控除
入院費用のうち医療費控除の対象になるもの・ならないもの。
差額ベッド代・食事代・付添料・給付金の差引き
入院すると、病院への支払いのほかに、パジャマや洗面具、個室の料金、付添いの費用などいろいろな出費が重なります。確定申告のとき、どこまでを医療費控除に入れてよいのか迷う方が多いところです。
答えを先に書くと、入院代に含まれる食事代と、療養上の世話のための付添料は対象になり、身の回り品・お礼・都合による差額ベッド代・出前や外食は対象になりません。
そして、健康保険の高額療養費や保険の入院給付金を受け取ったときは、その金額を差し引く必要があります。国税庁のタックスアンサーNo.1126で、ひとつずつ確かめていきます。
この記事の要点
入院費用の医療費控除は、入院代に含まれる病院の食事代や、療養上の世話のための付添料は対象になり、寝巻きなどの身の回り品、医師や看護師へのお礼、本人や家族の都合だけの差額ベッド代、出前や外食は対象になりません。高額療養費や入院給付金を受け取ったときは、その分を支払った医療費から差し引きます。入院給付金は、その入院の医療費から引ききれなくても、ほかの医療費から引く必要はありません。国税庁タックスアンサーNo.1126をもとに整理しました。
先に見ておくと分かりやすいもの
入院費用の線引き。対象になるもの・ならないもの
入院に伴う費用のうち医療費控除の対象になるのは、入院代に含まれる病院の食事代と、療養上の世話を受けるための付添料です。身の回り品の購入、医師や看護師へのお礼、本人や家族の都合による差額ベッド代、出前や外食は対象になりません。国税庁のタックスアンサーNo.1126は、入院に伴う一般的な費用について次のように整理しています。
| 入院に伴う費用 | 医療費控除 |
|---|---|
| 寝巻きや洗面具などの身の回り品 | 対象にならない |
| 医師や看護師に対するお礼 | 対象にならない |
| 本人や家族の都合だけで個室に入院したときの差額ベッド代 | 対象にならない |
| 付添人を頼んだときの付添料 | 対象になる(心付け・親族への支払いは除く) |
| 病院で支給される食事 | 対象になる(入院代に含まれる) |
| 出前や外食 | 対象にならない |
医療費控除そのものは、自己または自己と生計を一にする配偶者やその他の親族のために医療費を支払った場合に受けられる所得控除です。入院の請求書には、控除の対象になる費目とならない費目が混ざっていますから、明細を見て分けることになります。控除の計算方法は医療費控除の計算と保険金の差引きで整理しています。
身の回り品・お礼・差額ベッド代は対象外
入院のときに買う寝巻きや洗面具、医師や看護師へのお礼、本人や家族の都合による差額ベッド代は、いずれも医療費控除の対象になりません。No.1126は、この3つをはっきり対象外としています。
国税庁 タックスアンサー No.1126「医療費控除の対象となる入院費用の具体例」
医師や看護師に対するお礼は、診療などの対価ではありませんから医療費控除の対象になりません。
身の回り品は、入院に際して買うものであっても治療そのものの費用ではありません。お礼は診療の対価ではないので対象外です。差額ベッド代については、本人や家族の都合だけで個室に入院したときは対象にならないと書かれています。自分の希望で個室を選んだ場合の料金は、医療費控除には入れられません。
付添料は対象。心付けと親族への支払いは除く
付添人を頼んだときの付添料は、療養上の世話を受けるための費用として医療費控除の対象になります。ただし、所定の料金以外の心付けと、親族に付添料の名目で払ったお金は対象になりません。
国税庁 タックスアンサー No.1126「医療費控除の対象となる入院費用の具体例」
付添人を頼んだときの付添料は、療養上の世話を受けるための費用として医療費控除の対象となります。所定の料金以外の心付けなどは除かれます。また、親族などに付添料の名目でお金を支払っても控除の対象になりません。
対象になるのは、あくまで所定の料金です。感謝の気持ちで上乗せした心付けは、お礼と同じ扱いで対象から外れます。また、家族が付き添った場合に、その家族へ付添料としてお金を渡しても控除には入りません。付添いを業者に頼んだときは、料金の内訳が分かる領収書を残しておいてください。
病院の食事は対象。出前や外食は対象外
入院中に病院で支給される食事の費用は、入院代に含まれるものとして医療費控除の対象になります。一方、他から出前を取ったり外食したりした費用は対象になりません。
病院の食事は入院代の一部として請求されるので、請求書の食事療養費の部分もそのまま医療費に含めてかまいません。自分で頼んだ出前や、外出して食べた食事は入院代ではありませんから、対象から外します。同じ「入院中の食事」でも、病院が出したものかどうかで分かれます。
高額療養費や入院給付金は差し引く
健康保険組合などから支払われる高額療養費や、生命保険契約などの特約により支払われる入院費給付金などを受け取っている場合は、その金額を支払った医療費から差し引かなければなりません。No.1126は注意事項としてこれを明記しています。
ここで大切なのが、どの医療費から差し引くかです。No.1126の注は、入院に係る費用を補てんする入院給付金の額は、その給付の目的となった入院に係る医療費の額から差し引くとしています。そして、引ききれない金額が生じた場合であっても、他の医療費の額から差し引く必要はありません。
国税庁 タックスアンサー No.1126「医療費控除の対象となる入院費用の具体例」
入院に係る費用を補てんする入院給付金の額は、その給付の目的となった入院に係る医療費の額から差し引くことになっており、引ききれない金額が生じた場合であっても、他の医療費の額から差し引く必要はありません。
入院給付金が入院費用を上回っても、余った分を通院や歯科など別の医療費から引く必要はないということです。給付金は「その入院の分だけ」を差し引く、と覚えておいてください。
給付金が確定していないときは見込額で申告する
医療費を補てんする金額が確定申告書の提出までに確定していない場合は、補てんされる金額の見込額を支払った医療費から差し引いて申告します。あとで確定額と見込額が異なったときは、修正申告または更正の請求の手続により訂正します。
年末に入院して、給付金の請求が申告の時期に間に合わないことはよくあります。その場合でも、給付金が出ることが分かっているなら、見込みの金額を差し引いて申告するのがNo.1126の示す扱いです。確定額が見込みより多ければ修正申告、少なければ更正の請求で直します。手続の違いは修正申告と更正の請求で整理しています。
よくある質問
入院費用のうち医療費控除の対象になるものは何ですか
入院に伴う費用のうち医療費控除の対象になるのは、入院代に含まれる病院の食事代と、療養上の世話を受けるための付添料です。身の回り品の購入、医師や看護師へのお礼、本人や家族の都合による差額ベッド代、出前や外食は対象になりません。国税庁のタックスアンサーNo.1126は、入院に伴う一般的な費用について次のように整理しています。→ 本文で読む
個室の差額ベッド代は医療費控除の対象になりますか
入院のときに買う寝巻きや洗面具、医師や看護師へのお礼、本人や家族の都合による差額ベッド代は、いずれも医療費控除の対象になりません。No.1126は、この3つをはっきり対象外としています。→ 本文で読む
付添いの費用は医療費控除の対象になりますか
付添人を頼んだときの付添料は、療養上の世話を受けるための費用として医療費控除の対象になります。ただし、所定の料金以外の心付けと、親族に付添料の名目で払ったお金は対象になりません。 対象になるのは、あくまで 所定の料金 です。感謝の気持ちで上乗せした心付けは、お礼と同じ扱いで対象から外れます。また、家族が付き添った場合に、その家族へ付添料としてお金を渡しても控除には入りません。 付添いを業者に頼んだときは、料金の内訳が分かる領収書を残しておいてください。→ 本文で読む
入院中の食事代は医療費控除の対象になりますか
入院中に病院で支給される食事の費用は、入院代に含まれるものとして医療費控除の対象になります。一方、他から出前を取ったり外食したりした費用は対象になりません。 病院の食事は入院代の一部として請求されるので、請求書の食事療養費の部分もそのまま医療費に含めてかまいません。 自分で頼んだ出前や、外出して食べた食事は入院代ではありません から、対象から外します。 同じ「入院中の食事」でも、病院が出したものかどうかで分かれます。→ 本文で読む
入院給付金を受け取ったら医療費控除はどうなりますか
健康保険組合などから支払われる高額療養費や、生命保険契約などの特約により支払われる入院費給付金などを受け取っている場合は、その金額を支払った医療費から差し引かなければなりません。No.1126は注意事項としてこれを明記しています。→ 本文で読む
入院給付金の額が確定申告までに決まらないときはどうしますか
医療費を補てんする金額が確定申告書の提出までに確定していない場合は、補てんされる金額の見込額を支払った医療費から差し引いて申告します。あとで確定額と見込額が異なったときは、修正申告または更正の請求の手続により訂正します。→ 本文で読む
出典
- 国税庁「No.1126 医療費控除の対象となる入院費用の具体例」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1126.htm
この記事は、記載時点で公表されている法令・通達・国税庁の資料にもとづいて書いています。制度は改正されることがあり、また個別の事情によって取扱いは変わります。実際のご判断にあたっては、税理士にご相談いただくか、所轄の税務署にお確かめください。当事務所は本記事の情報を用いて行われた判断について責任を負いかねます。
入院の領収書は、給付金の通知と一緒に保管してください。
入院費用の医療費控除は、何が対象になるかの線引きと、受け取った給付金をどの医療費から差し引くかの2点で金額が変わります。高額療養費や入院給付金の通知が届いたら、病院の領収書と並べて残しておくと申告のときに迷いません。ふじみ野市とその近隣の方は訪問でのご相談も承ります。初回30分は無料です。
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