譲渡
昔住んでいた家を売ったとき。
3,000万円の特別控除は、住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売れば使えます
転勤や親との同居で引っ越し、以前住んでいた家を空き家のまま、あるいは人に貸したままにしている。そんな家を売るとき、「もう住んでいないから3,000万円控除は使えない」と思われる方が多いのですが、そうではありません。
答えを先に書くと、住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売れば、過去に住んでいた家でも3,000万円の特別控除が使えます。期限を1日でも過ぎると使えなくなります。
国税庁のタックスアンサーNo.3314は短い回答ですが、期限の数え方がはっきり書かれています。順に確認していきます。
この記事の要点
マイホームを売ったときの3,000万円の特別控除は、現に住んでいる家を売ることが要件の1つですが、過去に住んでいた家でも使えます。条件は、売った家屋が自分が所有者として住んでいたものであることと、住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに家屋(または家屋と敷地)を売ることの2つです。期限を過ぎて売るとこの特例は使えません。国税庁タックスアンサーNo.3314をもとに整理しました。
先に見ておくと分かりやすいもの
マイホームの3,000万円控除は、現に住んでいることが要件の1つ
まず特例の枠を確かめます。国税庁のタックスアンサーNo.3314は、マイホーム(居住用財産)を売ったときは、譲渡所得から最高3,000万円まで控除できる特例があり、これを居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例という、としています。
国税庁 タックスアンサー No.3314「過去に居住していたマイホームを売ったとき」
現に自分の住んでいるマイホームを売ることが、この特例の適用を受けるための要件の1つになっています。
原則は「今住んでいる家を売る」ことです。ところが、引っ越した後の家を売る場合にも、条件を満たせばこの特例が使えます。それがNo.3314の内容です。転勤で戻らずに売る方、親との同居で空き家になった家を売る方に関わる特例です。特例の基本はマイホームを売ったときの3,000万円控除で整理しています。
過去に住んでいた家でも使える2つの要件
No.3314は、過去に住んでいたマイホームを売った場合であっても、次の2つのいずれにも当てはまるときは、この特例の適用が受けられる、としています。
| 特例の適用を受けるための要件 | |
|---|---|
| (1) | 売った家屋は自分が所有者として住んでいたものであること |
| (2) | 自分が住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までにその家屋を売るか、家屋とともにその敷地等を売ること |
(1)は、自分が所有者として住んでいたことです。親が所有する家に住んでいただけで、後に相続して売る場合は、自分が所有者として住んでいたとはいえません。(2)は期限です。2つとも満たす必要があります。
期限は住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日
期限の数え方が、この特例の要です。「住まなくなった日から3年」ではなく、「住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日」です。3年を経過した日が属する年の年末まで、と読みます。
国税庁 タックスアンサー No.3314「過去に居住していたマイホームを売ったとき」
自分が住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までにその家屋を売るか、家屋とともにその敷地等を売ること。
たとえば春に引っ越したなら、3年後の春が「3年を経過する日」で、その日の属する年の12月31日が期限です。引っ越した月によって、実質的に使える期間は3年より長くなります。ただし、年末ぎりぎりの契約は、引渡しが翌年にずれる危険があります。売る対象は家屋、または家屋とともにその敷地等です。
この期限内であれば、引っ越した後に人に貸していても、空き家にしていても構いません。No.3314は住まなくなった後の使い方を要件にしていません。貸していた家を売るときの譲渡所得の計算は土地建物の譲渡所得の計算で整理しています。
災害で家屋が滅失した場合は敷地を同じ期限までに売る
家屋が災害でなくなってしまった場合の扱いも書かれています。No.3314の注記は、災害によって滅失した家屋の場合は、その敷地を住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること、としています。
家屋がないので「家屋を売る」ことはできませんが、敷地だけを売っても、同じ期限内であれば特例の対象になります。期限の数え方は家屋を売る場合と同じで、住まなくなった日が起点です。
期限を過ぎて売るとこの特例は使えない
No.3314は、この期間を過ぎてから売った場合にはこの特例の適用を受けることはできない、とはっきり書いています。1年遅れたから控除額が減る、という制度ではなく、期限を過ぎると3,000万円の控除がまるごと使えなくなります。
空き家のまま置いておくと、期限は静かに近づきます。貸していて入居者の退去を待っているうちに期限が来てしまった、というご相談も珍しくありません。引っ越した日を確かめて、いつまでに売れば特例が使えるかを書き出し、契約の日だけでなく引渡しの日も期限内に収めるように動いてください。売って損が出る場合の特例はローンが残る家を売って損が出たときで整理しています。
ほかの要件や手続はコード3302で確かめる
No.3314に書かれているのは、過去に住んでいた家に特有の2つの要件だけです。No.3314は、この特例の適用を受けるための他の要件や手続については、コード3302「マイホームを売ったときの特例」を参照するように案内しています。
売った相手が配偶者や親族でないこと、ほかの特例と重ねて使っていないこと、確定申告をすることなど、マイホームの3,000万円控除に共通する要件は別に確かめる必要があります。過去に住んでいた家だから期限だけ見ればよい、というわけではありません。根拠は租税特別措置法35条です。
よくある質問
今住んでいない家を売っても3,000万円控除は使えますか
まず特例の枠を確かめます。国税庁のタックスアンサーNo.3314は、マイホーム(居住用財産)を売ったときは、譲渡所得から最高3,000万円まで控除できる特例があり、これを居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例という、としています。→ 本文で読む
昔住んでいた家の3,000万円控除の要件は何ですか
No.3314は、過去に住んでいたマイホームを売った場合であっても、次の2つのいずれにも当てはまるときは、この特例の適用が受けられる、としています。 (1)は、 自分が所有者として住んでいた ことです。親が所有する家に住んでいただけで、後に相続して売る場合は、自分が所有者として住んでいたとはいえません。(2)は期限です。2つとも満たす必要があります。→ 本文で読む
住まなくなった家はいつまでに売れば3,000万円控除が使えますか
期限の数え方が、この特例の要です。「住まなくなった日から3年」ではなく、 「住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日」 です。3年を経過した日が属する年の年末まで、と読みます。→ 本文で読む
災害で家がなくなった土地を売っても3,000万円控除は使えますか
家屋が災害でなくなってしまった場合の扱いも書かれています。No.3314の注記は、災害によって滅失した家屋の場合は、その敷地を住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること、としています。→ 本文で読む
期限を過ぎてから昔の家を売ると3,000万円控除はどうなりますか
No.3314は、この期間を過ぎてから売った場合にはこの特例の適用を受けることはできない、とはっきり書いています。1年遅れたから控除額が減る、という制度ではなく、 期限を過ぎると3,000万円の控除がまるごと使えなくなります。→ 本文で読む
昔住んでいた家を売るときの3,000万円控除でほかに確かめる要件はありますか
No.3314に書かれているのは、過去に住んでいた家に特有の2つの要件だけです。No.3314は、この特例の適用を受けるための他の要件や手続については、コード3302「マイホームを売ったときの特例」を参照するように案内しています。→ 本文で読む
出典
- 国税庁「No.3314 過去に居住していたマイホームを売ったとき」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3314.htm
この記事は、記載時点で公表されている法令・通達・国税庁の資料にもとづいて書いています。制度は改正されることがあり、また個別の事情によって取扱いは変わります。実際のご判断にあたっては、税理士にご相談いただくか、所轄の税務署にお確かめください。当事務所は本記事の情報を用いて行われた判断について責任を負いかねます。
引っ越した日を確かめて、売却の期限を書き出してください。
過去に住んでいた家の特例は、住まなくなった日から数えた期限がすべてです。空き家のまま、あるいは貸したままにしていると、期限が近づいていることに気づきにくくなります。売る予定があるなら、期限内に契約と引渡しを終えられるよう、早めに動くことをおすすめします。ふじみ野市とその近隣の方は訪問でのご相談も承ります。初回30分は無料です。
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