申告
確定申告書の提出先は納税地の税務署。
納税地は原則として住所地、事業所の所在地を選ぶ特例もあります
確定申告書を出すとき、「どこの税務署に出せばよいのか」で迷う方がいらっしゃいます。年の途中で引っ越した、自宅と店舗が別の市にある、亡くなった親の申告をする、といった場面です。
答えを先に書くと、所得税の確定申告書は提出時の納税地を所轄する税務署長に提出します。納税地は原則として住所地、つまり生活の本拠です。
ただし、事業所の所在地を納税地にできる特例や、亡くなった方の申告の扱いなど、原則と違う場面もあります。国税庁のタックスアンサーNo.2029で、納税地の決まり方と変更の手続を確認していきます。
この記事の要点
所得税の確定申告書は、提出時の納税地を所轄する税務署長に提出します。納税地は原則として住所地(生活の本拠)で、国内に住所がなく居所がある人は居所地です。死亡した人の申告は死亡した人の死亡時の納税地です。特例として、事業所などの所在地を納税地にでき、変更後の納税地を記載した申告書を提出することで変更できます。国税庁タックスアンサーNo.2029をもとに整理しました。
先に見ておくと分かりやすいもの
提出先は提出時の納税地を所轄する税務署
所得税の確定申告書は、提出時の納税地を所轄する税務署長に提出することになっています。国税庁のタックスアンサーNo.2029はこう定めています。「提出時の」とありますから、所得が生じた時点ではなく、申告書を出す時点の納税地で判断します。
国税庁 タックスアンサー No.2029「確定申告書の提出先(納税地)」
所得税の確定申告書は、提出時の納税地を所轄する税務署長に提出することになっています。
年の途中で引っ越した方は、申告書を出すときに住んでいる場所が基準になります。前の住所地の税務署ではありません。では納税地はどう決まるのか。No.2029は、主な納税地として住所地、居所地、死亡した人の納税地の3つを説明しています。
納税地は住所地。住所とは生活の本拠
納税地は、一般的には住所地です。No.2029は、国内に住所がある人はその住所地が納税地になる、としています。そして住所とは生活の本拠のことで、生活の本拠かどうかは客観的事実によって判定されます。
住民票の場所と実際に暮らしている場所が違う場合は、実際の生活の本拠で判定するということです。「客観的事実によって判定」とありますから、本人の意思だけでは決まりません。どこで寝起きし、家族がどこにいて、仕事にどこから通っているかといった事実で見ます。
会社員の方であれば、通常はお住まいの住所地を所轄する税務署が提出先です。ふじみ野市にお住まいの方は、ふじみ野市を所轄する税務署に提出することになります。
国内に住所がなく居所がある人は居所地
国内に住所がなくて居所がある人は、その居所地が納税地になります。No.2029は、居所とは一般的に、相当期間継続して居住しているものの、その場所との結びつきが住所ほど密接でないもの、すなわち、そこがその者の生活の本拠であるというまでには至らない場所をいう、と説明しています。
住所が「生活の本拠」、居所が「本拠とまではいえないが相当期間住んでいる場所」です。国内に生活の本拠がない方でも、国内に居所があれば、そこが納税地になります。海外に家族と本拠を置きながら国内で一定期間働いている方などが当たります。
死亡した人の申告は死亡時の納税地
亡くなった方の所得税の確定申告をする場合の納税地には注意が必要です。No.2029は、死亡した人の所得税の確定申告をする場合には、相続人の納税地ではなく、死亡した人の死亡時の納税地となる、としています。
国税庁 タックスアンサー No.2029「確定申告書の提出先(納税地)」
死亡した人の所得税の確定申告をする場合には、相続人の納税地ではなく、死亡した人の死亡時の納税地となります。
申告書を作るのは相続人ですが、提出先は相続人の住所地の税務署ではありません。亡くなった方が最後に生活の本拠としていた場所を所轄する税務署です。遠方に住む親の申告をする場合は、親の住所地の税務署に提出することになります。亡くなった方の申告の期限は相続の期限で整理しています。
事業所などの所在地を納税地にできる特例
原則は住所地ですが、選べる場合があります。No.2029は納税地の特例として2つを挙げています。1つは、国内に住所のほかに居所がある人は、住所地に代えて居所地を納税地とすることができる、というものです。
もう1つは、国内に住所または居所のいずれかがある人が、その住所または居所のほかに事業所などがある場合には、住所地等に代えてその事業所などの所在地を納税地にすることができる、というものです。自宅と店舗・事務所が別の税務署の管轄にある個人事業主の方は、事業所の所在地を納税地に選べます。
どちらを選ぶかは自由ですが、納税地は申告書の提出先だけでなく、税務署からの文書の送付先にもなります。帳簿や資料をどこに置いているか、税務署からの連絡をどこで受けたいかで決めるとよいでしょう。開業時の届出先も納税地の税務署です。開業のときに出す届出とあわせて確認してください。
納税地を変えるときの手続
納税地の特例により納税地の変更を行う場合は、変更後の納税地を記載した所得税または消費税の申告書を提出することにより変更することができます。No.2029がこう定めています。別の届出書を先に出さなくても、申告書に新しい納税地を書けば変更されるということです。
ただし、年の途中で納税地の変更がある場合で、国税当局からの各種文書の送付先を変更後の納税地とする意思があるときは、「所得税・消費税の納税地の異動又は変更に関する申出書」を提出することができます。申告の時期を待たずに、税務署からの文書を新しい納税地で受け取りたい場合に使う書類です。
引っ越しをした年は、この申出書を出しておくと、確定申告の案内や予定納税の通知が新しい住所に届きます。出さなくても申告書に新しい納税地を書けば変更されますが、それまでの文書は旧納税地に送られる点に注意してください。申告書の中身の読み方は所得税のしくみで整理しています。
よくある質問
確定申告書はどこの税務署に提出しますか
所得税の確定申告書は、提出時の納税地を所轄する税務署長に提出することになっています。国税庁のタックスアンサーNo.2029はこう定めています。「提出時の」とありますから、所得が生じた時点ではなく、申告書を出す時点の納税地で判断します。→ 本文で読む
住民票と実際に住んでいる場所が違う場合の納税地はどこですか
納税地は、一般的には住所地です。No.2029は、国内に住所がある人はその住所地が納税地になる、としています。そして住所とは生活の本拠のことで、生活の本拠かどうかは客観的事実によって判定されます。→ 本文で読む
国内に住所がない人の納税地はどこになりますか
国内に住所がなくて居所がある人は、その居所地が納税地になります。No.2029は、居所とは一般的に、相当期間継続して居住しているものの、その場所との結びつきが住所ほど密接でないもの、すなわち、そこがその者の生活の本拠であるというまでには至らない場所をいう、と説明しています。→ 本文で読む
亡くなった親の確定申告書はどこの税務署に出しますか
亡くなった方の所得税の確定申告をする場合の納税地には注意が必要です。No.2029は、死亡した人の所得税の確定申告をする場合には、相続人の納税地ではなく、死亡した人の死亡時の納税地となる、としています。→ 本文で読む
自宅と事業所が別の税務署の管轄にある場合、どちらに申告しますか
原則は住所地ですが、選べる場合があります。No.2029は納税地の特例として2つを挙げています。1つは、国内に住所のほかに居所がある人は、住所地に代えて居所地を納税地とすることができる、というものです。→ 本文で読む
引っ越したとき納税地の変更はどうすればよいですか
納税地の特例により納税地の変更を行う場合は、変更後の納税地を記載した所得税または消費税の申告書を提出することにより変更することができます。No.2029がこう定めています。別の届出書を先に出さなくても、申告書に新しい納税地を書けば変更されるということです。→ 本文で読む
出典
- 国税庁「No.2029 確定申告書の提出先(納税地)」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2029.htm
この記事は、記載時点で公表されている法令・通達・国税庁の資料にもとづいて書いています。制度は改正されることがあり、また個別の事情によって取扱いは変わります。実際のご判断にあたっては、税理士にご相談いただくか、所轄の税務署にお確かめください。当事務所は本記事の情報を用いて行われた判断について責任を負いかねます。
引っ越した年や、自宅と事業所が離れている方は、提出先を先に確かめてください。
納税地は申告書の提出先だけでなく、税務署からの文書の送付先や、消費税の申告先にも関わります。個人事業を始めて自宅と店舗が別の税務署の管轄になった方、年の途中で転居した方は、どこを納税地にするのが実務上よいかを一緒に整理します。ふじみ野市とその近隣の方は訪問でのご相談も承ります。初回30分は無料です。
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