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控除

省エネ改修工事の税額控除。
住宅ローンがなくても、標準的な費用の10%と併せて行う工事の5%を所得税から引けます

窓を二重にした、床や壁に断熱材を入れた。こうした省エネ改修をされた方から、「ローンを組んでいないから税金は関係ないですよね」と言われることがあります。

答えを先に書くと、関係あります。住宅特定改修特別税額控除は、住宅ローン等の利用がなくても適用できる税額控除です。一般省エネ改修工事の標準的な費用の額の10%と、併せて行う工事の費用の5%を、その年の所得税額から差し引けます。

ただし、床面積・所得・工事費用の要件があり、建築士等が発行する増改築等工事証明書が必要です。国税庁のタックスアンサーNo.1219で順に確認していきます。

公開 最終更新

この記事の要点

自分が所有して住む家に窓の改修などの一般省エネ改修工事をして令和10年12月31日までに居住した場合、住宅特定改修特別税額控除を受けられます。住宅ローンがなくても使え、控除額は「標準的な費用の額×10%+併せて行う工事の費用×5%」、標準的な費用の控除対象限度額は250万円(太陽光発電設備を含む場合は350万円)です。住宅ローン控除との選択適用です。国税庁タックスアンサーNo.1219をもとに整理しました。

先に見ておくと分かりやすいもの

省エネ改修の税額控除は、ローンがなくても使える

答えを先に書くと、自分が所有して住んでいる家に一般省エネ改修工事をして、平成26年4月1日から令和10年12月31日までの間に住み始めた場合、一定の要件のもとで、一定の金額をその年分の所得税額から差し引けます。これを住宅特定改修特別税額控除といい、国税庁のタックスアンサーNo.1219は、住宅ローン等の利用がなくても適用できる、としています。

国税庁 タックスアンサー No.1219「省エネ改修工事をした場合(住宅特定改修特別税額控除)」

この控除は、住宅ローン等の利用がなくても適用できます。

所得控除ではなく税額控除ですから、計算した控除額がそのまま所得税額から引かれます。自己資金で窓や断熱の改修をした方も対象になるのがこの制度の特徴です。ただし、その年の前年以前3年内の各年分において、同一の住宅について一般省エネ改修工事に係るこの税額控除を適用したときは、その年分には適用できません。

適用を受けるための6つの要件

No.1219は、次のすべての要件を満たすときに適用できる、としています。床面積・所得・工事費用の数字が関わります。

適用要件
1自己が所有する家屋について、一般省エネ改修工事をして、平成26年4月1日から令和10年12月31日までの間に自己の居住の用に供していること
2一般省エネ改修工事の日から6か月以内に居住の用に供していること
3工事後の床面積が50平方メートル以上で、床面積の2分の1以上を専ら自己の居住の用に供し、合計所得金額が2,000万円以下であること。または、床面積が40平方メートル以上50平方メートル未満で、床面積の2分の1以上を専ら自己の居住の用に供し、合計所得金額が1,000万円以下であること
42以上の住宅を所有している場合には、主として居住の用に供すると認められる住宅であること
5一般省エネ改修工事に係る標準的な費用の額(補助金等の交付を受ける場合はその額を控除した額)が50万円を超えるものであること
6工事費用の2分の1以上の額が自己の居住用部分の工事費用であること

3の床面積は「登記事項証明書」に表示されている床面積で判断します。マンションの場合は共有部分を含めず、専有部分の床面積で判断します。店舗や事務所と併用の住宅は建物全体の床面積で、夫婦や親子で共有する住宅も、持分を乗じずに建物全体の床面積で判断します。

所得の要件には経過措置があります。平成26年4月1日から令和5年12月31日までの間に居住の用に供した場合は、合計所得金額が3,000万円以下となります。また、床面積40平方メートル以上50平方メートル未満の住宅が対象になるのは、令和8年1月1日以後に居住の用に供したものです。

5の「標準的な費用の額」は、実際にかかった工事代金ではありません。工事の種類ごとに単位当たりの標準的な工事費用の額として定められた金額に、工事を行った床面積等を乗じて計算した金額で、増改築等工事証明書で確認できます。補助金等を受ける場合はその額を差し引いたうえで、50万円を超えるかを見ます。

一般省エネ改修工事にあたる工事

対象になる工事の中心は、居室の窓の改修工事です。No.1219は、令和4年1月1日以後に居住の用に供する場合について、居室の窓の改修工事、またはその工事と併せて行う床等の断熱工事、天井の断熱工事もしくは壁の断熱工事で、その改修部位の省エネ性能がいずれも平成28年基準相当以上となる工事、としています。

床・天井・壁の断熱工事は、窓の改修と併せて行うことが条件です。

このほか、1の工事が行われる構造または設備と一体となって効用を果たす一定の太陽熱利用冷温熱装置などの設備の取替えまたは取付けに係る工事、1の工事と併せて行う当該家屋と一体となって効用を果たす一定の太陽光発電装置などの設備の取替えまたは取付けに係る工事も含まれます。

控除額の計算。A×10%+B×5%

控除額は、A×10%+B×5%で計算します。Aは一般省エネ改修工事の標準的な費用の額(補助金等を控除した後の金額。控除対象限度額を限度)、Bは併せて行う工事の費用などのうち、1,000万円からAの金額を控除した金額を限度とする額です。

国税庁 タックスアンサー No.1219「省エネ改修工事をした場合(住宅特定改修特別税額控除)」

控除額 = A×10%+B×5%

Bは、次の(1)と(2)のいずれか低い金額です。(1)は、一般省エネ改修工事の標準的な費用の額のうち控除対象限度額を超える部分の額と、一般省エネ改修工事と併せて行う増築、改築その他の一定の工事に要した費用の額(補助金等の交付がある場合には控除後)の合計額。(2)は一般省エネ改修工事の標準的な費用の額です。

省エネ改修そのものは10%、限度額を超えた部分やあわせて行った増改築などは5%と考えると分かりやすいです。AまたはBのそれぞれに対して算出された控除額のうち100円未満の端数金額は切り捨てます。一般省エネ改修工事をした家屋を令和3年12月31日以前に居住の用に供した場合には、Aに対する控除額のみとなります。

控除対象限度額は250万円。太陽光があれば350万円

Aの上限になる控除対象限度額は、令和4年1月1日以後に居住の用に供した場合、250万円です。太陽光発電設備設置工事が含まれる場合は350万円になります。

令和3年12月31日以前に居住の用に供した場合は、工事費用に含まれる消費税額等の税率で分かれます。8パーセントまたは10パーセントの消費税および地方消費税の税率により課されるべき消費税額等が含まれている場合には250万円(太陽光発電設備設置工事が含まれる場合は350万円)、それ以外の場合には200万円(同300万円)です。

バリアフリー改修(コード1220)、耐震改修(コード1222)、多世帯同居改修(コード1224)、耐久性向上改修(コード1227)、子育て対応改修(コード1228)の控除と併せて受ける場合、Bの金額は、各改修工事に係るAの金額の合計額を1,000万円から控除した金額を限度として計算します。複数の改修を同時にした年は、限度額を合算して見ます。

確定申告に添える3つの書類

この控除は確定申告で受けます。必要事項を記載した確定申告書に次の書類を添付して、納税地(原則として住所地)の所轄税務署長に提出します。

  • 住宅耐震改修特別控除額・住宅特定改修特別税額控除額の計算明細書
  • 建築士等が発行した「増改築等工事証明書」
  • 家屋の「登記事項証明書」などで床面積が50平方メートル以上、または40平方メートル以上50平方メートル未満であることを明らかにする書類

「建築士等」とは、一級建築士、二級建築士または木造建築士、指定確認検査機関、登録住宅性能評価機関および住宅瑕疵担保責任保険法人です。増改築等工事証明書は建築士等が発行する書類です。工事を頼む前に、発行してもらえるかを確かめておくと安心です。

登記事項証明書については、計算明細書への不動産番号の記載または登記事項証明書の写しの添付に代えることができます。給与所得のある方の源泉徴収票は、平成31年4月1日以後、添付や提示が不要となっています。会社員の方の確定申告の全体像は会社員でも確定申告が必要な場合で整理しています。

住宅ローン控除との選択。一度選ぶと変えられない

同じ省エネ改修工事について、住宅借入金等特別控除や特定増改築等住宅借入金等特別控除の要件も満たしているときは、これらの控除のいずれか1つの選択適用となります。No.1219は、コード1216、コード1211-4、コード1217で説明している控除との選択、としています。

そして、この選択により住宅特定改修特別税額控除を適用して確定申告書を提出した場合には、その後においても選択替えはできません。住宅特定改修特別税額控除を適用しなかった場合も同様です。ローンを組んで改修した方は、どちらが有利かを申告前に計算して決めてください。還付を受けるための申告の期限は還付申告の期限をご覧ください。

よくある質問

省エネ改修の税額控除は住宅ローンがなくても受けられますか

答えを先に書くと、自分が所有して住んでいる家に一般省エネ改修工事をして、平成26年4月1日から令和10年12月31日までの間に住み始めた場合、一定の要件のもとで、一定の金額をその年分の所得税額から差し引けます。これを住宅特定改修特別税額控除といい、国税庁のタックスアンサーNo.1219は、住宅ローン等の利用がなくても適用できる、としています。→ 本文で読む

省エネ改修の税額控除の要件は何ですか

No.1219は、次のすべての要件を満たすときに適用できる、としています。床面積・所得・工事費用の数字が関わります。 3の床面積は「登記事項証明書」に表示されている床面積で判断します。マンションの場合は共有部分を含めず、専有部分の床面積で判断します。店舗や事務所と併用の住宅は建物全体の床面積で、夫婦や親子で共有する住宅も、持分を乗じずに建物全体の床面積で判断します。→ 本文で読む

どのような工事が一般省エネ改修工事になりますか

対象になる工事の中心は、居室の窓の改修工事です。No.1219は、令和4年1月1日以後に居住の用に供する場合について、居室の窓の改修工事、またはその工事と併せて行う床等の断熱工事、天井の断熱工事もしくは壁の断熱工事で、その改修部位の省エネ性能がいずれも平成28年基準相当以上となる工事、としています。→ 本文で読む

省エネ改修の税額控除の控除額はどう計算しますか

控除額は、A×10%+B×5%で計算します。Aは一般省エネ改修工事の標準的な費用の額(補助金等を控除した後の金額。控除対象限度額を限度)、Bは併せて行う工事の費用などのうち、1,000万円からAの金額を控除した金額を限度とする額です。→ 本文で読む

省エネ改修の税額控除の限度額はいくらですか

Aの上限になる控除対象限度額は、令和4年1月1日以後に居住の用に供した場合、250万円です。太陽光発電設備設置工事が含まれる場合は350万円になります。 令和3年12月31日以前に居住の用に供した場合は、工事費用に含まれる消費税額等の税率で分かれます。8パーセントまたは10パーセントの消費税および地方消費税の税率により課されるべき消費税額等が含まれている場合には250万円(太陽光発電設備設置工事が含まれる場合は350万円)、それ以外の場合には200万円(同300万円)です。→ 本文で読む

省エネ改修の税額控除と住宅ローン控除は両方使えますか

同じ省エネ改修工事について、住宅借入金等特別控除や特定増改築等住宅借入金等特別控除の要件も満たしているときは、これらの控除のいずれか1つの選択適用となります。No.1219は、コード1216、コード1211-4、コード1217で説明している控除との選択、としています。→ 本文で読む

出典

  1. 国税庁「No.1219 省エネ改修工事をした場合(住宅特定改修特別税額控除)」
    https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1219.htm

この記事は、記載時点で公表されている法令・通達・国税庁の資料にもとづいて書いています。制度は改正されることがあり、また個別の事情によって取扱いは変わります。実際のご判断にあたっては、税理士にご相談いただくか、所轄の税務署にお確かめください。当事務所は本記事の情報を用いて行われた判断について責任を負いかねます。

省エネ改修を考えている方は、工事の前に増改築等工事証明書の発行を確かめてください。

この控除は確定申告で受けます。標準的な費用の額は実際の工事代金ではなく、増改築等工事証明書に書かれる金額で決まります。ローンを組む方は住宅ローン控除との選択になり、一度選ぶと変えられません。ふじみ野市とその近隣の方は訪問でのご相談も承ります。初回30分は無料です。