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控除

住宅ローン控除の全体像。
年末残高をもとに所得税から控除。ローンを使わなくても受けられる税額控除もあります

マイホームを買ったり、リフォームをしたりすると、「住宅ローン控除が使えるのか」が最初の関心事になります。

答えを先に書くと、住宅ローン等を利用してマイホームの新築・取得・増改築等をし、一定の要件を満たすときは、住宅ローン等の年末残高の合計額等をもとに計算した金額を、住み始めた年分以後の所得税額から控除できます。これが住宅借入金等特別控除、いわゆる住宅ローン控除です。

あわせて知っておきたいのが、ローンを使わない場合の税額控除です。耐震改修や省エネ改修、認定住宅の新築には、別の税額控除があります。国税庁のタックスアンサーNo.1210で、制度の全体像を確認していきます。

公開 最終更新

この記事の要点

住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)は、住宅ローン等を利用してマイホームの新築・取得・増改築等をした場合に、年末残高の合計額等をもとに計算した金額を居住した年分以後の所得税額から控除する制度です。ローンを使わない場合でも、住宅耐震改修特別控除、住宅特定改修特別税額控除、認定住宅等新築等特別税額控除の3つがあります。国税庁タックスアンサーNo.1210をもとに整理しました。

先に見ておくと分かりやすいもの

住宅ローン控除とは。年末残高をもとに所得税額から控除

住宅ローン控除は、個人が住宅ローン等を利用してマイホームの新築、取得または増改築等をした場合で一定の要件を満たすときに、その住宅ローン等の年末残高の合計額等をもとに計算した金額を、居住の用に供した年分以後の各年分の所得税額から控除する制度です。国税庁のタックスアンサーNo.1210は、この制度を正式には「住宅借入金等特別控除」または「特定増改築等住宅借入金等特別控除」と呼んでいます。

国税庁 タックスアンサー No.1210「マイホームの取得等と所得税の税額控除」

その取得等に係る住宅ローン等の年末残高の合計額等を基として計算した金額を、居住の用に供した年分以後の各年分の所得税額から控除する「住宅借入金等特別控除」または「特定増改築等住宅借入金等特別控除」の適用を受けることができます。

ここで押さえておきたいのは3点です。住宅ローン等を利用していること、年末残高をもとに計算すること、そして所得税額から直接差し引く税額控除であることです。所得控除のように税率をかける前に引くのではなく、計算した税額から直接引きますから、効き方が大きくなります。所得税の計算のどこで税額控除が働くかは所得税のしくみで整理しています。

住宅借入金等特別控除と特定増改築等住宅借入金等特別控除

No.1210が挙げる住宅ローンを使う控除は2つです。新築・取得・増改築等の一般の住宅借入金等特別控除と、特定の増改築等をした場合の特定増改築等住宅借入金等特別控除です。ただし後者には期限があります。

No.1210の注記は、令和4年以後に住宅ローン等を利用し、特定の増改築等を行い居住の用に供した場合には、特定増改築等住宅借入金等特別控除を受けることができない、としています。令和4年以後のリフォームでローンを組んだ方は、一般の住宅借入金等特別控除の要件で考えることになります。

控除対象注意
住宅借入金等特別控除住宅ローン等を利用したマイホームの新築、取得、増改築等一定の要件を満たす必要がある
特定増改築等住宅借入金等特別控除住宅ローン等を利用した特定の増改築等令和4年以後に居住の用に供した場合は受けられない

どちらも「一定の要件を満たすとき」に受けられる制度です。要件は住宅の種類や取得の時期によって変わりますから、契約前に確かめておくことをおすすめします。

ローンを使わなくても受けられる3つの税額控除

住宅ローン等を利用しない場合でも、既存住宅について一定の要件を満たす工事をしたとき、または認定住宅等を新築等したときは、所定の方法で計算した金額をその年分の所得税額から控除できます。No.1210は、住宅耐震改修特別控除、住宅特定改修特別税額控除、認定住宅等新築等特別税額控除の3つを挙げています。

控除対象になる工事・取得
住宅耐震改修特別控除既存住宅の住宅耐震改修
住宅特定改修特別税額控除バリアフリー改修工事、省エネ改修工事、多世帯同居改修工事、子育て対応改修工事、耐久性向上改修工事(住宅耐震改修や省エネ改修工事を併せて行うものに限る)
認定住宅等新築等特別税額控除認定住宅等の新築等

自己資金でリフォームをした方は、住宅ローン控除は使えなくても、この3つのいずれかに当たる可能性があります。とくにバリアフリー改修や省エネ改修、子育て対応改修は、工事の内容が要件に合えば「その年分」の所得税額から控除できます。耐久性向上改修工事は、住宅耐震改修や省エネ改修工事と併せて行うものに限られる点に注意してください。

これらは住宅ローン控除と違って、居住した年分以後の各年分ではなく、その年分の所得税額から控除するものです。工事をした年の確定申告で受けることになります。

災害で住めなくなった場合の特例

住宅ローン控除の適用を受けていた住宅が災害で被害を受け、住めなくなることがあります。No.1210の注記は、災害によりマイホームが被害を受けた場合で一定の要件を満たすときは特例の適用を受けることができる、として、3つの場面を挙げています。

  • 災害により(特定増改築等)住宅借入金等特別控除の適用を受けていた住宅について居住できなくなった場合(コード8013「災害により被害を受けたときの住宅借入金等特別控除の適用期間の特例等」)
  • 東日本大震災によって同じ控除の適用を受けていた住宅について居住できなくなった場合
  • 東日本大震災の被災者の住宅の再取得等の場合

住宅ローン控除は「居住の用に供している」ことが前提の制度ですが、災害で住めなくなった場合には、その後も控除を受け続けられる特例が用意されています。被災された方は、この特例の要件を確かめてください。

自分がどの控除に当たるかの見分け方

No.1210に出てくる控除は、住宅ローンを使うものが2つ、使わないものが3つです。まず「住宅ローン等を利用したか」で分け、次に「新築・取得・増改築等か、特定の工事か」で分けると、自分がどの控除を検討すべきかが見えてきます。

住宅ローンを組んで新築や中古住宅の取得をした方は、住宅借入金等特別控除を検討します。ローンでリフォームをした方も、令和4年以後は住宅借入金等特別控除の要件で検討します。自己資金で耐震・バリアフリー・省エネなどの工事をした方や、認定住宅等を新築した方は、ローンを使わない3つの税額控除を確かめます。

いずれも「一定の要件を満たすとき」に受けられる制度で、要件の細かな内容は控除ごとに別のタックスアンサーで案内されています。住宅ローン控除の最初の年は確定申告が必要です。会社員の方が確定申告をする場面は会社員でも確定申告が必要な場合で整理しています。離婚に伴って共有持分を追加取得した場合の扱いは離婚の財産分与と住宅ローン控除をご覧ください。

よくある質問

住宅ローン控除とはどのような制度ですか

住宅ローン控除は、個人が住宅ローン等を利用してマイホームの新築、取得または増改築等をした場合で一定の要件を満たすときに、その住宅ローン等の年末残高の合計額等をもとに計算した金額を、居住の用に供した年分以後の各年分の所得税額から控除する制度です。国税庁のタックスアンサーNo.1210は、この制度を正式には「住宅借入金等特別控除」または「特定増改築等住宅借入金等特別控除」と呼んでいます。→ 本文で読む

ローンでリフォームをした場合はどの控除になりますか

No.1210が挙げる住宅ローンを使う控除は2つです。新築・取得・増改築等の一般の住宅借入金等特別控除と、特定の増改築等をした場合の特定増改築等住宅借入金等特別控除です。ただし後者には期限があります。→ 本文で読む

住宅ローンを使わずにリフォームしても税額控除は受けられますか

住宅ローン等を利用しない場合でも、既存住宅について一定の要件を満たす工事をしたとき、または認定住宅等を新築等したときは、所定の方法で計算した金額をその年分の所得税額から控除できます。No.1210は、住宅耐震改修特別控除、住宅特定改修特別税額控除、認定住宅等新築等特別税額控除の3つを挙げています。→ 本文で読む

災害で住めなくなった住宅の住宅ローン控除はどうなりますか

住宅ローン控除の適用を受けていた住宅が災害で被害を受け、住めなくなることがあります。No.1210の注記は、災害によりマイホームが被害を受けた場合で一定の要件を満たすときは特例の適用を受けることができる、として、3つの場面を挙げています。→ 本文で読む

住宅の税額控除のうち、自分がどれに当たるかはどう見分けますか

No.1210に出てくる控除は、住宅ローンを使うものが2つ、使わないものが3つです。まず「住宅ローン等を利用したか」で分け、次に「新築・取得・増改築等か、特定の工事か」で分けると、自分がどの控除を検討すべきかが見えてきます。→ 本文で読む

出典

  1. 国税庁「No.1210 マイホームの取得等と所得税の税額控除」
    https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1210.htm

この記事は、記載時点で公表されている法令・通達・国税庁の資料にもとづいて書いています。制度は改正されることがあり、また個別の事情によって取扱いは変わります。実際のご判断にあたっては、税理士にご相談いただくか、所轄の税務署にお確かめください。当事務所は本記事の情報を用いて行われた判断について責任を負いかねます。

住宅を取得した年は、年末調整では控除を受けられません。

住宅ローン控除の最初の年は確定申告が必要で、登記事項証明書や売買契約書、年末残高証明書など、そろえる書類が多くあります。取得した住宅の種類や工事の内容によって、使える控除と要件が変わります。契約書と工事の見積書をお持ちいただければ、どの控除に当たるかを一緒に確認します。ふじみ野市とその近隣の方は訪問でのご相談も承ります。初回30分は無料です。