申告
個人事業主が引っ越したときの届出。
納税地の異動は確定申告書に書けば済み、給与支払事務所の移転は1か月以内です
引っ越しをした個人事業主の方から、「税務署に何か出さないといけませんか」というご質問をいただきます。
答えを先に書くと、住所が変わって納税地が異動しただけなら、次の確定申告書に新しい納税地を書いて出せば変更されます。別の届出書は必須ではありません。
ただし、事務所を移した場合や、従業員に給与を払っている場合は、期限のある届出があります。とくに給与支払事務所の移転は1か月以内です。国税庁のタックスアンサーNo.2091で、どの届出をいつまでに出すかを順に確認していきます。
この記事の要点
個人事業主が転居して納税地に異動があった場合、確定申告書に異動後の納税地を記載して提出すれば変更されます。年の途中で文書を新しい納税地で受け取りたいときは「納税地の異動又は変更に関する申出書」を随時提出できます。事務所等の移転は「個人事業の開廃業等届出書」を確定申告期限までに、給与を払う事務所の移転は1か月以内に届出します。国税庁タックスアンサーNo.2091をもとに整理しました。
先に見ておくと分かりやすいもの
引っ越しや事務所移転で出す届出の一覧
答えを先に書くと、個人事業者が転居などで納税地等に異動があった場合、税務署長に対して届出書等の提出が必要になります。国税庁のタックスアンサーNo.2091は、代表的な届出書として、所得税・消費税の納税地の異動又は変更に関する申出書、個人事業の開廃業等届出書、給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書、事業廃止届出書を表にしています。
| 届出書 | 内容 | 提出期限等 |
|---|---|---|
| 【所得税・消費税】所得税・消費税の納税地の異動又は変更に関する申出書 | 納税地に異動があった場合、住所地に代えて居所地や事業所等の所在地を納税地とする場合など | 確定申告書に異動後の納税地を記載して提出することで変更される。申出書は随時提出できる |
| 【所得税】個人事業の開廃業等届出書 | 事業の廃止や事務所等の移転があった場合 | 事業の開始等の事実があった日の属する年分の確定申告期限まで |
| 【源泉所得税】給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書 | 給与等の支払を行う事務所等を移転または廃止した場合 | 移転または廃止の日から1か月以内 |
| 【消費税】事業廃止届出書 | 課税事業者が事業を廃止した場合 | 事由が生じた場合、速やかに |
このうち、納税地の異動は確定申告書に新しい納税地を書けば済みます。期限を意識して出す必要があるのは、事務所の移転と、給与支払事務所の移転があった場合の届出です。順に見ていきます。
納税地の異動は、確定申告書に新しい納税地を書けば変わる
住所が変わって納税地に異動があった場合、所得税または消費税の確定申告の際に、申告書に異動または変更後の納税地を記載して提出することで変更されます。No.2091は、届出書を別に出さなくても、確定申告書の記載で変わる、と説明しています。
国税庁 タックスアンサー No.2091「個人事業者の納税地等に異動があった場合の届出関係」
確定申告書に、異動または変更後の納税地を記載することで変更されます。
ただし、年の途中で納税地を異動または変更する意思があり、国税当局からの各種文書の送付先を異動または変更後の納税地としたいときは、「所得税・消費税の納税地の異動又は変更に関する申出書」を異動または変更後の納税地の税務署に提出することができます。この申出書は随時提出できます。引っ越してすぐに税務署からの書類を新住所で受け取りたい場合に使うものです。
同じ申出書は、住所地に代えて居所地や事業所等の所在地を納税地にする場合、逆に居所地や事業所等の所在地を納税地としていた方が住所地に戻す場合にも使います。自宅と事務所が別で、どちらを納税地にするかを変えたいときも、この申出書です。
事務所の移転は、開廃業等届出書を確定申告期限まで
事業の廃止や事務所等の移転があった場合は、「個人事業の開廃業等届出書」を提出します。提出期限は、事業の開始等の事実があった日の属する年分の確定申告期限までです。
開業のときに出したのと同じ様式で、移転の事実を届け出ます。納税地の異動は申告書の記載で済みますが、事務所等の移転はこの届出書が必要です。開業時の届出は開業のときに出す届出で整理しています。
給与を払っている事務所の移転は1か月以内
従業員や専従者に給与等の支払を行う事務所等を移転または廃止した場合は、「給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書」を、移転または廃止の日から1か月以内に提出します。
この記事で挙げた届出のうち、期限が最も短いのがこれです。人を雇っている方が事務所を移すときは、確定申告期限まで待たずに1か月以内と覚えておいてください。源泉徴収の義務については人を雇うと源泉徴収の義務が生まれますをご覧ください。
消費税の課税事業者が事業をやめたときは事業廃止届出書
消費税の課税事業者が事業を廃止した場合は、「事業廃止届出書」を提出します。提出期限は、事由が生じた場合、速やかに、とされています。
これは移転ではなく廃止のときの届出です。所得税の開廃業等届出書とは別に、消費税のほうでも届出が要ります。消費税の課税事業者でなければ、この届出は関係ありません。
振替納税は、税務署が変わっても続けて使える
振替納税を利用している方で、納税地等の異動により管轄する税務署が変更になった場合でも、特段の手続をすることなく振替納税を引き続き利用できます。No.2091はそのように説明しています。
振替納税の継続を希望しない場合は、「振替納税の取りやめ申出書」を変更後の税務署へ提出します。振替口座を変更する場合は、新たに「納付書送付依頼書兼預貯金口座振替依頼書」を税務署又は変更後の振替口座に係る金融機関へ提出します。口座をそのまま使うなら何もしなくてよいということです。
税務署以外への届出も確かめる
税務署への届出のほかに、都道府県税事務所、年金事務所、労働基準監督署等にも届出書等の提出が必要となる場合があります。No.2091は、各行政機関へ確認するよう案内しています。
税務署に出したから終わり、ではありません。引っ越しや事務所移転の前に、出す先と期限を一覧にしておくと漏れが防げます。届出の一覧を作る段階でご相談いただければ、税務署分とそれ以外を一緒に整理します。
よくある質問
個人事業主が引っ越したら税務署にどんな届出が必要ですか
答えを先に書くと、個人事業者が転居などで納税地等に異動があった場合、税務署長に対して届出書等の提出が必要になります。国税庁のタックスアンサーNo.2091は、代表的な届出書として、所得税・消費税の納税地の異動又は変更に関する申出書、個人事業の開廃業等届出書、給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書、事業廃止届出書を表にしています。→ 本文で読む
納税地が変わったら届出書を出さなければなりませんか
住所が変わって納税地に異動があった場合、所得税または消費税の確定申告の際に、申告書に異動または変更後の納税地を記載して提出することで変更されます。No.2091は、届出書を別に出さなくても、確定申告書の記載で変わる、と説明しています。→ 本文で読む
事務所を移転したときの届出はいつまでに出しますか
事業の廃止や事務所等の移転があった場合は、「個人事業の開廃業等届出書」を提出します。提出期限は、事業の開始等の事実があった日の属する年分の確定申告期限までです。 開業のときに出したのと同じ様式で、移転の事実を届け出ます。 納税地の異動は申告書の記載で済みますが、事務所等の移転はこの届出書が必要 です。開業時の届出は 開業のときに出す届出 で整理しています。→ 本文で読む
給与を払っている事務所を移転したときの届出期限はいつですか
従業員や専従者に給与等の支払を行う事務所等を移転または廃止した場合は、「給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書」を、移転または廃止の日から1か月以内に提出します。 この記事で挙げた届出のうち、期限が最も短いのがこれです。 人を雇っている方が事務所を移すときは、確定申告期限まで待たずに1か月以内 と覚えておいてください。源泉徴収の義務については 人を雇うと源泉徴収の義務が生まれます をご覧ください。→ 本文で読む
引っ越して税務署が変わったら振替納税はどうなりますか
振替納税を利用している方で、納税地等の異動により管轄する税務署が変更になった場合でも、特段の手続をすることなく振替納税を引き続き利用できます。No.2091はそのように説明しています。→ 本文で読む
税務署以外にも届出は必要ですか
税務署への届出のほかに、都道府県税事務所、年金事務所、労働基準監督署等にも届出書等の提出が必要となる場合があります。No.2091は、各行政機関へ確認するよう案内しています。 税務署に出したから終わり、ではありません。 引っ越しや事務所移転の前に、出す先と期限を一覧にしておくと漏れが防げます。届出の一覧を作る段階でご相談いただければ、税務署分とそれ以外を一緒に整理します。→ 本文で読む
出典
- 国税庁「No.2091 個人事業者の納税地等に異動があった場合の届出関係」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2091.htm
この記事は、記載時点で公表されている法令・通達・国税庁の資料にもとづいて書いています。制度は改正されることがあり、また個別の事情によって取扱いは変わります。実際のご判断にあたっては、税理士にご相談いただくか、所轄の税務署にお確かめください。当事務所は本記事の情報を用いて行われた判断について責任を負いかねます。
引っ越しや事務所の移転が決まったら、出す先と期限を一覧にしてください。
納税地の異動は確定申告書の記載で済みますが、給与を払っている方の事務所移転は1か月以内の届出が必要です。振替納税や振替口座の扱い、都道府県税事務所や年金事務所への届出もあわせて確かめます。ふじみ野市とその近隣の方は訪問でのご相談も承ります。初回30分は無料です。
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