ふじみの会計事務所公認会計士・税理士|埼玉県ふじみ野市 LINEで相談

経費

会社のリース取引の税務。
法人税法上のリース取引は「売買」とされ、リース料は償却費として損金にします

コピー機、パソコン、車。小さな会社でも、リースで導入している機器は少なくありません。毎月のリース料を「賃借料」で経費にしていると思いますが、法人税では、実はそのリースは「売買」として扱われています。

答えを先に書くと、法人税法上のリース取引は、資産の引渡しの時に売買があったものとされ、借りた側はその資産を自分の資産として償却します。ただし、リース料を賃借料として損金経理した金額は償却費として扱われるので、毎月リース料を経費にする処理はそのままで問題ありません。

「売買なのに、なぜリース料の経費処理でよいのか」を知っておくと、契約書の見方が変わります。国税庁のタックスアンサーNo.5702で確認していきます。

公開 最終更新

この記事の要点

会社が平成20年4月1日以後に契約したリース取引のうち、中途解約が禁止され、賃借人が資産の経済的利益を享受し費用を負担する「法人税法上のリース取引」は、資産の引渡し時に売買があったものとされます。賃借人はリース資産を自己の資産として償却しますが、リース料を賃借料として損金経理した金額は償却費として扱われるため、毎月のリース料を経費にする処理で足ります。国税庁タックスアンサーNo.5702をもとに整理しました。

先に見ておくと分かりやすいもの

答え。法人税法上のリース取引は、引渡しの時に売買とされる

まず答えを書くと、会社が平成20年4月1日以後に契約した資産の賃貸借のうち一定のもの(法人税法上のリース取引)は、リース資産の引渡しの時に売買があったものとされます。国税庁のタックスアンサーNo.5702がそのように示しています。契約書には「リース」と書いてあっても、法人税ではその資産を買ったものとして扱います。

国税庁 タックスアンサー No.5702「リース取引についての取扱いの概要(平成20年4月1日以後契約分)」

法人が平成20年4月1日以後に締結する契約に係る資産の賃貸借(注)のうち一定のもの(以下「法人税法上のリース取引」といいます。)については、その取引の目的となる資産(以下「リース資産」といいます。)の賃貸人から賃借人への引渡し(以下「リース譲渡」といいます。)の時にそのリース資産の売買があったものとされます。

売買とされる理由は、そのリースの中身が、実質的には「分割払いで資産を買っている」のと変わらないからです。解約できず、リース期間中にほぼ全額を払い、その資産のメリットを借りた側が受け、コストも負うなら、それは借りているのではなく買っているのと同じ、という見方です。

ただ、「売買」と聞くと経費処理をやり直す必要があるように感じますが、そうではありません。借りた側の処理は、結果として毎月のリース料を経費にするのとほぼ同じになります。その理由は後ろの節で説明します。

法人税法上のリース取引になる2つの要件

どんな賃貸借が「法人税法上のリース取引」になるのでしょうか。No.5702は、資産の賃貸借のうち、次の要件のすべてを満たすものとしています。

要件
1リース期間中の中途解約が禁止されているものであること、または賃借人が中途解約する場合には未経過期間に対応するリース料の額の合計額のおおむね全部(原則として90パーセント以上)を支払うこととされているものなどであること
2賃借人がリース資産からもたらされる経済的な利益を実質的に享受することができ、かつ、リース資産の使用に伴って生ずる費用を実質的に負担すべきこととされているものであること

1つめは解約できないことです。途中でやめられない、やめるなら残りのリース料をほぼ全部払う、という契約です。2つめはその資産を使うメリットを借りた側が受け、維持費などのコストも負うことです。コピー機のリースで、保守やトナーの費用を借りた側が払っているなら、この要件に近づきます。

事務機器や車の一般的なリース契約は、この2つの要件をどちらも満たすことが多いです。契約書の「中途解約」の条項を見れば、1つめはすぐ分かります。

リース料の合計が取得価額のおおむね90パーセントを超えるか

2つめの要件のうち「費用を実質的に負担すべきこと」には、数字の目安があります。No.5702は、リース期間(解約できない期間に限る)において賃借人が支払うリース料の額の合計額が、その資産の取得のために通常要する価額のおおむね90パーセント相当額を超える場合には、費用を実質的に負担すべきこととされているものに該当する、としています。

国税庁 タックスアンサー No.5702「リース取引についての取扱いの概要(平成20年4月1日以後契約分)」

リース期間(契約の解除をすることができないものとされている期間に限ります。)において賃借人が支払うリース料の額の合計額がその資産の取得のために通常要する価額のおおむね90パーセント相当額を超える場合には、リース資産の使用に伴って生ずる費用を実質的に負担すべきこととされているものであることに該当します。

つまり、リース料を全部足した額が、その資産を買う値段の9割を超えるなら、実質的には買っているのと同じ、と見ます。リース会社は資産の代金に金利や手数料を乗せてリース料を決めますから、フルペイアウト型のリースはたいてい90パーセントを超えます。

借りた側の処理。自己の資産として償却する

法人税法上のリース取引に当たると、借りた側は、そのリース資産を自己の資産として計上し、償却します。No.5702は、賃借人はそのリース資産を自己の資産として、リース取引の区分に応じて償却する、としています。

区分は2つです。所有権移転外リース取引ならリース期間定額法、それ以外のリース取引なら、その資産の種類に応じて会社が選んでいる償却方法です。

所有権移転外リース取引とは、No.5704によれば、リース期間の終了時や中途に資産が無償または名目的な対価で借りた側に譲渡されるもの、著しく有利な価額で買い取る権利があるもの、などのいずれにも該当しないリース取引です。リース期間が終わったら返す一般的なリースは、所有権移転外リース取引に当たります。

所有権移転外リース取引はリース期間定額法。リース料の損金経理でよい理由

リース期間定額法は、リース資産の取得価額をリース期間の月数で割り、その事業年度のリース期間の月数を掛けた金額を償却限度額とする方法です。No.5410がその算式を示しています。リース期間にわたって均等に償却する、ということです。

ここで、実務上いちばん大事な文があります。No.5702は、賃借人である法人が賃借料その他そのリース資産を賃借するために支出した費用として損金経理をした金額は、償却費として損金経理をした金額に含まれる、としています。

国税庁 タックスアンサー No.5702「リース取引についての取扱いの概要(平成20年4月1日以後契約分)」

この場合において、賃借人である法人が賃借料その他そのリース資産を賃借するために支出した費用として損金経理をした金額は、償却費として損金経理をした金額に含まれます。

つまり、毎月のリース料を「賃借料」や「リース料」として経費に落としていれば、それが償却費を損金経理したことになるのです。リース期間定額法の償却限度額は、リース料の総額をリース期間で均等に割った額ですから、毎月のリース料とほぼ一致します。だから、税務上は売買でも、経理は毎月のリース料を経費にする処理で足ります。

気をつけたいのは、所有権移転外リース取引の資産には使えない制度があることです。No.5704は、圧縮記帳、特別償却、少額の減価償却資産の損金算入、一括償却資産の損金算入は適用がない、としています。買えば少額資産として一括で損金にできる機器でも、所有権移転外リースで導入すると、リース期間で均等に償却することになります。少額資産の扱いは少額減価償却資産の特例で整理しています。

セール・アンド・リースバックは、金銭の貸借とされることがある

自社の資産をリース会社に売って、それをリースで借り戻す取引をセール・アンド・リースバックといいます。No.5702は、その資産の種類、売買および賃貸に至るまでの事情などに照らし、一連の取引が実質的に金銭の貸借であると認められるときは、その売買はなかったものとされ、リース会社から会社への金銭の貸付けがあったものとされる、としています。

資金調達のために資産を売って借り戻すのは、資産を担保にお金を借りているのと同じと見られる、ということです。その場合、売却代金は借入金、リース料のうち借入金に相当する部分は借入金の返済として扱われます。

土地の賃貸借の除外と、それ以外の賃貸借(オペレーティング・リース)

土地の賃貸借は、法人税法上のリース取引の範囲から除かれるものがあります。No.5702は、賃貸借期間の終了時または中途にその土地が無償または名目的な対価で借りた側に譲渡されるもの、著しく有利な価額で買い取る権利が与えられているもの、のいずれにも該当しない土地の賃貸借などは除かれる、としています。ふつうに土地を借りて地代を払う契約は、リース取引ではなく通常の賃貸借です。

また、2つの要件を満たさない賃貸借、たとえば途中で解約できるレンタル契約は、法人税法上のリース取引ではありません。これはオペレーティング・リース取引と呼ばれ、No.5702は「No.5705 賃貸借取引(オペレーティング・リース取引)についての取扱いの概要」を参照するよう案内しています。この場合は、売買ではなく賃貸借として、支払ったリース料をそのまま損金にします。

リース料には消費税がかかります。その控除の仕組みは本則課税のしくみで整理しています。契約書の中途解約条項、リース期間終了後の扱い、リース料の総額の3点を見れば、どの型のリースかは判断できます。

よくある質問

リース契約なのに法人税では売買になるのですか

まず答えを書くと、会社が平成20年4月1日以後に契約した資産の賃貸借のうち一定のもの(法人税法上のリース取引)は、リース資産の引渡しの時に売買があったものとされます。国税庁のタックスアンサーNo.5702がそのように示しています。契約書には「リース」と書いてあっても、法人税ではその資産を買ったものとして扱います。→ 本文で読む

法人税法上のリース取引になるのはどのような契約ですか

どんな賃貸借が「法人税法上のリース取引」になるのでしょうか。No.5702は、資産の賃貸借のうち、次の要件のすべてを満たすものとしています。 1つめは 解約できないこと です。途中でやめられない、やめるなら残りのリース料をほぼ全部払う、という契約です。2つめは その資産を使うメリットを借りた側が受け、維持費などのコストも負うこと です。コピー機のリースで、保守やトナーの費用を借りた側が払っているなら、この要件に近づきます。→ 本文で読む

リース料の合計が取得価額の何パーセントを超えるとリース取引になりますか

2つめの要件のうち「費用を実質的に負担すべきこと」には、数字の目安があります。No.5702は、リース期間(解約できない期間に限る)において賃借人が支払うリース料の額の合計額が、その資産の取得のために通常要する価額のおおむね90パーセント相当額を超える場合には、費用を実質的に負担すべきこととされているものに該当する、としています。→ 本文で読む

リースで借りた資産は借りた側の資産になりますか

法人税法上のリース取引に当たると、借りた側は、そのリース資産を自己の資産として計上し、償却します。No.5702は、賃借人はそのリース資産を自己の資産として、リース取引の区分に応じて償却する、としています。→ 本文で読む

リース料を毎月経費にする処理のままでよいですか

リース期間定額法は、リース資産の取得価額をリース期間の月数で割り、その事業年度のリース期間の月数を掛けた金額を償却限度額とする方法です。No.5410がその算式を示しています。リース期間にわたって均等に償却する、ということです。→ 本文で読む

セール・アンド・リースバックはどう扱われますか

自社の資産をリース会社に売って、それをリースで借り戻す取引をセール・アンド・リースバックといいます。No.5702は、その資産の種類、売買および賃貸に至るまでの事情などに照らし、一連の取引が実質的に金銭の貸借であると認められるときは、その売買はなかったものとされ、リース会社から会社への金銭の貸付けがあったものとされる、としています。→ 本文で読む

出典

  1. 国税庁「No.5702 リース取引についての取扱いの概要(平成20年4月1日以後契約分)」
    https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/5702.htm
  2. 国税庁「No.5704 所有権移転外リース取引」
    https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/5704.htm
  3. 国税庁「No.5410 減価償却資産の償却限度額の計算方法(平成19年4月1日以後取得分)」
    https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/5410.htm

この記事は、記載時点で公表されている法令・通達・国税庁の資料にもとづいて書いています。制度は改正されることがあり、また個別の事情によって取扱いは変わります。実際のご判断にあたっては、税理士にご相談いただくか、所轄の税務署にお確かめください。当事務所は本記事の情報を用いて行われた判断について責任を負いかねます。

リース契約書を1枚見せていただければ、税務の扱いが決まります。

リースの税務は、契約書に中途解約の条項があるか、リース期間の終わりに所有権が移るか、リース料の合計が資産の価額に対してどれくらいかで決まります。毎月のリース料を経費にする処理はほとんどの場合そのままで問題ありませんが、消費税の扱いや、リース期間の終了時の処理は契約の型で変わります。ふじみ野市とその近隣の方は訪問でのご相談も承ります。初回30分は無料です。