譲渡
譲渡所得の申告期限は売った年の翌年2月16日から3月15日。
譲渡の日は引渡日が原則で、契約日も選べます
不動産や株式を売った年は、「いつまでに、どの書類で申告するのか」を早めに押さえておく必要があります。
答えを先に書くと、譲渡所得の申告は資産を譲渡した日の属する年の翌年2月16日から3月15日の間に行います。ここで意外に迷うのが「譲渡した日」がいつかという点です。契約した年と引き渡した年が違うと、申告する年が変わります。
また、売った方が海外に出国する場合や亡くなった場合は、期限が別に定められています。国税庁のタックスアンサーNo.3102で、期限と譲渡の日の考え方、申告に使う書類を確認していきます。
この記事の要点
土地・建物や株式を売ったときの譲渡所得の申告は、資産を譲渡した日の属する年の翌年2月16日から3月15日の間に行います。譲渡の日は原則として買主に引き渡した日ですが、契約の効力発生日とすることもできます。譲渡した人が出国する場合は出国の時まで、死亡した場合は相続人が相続開始を知った日の翌日から4か月以内が期限です。国税庁タックスアンサーNo.3102をもとに整理しました。
先に見ておくと分かりやすいもの
- 関連譲渡費用になるもの
- ご案内賃貸オーナーの確定申告
申告期限は翌年2月16日から3月15日
譲渡所得の申告は、資産を譲渡した日の属する年の翌年の2月16日から3月15日の間に行います。国税庁のタックスアンサーNo.3102がこう定めています。土地や建物、株式を売った年の翌年に、ほかの所得と一緒に確定申告をするということです。
国税庁 タックスアンサー No.3102「譲渡所得の申告期限」
譲渡所得の申告は、資産を譲渡した日の属する年の翌年の2月16日から3月15日の間に行ってください。
「資産を譲渡した日の属する年」という言い方に注意してください。申告する年を決めるのは、契約書に判を押した日ではなく「譲渡した日」がどの年に入るかです。この譲渡の日の決め方は後で述べます。
還付申告なら2月15日以前でも申告できる
申告の結果、税金が戻る場合は、期間の始まりを待つ必要がありません。No.3102は、特定のマイホームの譲渡損失の損益通算および繰越控除の特例の適用を受けることなどにより所得税の還付申告となる場合は、2月15日以前でも申告をすることができる、としています。
住宅ローンが残るマイホームを売って損が出た場合など、譲渡損失を給与などと通算して源泉徴収された所得税を戻す申告は、年が明けたら早めに出せるということです。この特例の中身はマイホームの譲渡損失の特例で整理しています。
譲渡の日は引渡日が原則。契約日も選べる
資産を譲渡した日は、原則として、売買など譲渡契約に基づいて資産を買主などに引き渡した日です。ただし、No.3102は、売買契約などの効力発生の日に譲渡があったものとして確定申告することもできる、としています。契約の効力発生の日とは、一般的には契約締結の日です。
| 譲渡の日 | 扱い |
|---|---|
| 資産を買主などに引き渡した日 | 原則 |
| 売買契約などの効力発生の日(一般的には契約締結の日) | 選ぶこともできる |
年末に契約して年明けに引き渡す取引では、この選択で申告する年が変わります。引渡日を譲渡の日とすれば翌年の所得、契約日とすれば契約した年の所得です。どちらの年にほかの所得が多いか、所有期間の区分がどう変わるか、使いたい特例の要件がどちらの年で満たされるかによって、有利な方が変わります。契約書と引渡しの日付を並べて確かめてください。
出国する場合は出国の時まで
資産を売った方が海外へ出国する場合、通常の期限を待てません。No.3102は、譲渡した人が出国する場合には、納税管理人を選任する場合を除き、原則として、出国の時までに確定申告書を提出しなければならない、としています。
海外赴任が決まっていて、その前に自宅を売却するような場面です。納税管理人を選任しておけば、通常の申告期限で申告できますが、選任しない場合は出国の時までに申告を済ませる必要があります。売却と出国の予定が近い方は、どちらの方法をとるかを早めに決めてください。
死亡した場合は相続人が4か月以内
資産を売った方がその後亡くなった場合は、相続人が代わって申告します。No.3102は、譲渡した人が死亡した場合には、その相続人は、その相続開始のあったことを知った日の翌日から4か月以内に、被相続人の譲渡所得について確定申告をしなければならない、としています。
国税庁 タックスアンサー No.3102「譲渡所得の申告期限」
譲渡した人が死亡した場合には、その相続人は、その相続開始のあったことを知った日の翌日から4か月以内に、被相続人の譲渡所得について確定申告をしなければなりません。
翌年の3月15日ではなく、相続開始を知った日の翌日から4か月以内です。相続の手続と並行して進める必要があります。亡くなった方の申告の提出先は、相続人の納税地ではなく、亡くなった方の死亡時の納税地の税務署です。相続に関する期限の全体は相続の期限で整理しています。
申告に使う書類。第三表と内訳書
譲渡所得の申告では、通常の確定申告書に加えて分離課税用の書類を使います。No.3102は、土地、建物や株式等の譲渡所得がある人は、「所得税及び復興特別所得税の確定申告書」、分離課税用である「申告書第三表」および「譲渡所得の内訳書(確定申告書付表兼計算明細書)【土地・建物用】」または「株式等に係る譲渡所得等の金額の計算明細書」などを併せて作成して、他の所得と一緒に確定申告する、としています。
土地・建物や株式等以外の譲渡所得がある人は、確定申告書と「譲渡所得の内訳書(確定申告書付表)【総合譲渡用】」などを併せて作成します。土地・建物と株式等は分離課税で第三表、それ以外の資産は総合課税で総合譲渡用の内訳書という分け方です。
内訳書には、売った金額だけでなく、取得費と譲渡費用を書き込みます。購入時の契約書や仲介手数料の領収書など、差し引く費用の資料を早めに集めておいてください。譲渡費用に何が入るかは譲渡費用になるもので整理しています。申告先は所轄税務署です。
よくある質問
不動産や株を売った年の確定申告はいつまでですか
譲渡所得の申告は、資産を譲渡した日の属する年の翌年の2月16日から3月15日の間に行います。国税庁のタックスアンサーNo.3102がこう定めています。土地や建物、株式を売った年の翌年に、ほかの所得と一緒に確定申告をするということです。→ 本文で読む
譲渡所得の申告は2月16日より前に出せますか
申告の結果、税金が戻る場合は、期間の始まりを待つ必要がありません。No.3102は、特定のマイホームの譲渡損失の損益通算および繰越控除の特例の適用を受けることなどにより所得税の還付申告となる場合は、2月15日以前でも申告をすることができる、としています。→ 本文で読む
譲渡所得の「譲渡した日」は契約日と引渡日のどちらですか
資産を譲渡した日は、原則として、売買など譲渡契約に基づいて資産を買主などに引き渡した日です。ただし、No.3102は、売買契約などの効力発生の日に譲渡があったものとして確定申告することもできる、としています。契約の効力発生の日とは、一般的には契約締結の日です。→ 本文で読む
不動産を売った後に海外へ出国する場合の申告期限はいつですか
資産を売った方が海外へ出国する場合、通常の期限を待てません。No.3102は、譲渡した人が出国する場合には、納税管理人を選任する場合を除き、原則として、出国の時までに確定申告書を提出しなければならない、としています。→ 本文で読む
不動産を売った人が亡くなった場合の申告期限はいつですか
資産を売った方がその後亡くなった場合は、相続人が代わって申告します。No.3102は、譲渡した人が死亡した場合には、その相続人は、その相続開始のあったことを知った日の翌日から4か月以内に、被相続人の譲渡所得について確定申告をしなければならない、としています。→ 本文で読む
譲渡所得の申告にはどの書類が必要ですか
譲渡所得の申告では、通常の確定申告書に加えて分離課税用の書類を使います。No.3102は、土地、建物や株式等の譲渡所得がある人は、「所得税及び復興特別所得税の確定申告書」、分離課税用である「申告書第三表」および「譲渡所得の内訳書(確定申告書付表兼計算明細書)【土地・建物用】」または「株式等に係る譲渡所得等の金額の計算明細書」などを併せて作成して、他の所得と一緒に確定申告する、としています。→ 本文で読む
出典
- 国税庁「No.3102 譲渡所得の申告期限」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3102.htm
この記事は、記載時点で公表されている法令・通達・国税庁の資料にもとづいて書いています。制度は改正されることがあり、また個別の事情によって取扱いは変わります。実際のご判断にあたっては、税理士にご相談いただくか、所轄の税務署にお確かめください。当事務所は本記事の情報を用いて行われた判断について責任を負いかねます。
売買契約書と引渡しの日付を確かめてください。年が変われば申告する年も変わります。
年末に契約して年明けに引き渡した場合、契約日か引渡日かの選び方で申告年が変わり、その年のほかの所得や使える特例にも影響します。売買契約書、購入時の契約書、仲介手数料などの領収書をお持ちいただければ、申告する年と使える特例を一緒に確認します。ふじみ野市とその近隣の方は訪問でのご相談も承ります。初回30分は無料です。
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