寄附の両方がある年は、2千円の差し引きと40パーセントの限度を通しで計算するということです。算式そのものは国税庁のページで図として示されていますので、実際の計算はそちらに当てはめてください。
対象法人かどうかの確認先
寄附先が税額控除の対象法人かどうかは、所轄官庁等のサイトで確認できます。国税庁は次の4つを案内しています。
| 法人の種類 | 確認先 |
|---|---|
| 1 公益社団法人および公益財団法人 | 国・都道府県公式公益法人行政総合サイト「公益法人information」 |
| 2 社会福祉法人(厚生労働省所管法人) | 厚生労働省ホームページ |
| 3 更生保護法人 | 法務省ホームページ |
| 4 国立大学法人 | 文部科学省ホームページ |
実務では、寄附先の法人が寄附者に送ってくる書類のなかに「税額控除対象法人であることの証明書」の写しが入っているかどうかで見分けるのが早いです。証明書が同封されていない場合は、寄附先に対象法人かどうかを問い合わせてください。
確定申告の手続きと添付書類
税額控除を受けるには、確定申告書に控除を受ける金額の記載をし、「公益社団法人等寄附金特別控除額の計算明細書」と、寄附先の法人が発行する書類を添付する必要があります。年末調整では受けられず、確定申告が必要です。
添付書類は2種類です。1つめは、寄附金を受領した法人の名称、寄附金の額、受領した旨および受領年月日のほか、その寄附がその法人の主たる目的である業務に関連するものである旨((2)(3)の法人は修学支援や研究助成の事業に充てられる旨)を証する書類で、寄附者の住所・氏名が記載されたものです。2つめは、その法人がこの制度を適用できる公益社団法人等であることを所轄庁等が証する書類の写しで、公益社団法人・公益財団法人については寄附金を支出する日以前5年以内に発行されたものに限られます。学校法人・社会福祉法人・更生保護法人については、さらにその寄附金がこの制度を適用できるものであることを所轄庁等が確認した旨の書類が必要です。
いずれも電磁的記録印刷書面、つまり電子データを印刷したものでも差し支えありません。受領証だけを保管して証明書の写しを捨ててしまうと、税額控除が使えなくなります。寄附先から届いた封筒の中身は、ひとまとめにして確定申告まで保管してください。申告を忘れていた年の分は、還付申告でさかのぼれる場合があります。
よくある質問
公益財団法人への寄附は所得控除と税額控除のどちらになりますか
公益社団法人等に対する寄附金は、 所得控除として寄附金控除を受けるか、税額控除として公益社団法人等寄附金特別控除を受けるか、いずれかを選択 できます。国税庁のタックスアンサーNo.1266は、この選択を次のように説明しています。→ 本文で読む
学校法人や社会福祉法人への寄附も税額控除の対象ですか
税額控除の対象になるのは、 公益社団法人・公益財団法人、学校法人、社会福祉法人、更生保護法人 への寄附金のほか、国立大学法人や公立大学法人などへの一定の目的の寄附金です。国税庁は次の3つの区分で示しています。→ 本文で読む
公益社団法人等寄附金特別控除の限度額はいくらですか
限度額は2段階です。まず、 計算の基礎になる寄附金の合計額は、その年分の総所得金額等の40パーセント相当額が限度 です。次に、 計算した特別控除額は、その年分の所得税額の25パーセント相当額が限度 で、100円未満の端数は切り捨てます。→ 本文で読む
寄附先が税額控除の対象法人かどうかはどこで確認できますか
寄附先が税額控除の対象法人かどうかは、 所轄官庁等のサイトで確認 できます。国税庁は次の4つを案内しています。 実務では、寄附先の法人が寄附者に送ってくる書類のなかに「税額控除対象法人であることの証明書」の写しが入っているかどうかで見分けるのが早いです。 証明書が同封されていない場合は、寄附先に対象法人かどうかを問い合わせてください。→ 本文で読む
公益法人への寄附の税額控除を受けるには何を添付しますか
税額控除を受けるには、 確定申告書に控除を受ける金額の記載をし、「公益社団法人等寄附金特別控除額の計算明細書」と、寄附先の法人が発行する書類を添付 する必要があります。年末調整では受けられず、確定申告が必要です。→ 本文で読む
出典
- 国税庁「No.1266 公益社団法人等に寄附をしたとき」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1266.htm
この記事は、記載時点で公表されている法令・通達・国税庁の資料にもとづいて書いています。制度は改正されることがあり、また個別の事情によって取扱いは変わります。実際のご判断にあたっては、税理士にご相談いただくか、所轄の税務署にお確かめください。当事務所は本記事の情報を用いて行われた判断について責任を負いかねます。
寄附をしたら、法人から届く受領証と証明書類を確定申告まで保管してください。
所得控除と税額控除のどちらが有利かは、その年の所得と所得税額によって変わります。ふるさと納税など他の寄附金がある場合は限度額の計算も絡みます。受領証だけでは足りず、法人が対象であることを証する書類も必要です。ふじみ野市とその近隣の方は訪問でのご相談も承ります。初回30分は無料です。
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