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金融類似商品の税金は20.315パーセントの源泉分離課税。
定期積金の給付補てん金・金投資口座・一時払養老保険など6つ

銀行や保険会社の窓口で、定期積金や一時払いの養老保険、金の積立てを勧められた経験のある方は多いと思います。こうした商品の利益は、税金の世界では「金融類似商品」というひとつの箱に入ります。

答えを先に書くと、金融類似商品の収益は、一律20.315パーセントの源泉分離課税で、受け取るときに税金が引かれて終わりです。確定申告は要りません。

国税庁のタックスアンサーNo.1520は、この箱に入る商品を6つ挙げています。どれが入り、どれが入らないのかを確認します。

公開 最終更新

この記事の要点

金融類似商品の収益には、一律20.315パーセント(所得税15.315パーセント、地方税5パーセント)の源泉分離課税が適用され、源泉徴収だけで課税が終わります。対象は、定期積金の給付補てん金、抵当証券の利息、金投資口座の利益、外貨投資口座の為替差益、保険期間5年以下などの一時払養老保険の差益を含む6つです。確定申告は不要で、扶養判定の合計所得金額にも含まれません。国税庁タックスアンサーNo.1520をもとに整理しました。

先に見ておくと分かりやすいもの

税率は一律20.315パーセント。源泉徴収で課税は終わる

金融類似商品の収益にかかる税金は、一律20.315パーセントです。国税庁のタックスアンサーNo.1520は、その内訳を所得税15.315パーセント、地方税5パーセントとし、源泉分離課税が適用され、源泉徴収だけで課税関係が終了する、としています。

国税庁 タックスアンサー No.1520「金融類似商品と税金」

金融類似商品の収益については、一律20.315パーセント(所得税15.315パーセント、地方税5パーセント)の税率による源泉分離課税が適用され、源泉徴収だけで課税関係が終了します。

「源泉分離課税」とは、支払う側(銀行や保険会社)が税金を差し引いて国に納め、それで課税が完結する方式です。受け取る側は、ほかの所得と合算することも、確定申告することもありません。給与や事業の所得がいくら大きくても、この収益にかかる税率は変わりません。

復興特別所得税と防衛特別所得税。令和9年以後の変更

15.315パーセントという端数は、復興特別所得税が上乗せされているためです。No.1520は、平成25年から令和29年までの各年分については、復興特別所得税を所得税と併せて申告・納付する、としています。この「令和29年まで」は、令和8年度税制改正による延長後の課税期間です。

令和8年度税制改正では、防衛特別所得税が創設され、復興特別所得税の税率の引下げと課税期間の延長が行われました。これは令和9年以後に適用されます。ただしNo.1520は、改正前と改正後とで、防衛特別所得税及び復興特別所得税の合計税率に変更はないので、源泉徴収税額の計算方法に変更は生じない、としています。内訳の名前は変わりますが、手取りに影響する税率は20.315パーセントのままということです。

源泉分離課税になる金融類似商品は6つ

No.1520は、源泉分離課税の対象となる金融類似商品の収益などを6つ挙げています。名前だけでは分かりにくいものもあるので、身近な例と並べて整理します。

金融類似商品の収益身近な例
1定期積金の給付補てん金信用金庫などの定期積金の満期時の上乗せ分
2銀行法第2条第4項の契約に基づく給付補てん金銀行の相互掛金
3一定の契約により支払われる抵当証券の利息抵当証券
4貴金属などの売戻し条件付売買の利益金投資口座の利益など
5外貨建預貯金で、元本と利子をあらかじめ定められた利率により円または他の外貨に換算して支払うこととされている換算差益外貨投資口座の為替差益など
6一時払養老保険や一時払損害保険などで一定の要件を満たすものの差益保険期間等が5年以下のもの、5年以内に解約したもの

個人の方が実際に持っていることが多いのは、1の定期積金、4の金投資口座、5の外貨投資口座、6の一時払養老保険でしょう。4から6には、似ているのに対象にならない商品があるので、次の2つの節で分けて確認します。

金投資口座は対象、金定額購入システムは総合課税

金への投資は、商品の形で課税が変わります。No.1520が金融類似商品として挙げているのは、貴金属などの売戻し条件付売買の利益で、例として金投資口座の利益が示されています。あらかじめ売り戻す条件を付けて金を買う仕組みの利益が、源泉分離課税の対象です。

国税庁 タックスアンサー No.1520「金融類似商品と税金」

金定額購入システムにより取得した金地金を譲渡した場合には、総合課税の所得(事業所得もしくは雑所得または営利を目的として継続的に売買を行っていると認められない場合には譲渡所得)となります。

毎月一定額で金を買い続ける金定額購入システム(純金積立)で取得した金地金を売った場合は、源泉分離課税ではありません。総合課税の所得として、原則は譲渡所得、営利を目的として継続的に売買していると認められる場合は事業所得または雑所得になります。こちらは確定申告の対象です。「金」という言葉だけで判断せず、どの仕組みで買ったかを確かめてください。総合課税の仕組みは総合課税とはで整理しています。

一時払養老保険は「5年」が分かれ目

一時払養老保険や一時払損害保険の差益(受け取った金額と払った保険料の差)は、保険期間の長さと解約の時期で扱いが分かれます。No.1520は、源泉分離課税になる差益を、保険期間等が5年以下のもの、または保険期間等が5年を超えるもので保険期間等の初日から5年以内に解約されたものの差益に限る、としています。

一時払養老保険などの差益扱い
保険期間等が5年以下源泉分離課税(金融類似商品)
保険期間等が5年超で、初日から5年以内に解約源泉分離課税(金融類似商品)
保険期間等が5年超で、5年を超えてから満期・解約金融類似商品ではない(一時所得などとして申告)

また、一時払個人年金保険のうち、給付年金総額が定められている確定年金契約で、契約開始から5年以内で年金支払開始前に解約されたものの差益も、金融類似商品に含まれます。短期で運用して利益を得る商品は、預金の利息と同じように扱うという発想です。5年を超えて持ち続けた保険の満期金や解約返戻金は、金融類似商品ではなく一時所得の側に入ります。その計算は満期保険金・解約返戻金の税金で整理しています。

確定申告は不要。合計所得金額からも除かれる

金融類似商品の収益は、確定申告に含めません。No.1520は、1から6までの収益については、他の所得と合算して確定申告する必要はなく、また、扶養親族などに該当するか否かを判定するときの合計所得金額からも除かれる、としています。

2つめの点は見落としやすいところです。配偶者控除や扶養控除を受けられるかどうかは、配偶者や親族の合計所得金額で判定しますが、その人が受け取った金融類似商品の収益は、いくら大きくてもこの合計所得金額に入りません。たとえば扶養に入っている親が一時払養老保険(保険期間5年以下)の満期金を受け取っても、源泉分離課税で終わっていれば、扶養の判定には影響しないということです。扶養控除の判定は扶養控除の4段階で確認できます。

逆に言えば、金融類似商品に当たらない収益、たとえば金定額購入システムの売却益や5年を超えた養老保険の差益は、申告が必要で、合計所得金額にも入ります。同じような商品に見えても、税金の出口は違います。金融機関からの支払通知書に「源泉分離課税」の記載があるかどうかが、最初の手がかりになります。

よくある質問

金融類似商品の税率は何パーセントですか

金融類似商品の収益にかかる税金は、 一律20.315パーセント です。国税庁のタックスアンサーNo.1520は、その内訳を所得税15.315パーセント、地方税5パーセントとし、源泉分離課税が適用され、源泉徴収だけで課税関係が終了する、としています。→ 本文で読む

令和9年以後に金融類似商品の税率は変わりますか

15.315パーセントという端数は、復興特別所得税が上乗せされているためです。No.1520は、平成25年から令和29年までの各年分については、復興特別所得税を所得税と併せて申告・納付する、としています。この「令和29年まで」は、令和8年度税制改正による延長後の課税期間です。→ 本文で読む

金融類似商品にはどんなものがありますか

No.1520は、源泉分離課税の対象となる金融類似商品の収益などを6つ挙げています。名前だけでは分かりにくいものもあるので、身近な例と並べて整理します。 個人の方が実際に持っていることが多いのは、1の定期積金、4の金投資口座、5の外貨投資口座、6の一時払養老保険でしょう。 4から6には、似ているのに対象にならない商品がある ので、次の2つの節で分けて確認します。→ 本文で読む

純金積立で買った金を売った利益は源泉分離課税ですか

金への投資は、商品の形で課税が変わります。No.1520が金融類似商品として挙げているのは、 貴金属などの売戻し条件付売買の利益 で、例として金投資口座の利益が示されています。あらかじめ売り戻す条件を付けて金を買う仕組みの利益が、源泉分離課税の対象です。→ 本文で読む

一時払養老保険の満期金は確定申告が必要ですか

一時払養老保険や一時払損害保険の差益(受け取った金額と払った保険料の差)は、 保険期間の長さと解約の時期 で扱いが分かれます。No.1520は、源泉分離課税になる差益を、保険期間等が5年以下のもの、または保険期間等が5年を超えるもので保険期間等の初日から5年以内に解約されたものの差益に限る、としています。→ 本文で読む

金融類似商品の収益は扶養の判定に影響しますか

金融類似商品の収益は、確定申告に含めません。No.1520は、1から6までの収益については、他の所得と合算して確定申告する必要はなく、また、 扶養親族などに該当するか否かを判定するときの合計所得金額からも除かれる 、としています。→ 本文で読む

出典

  1. 国税庁「No.1520 金融類似商品と税金」
    https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1520.htm

この記事は、記載時点で公表されている法令・通達・国税庁の資料にもとづいて書いています。制度は改正されることがあり、また個別の事情によって取扱いは変わります。実際のご判断にあたっては、税理士にご相談いただくか、所轄の税務署にお確かめください。当事務所は本記事の情報を用いて行われた判断について責任を負いかねます。

満期のお知らせが届いたら、源泉分離課税かどうかを確かめてください。

同じ「金」でも金投資口座と金定額購入システムでは課税の方法が違い、同じ一時払養老保険でも保険期間や解約の時期で源泉分離課税になるかどうかが変わります。源泉分離課税なら申告は不要ですが、そうでなければ一時所得や雑所得として申告に含めます。金融機関からの通知をお持ちいただければ、どちらに当たるかを一緒に確認します。ふじみ野市とその近隣の方は訪問でのご相談も承ります。初回30分は無料です。