経費
ゴルフ会員権の入会金と年会費。
法人会員なら資産、個人会員なら給与。年会費とプレー費の扱いも入会金で決まります
取引先との付き合いでゴルフを始めた、会社でゴルフ会員権を持ちたい。ひとり会社の社長から「入会金と年会費は会社の経費になるのか」というご質問をいただきます。
答えを先に書くと、入会金は経費にはなりません。法人会員なら資産、個人会員なら社長への給与です。そして年会費やプレー費が交際費になるか給与になるかも、入会金の扱いに連動して決まります。
ひとり会社では、社長個人の名義で入会するしかない場面も多く、そのときの扱いが問題になります。国税庁のタックスアンサーNo.5381で、入会金・年会費・プレー費の3つを順に確認していきます。
この記事の要点
会社がゴルフクラブに入会したときの入会金は、法人会員なら資産に計上し、個人会員なら特定の役員・使用人への給与です。無記名式の法人会員制度がなく個人会員で入会した場合でも、業務上必要なら資産計上が認められます。資産にした入会金は償却できず、脱退時に返還されない部分が損金です。年会費は入会金が資産なら交際費、給与なら給与。プレー費は業務上必要なら交際費です。国税庁タックスアンサーNo.5381をもとに整理しました。
先に見ておくと分かりやすいもの
- 関連役員への経済的利益
- ご案内ひとり法人の税務顧問
入会金・年会費・プレー費の扱いは連動している
国税庁のタックスアンサーNo.5381は、法人が支出したゴルフクラブの入会金と会費等の取扱いを、入会金・会費等・プレー費の3つに分けて示しています。入口は入会金です。入会金が資産か給与かが決まると、年会費とプレー費の扱いもそれに引きずられます。
| 入会金を資産に計上した場合 | 入会金が給与とされた場合 | |
|---|---|---|
| 入会金 | 資産(償却できない) | 特定の役員・使用人への給与 |
| 年会費・ロッカー料・名義書換料など | 交際費 | 給与 |
| プレーに直接要する費用 | 業務の遂行上必要なら交際費、その他は給与(入会金の扱いにかかわらず) | |
いずれの場合も入会金そのものが会社の経費になることはありません。資産として持ち続けるか、社長の給与になるかのどちらかです。給与になれば会社では役員給与の扱いを受け、社長個人には所得税がかかります。
法人会員の入会金は資産。ただし業務に関係なく使うなら給与
No.5381は、法人会員として入会する場合の入会金は資産に計上する、としています。会社の名義で会員になり、その権利を会社が持つ、という形です。
国税庁 タックスアンサー No.5381「ゴルフクラブの入会金と会費の取扱い」
記名式の法人会員で名義人である特定の役員または使用人が専ら法人の業務に関係なく利用するためこれらの者が負担すべきものであると認められるときは、この入会金に相当する金額は、これらの者に対する給与となります。
法人会員でも、記名式で名義人が決まっていて、その人が専ら会社の業務に関係なく使っているなら、入会金は名義人への給与です。ひとり会社で法人会員になり、実際には社長の趣味のゴルフにしか使っていない、という場合はここに当たります。会社名義であることより、実際に業務で使っているかが見られます。
個人会員の入会金は給与。法人会員制度がなければ資産計上も
No.5381は、個人会員として入会する場合の入会金は、個人会員である特定の役員または使用人に対する給与となる、としています。社長個人の名義で入会し、会社がその入会金を払えば、原則は社長への給与です。
国税庁 タックスアンサー No.5381「ゴルフクラブの入会金と会費の取扱い」
無記名式の法人会員制度がないため個人会員として入会し、その入会金を法人が資産に計上した場合において、その入会が法人の業務の遂行上必要であるため法人の負担すべきものであると認められるときは、その処理が認められます。
例外として認められるには、3つの条件がそろっている必要があります。そのクラブに無記名式の法人会員制度がないこと、会社が入会金を資産に計上していること、入会が会社の業務の遂行上必要であることです。ひとり会社では、取引先との接待のために入会したがクラブに法人会員制度がなく、やむを得ず社長名義にした、という場合がこれに当たり得ます。法人会員制度があるのに個人会員を選んだ場合は、この例外は使えません。役員が負担すべき社交団体の入会金を会社が払うと給与になる点は、役員への経済的利益でも整理しています。
資産にした入会金は償却できない。脱退時に返らない分が損金
資産に計上した入会金は、減価償却のように毎年少しずつ経費にすることはできません。No.5381は、法人が資産に計上した入会金については償却が認められない、としています。持っている間は資産のまま動きません。
損金になるのは脱退のときです。No.5381は、ゴルフクラブを脱退しても入会金の返還を受けることができない場合において、その返還されない部分の入会金の額は、脱退をした事業年度の損金の額に算入される、としています。入会金が全額戻れば損金はゼロ、一部しか戻らなければ戻らない部分が脱退した年度の損金です。会員権を第三者に売った場合は、売却の損益として別に計算することになります。
年会費・ロッカー料・名義書換料は交際費か給与
次は毎年かかる費用です。No.5381は、法人がゴルフクラブに支出する年会費、年決めのロッカー料その他の費用(名義書換料を含み、プレーする場合に直接要する費用を除く)について、入会金が資産として計上されている場合には交際費となり、入会金が給与とされている場合には会員である特定の役員または使用人に対する給与となる、としています。
年会費は経費になりますが、その科目は入会金の扱いで決まります。入会金が資産なら交際費、入会金が給与なら年会費も給与です。交際費になれば、小さな会社では一定の限度まで損金になります。限度の考え方は交際費と福利厚生費の区分で触れています。なお、名義人を変えるための名義書換料も「その他の費用」に含まれ、同じ扱いです。
プレー費は業務に必要なら交際費、それ以外は給与
プレー費だけは、入会金の扱いと切り離して判断します。No.5381は、プレーする場合に直接要する費用については、入会金を資産に計上しているかどうかにかかわらず、その費用が法人の業務の遂行上必要なものであると認められる場合には交際費となり、その他の場合には役員または使用人に対する給与となる、としています。
取引先を接待するためのプレーなら交際費、社長が個人的に楽しむためのプレーなら給与です。誰と、何のために回ったのかが分かる記録を残しておくことが、交際費として説明するための前提になります。法人会員で入会金を資産にしていても、業務と関係のないプレー費は給与です。No.5381が根拠として挙げているのは、法人税基本通達9-7-11~13です。
よくある質問
ゴルフクラブの入会金は会社の経費になりますか
国税庁のタックスアンサーNo.5381は、法人が支出したゴルフクラブの入会金と会費等の取扱いを、入会金・会費等・プレー費の3つに分けて示しています。入口は入会金です。入会金が資産か給与かが決まると、年会費とプレー費の扱いもそれに引きずられます。→ 本文で読む
法人会員の入会金はどう処理しますか
No.5381は、法人会員として入会する場合の入会金は資産に計上する、としています。会社の名義で会員になり、その権利を会社が持つ、という形です。 法人会員でも、記名式で名義人が決まっていて、その人が 専ら会社の業務に関係なく 使っているなら、入会金は名義人への給与です。ひとり会社で法人会員になり、実際には社長の趣味のゴルフにしか使っていない、という場合はここに当たります。 会社名義であることより、実際に業務で使っているかが見られます。→ 本文で読む
社長個人の名義でゴルフクラブに入会した際の入会金を会社が払えますか
No.5381は、個人会員として入会する場合の入会金は、個人会員である特定の役員または使用人に対する給与となる、としています。社長個人の名義で入会し、会社がその入会金を払えば、原則は社長への給与です。→ 本文で読む
資産に計上したゴルフ会員権の入会金は償却できますか
資産に計上した入会金は、減価償却のように毎年少しずつ経費にすることはできません。No.5381は、法人が資産に計上した入会金については償却が認められない、としています。持っている間は資産のまま動きません。→ 本文で読む
ゴルフクラブの年会費は交際費ですか
次は毎年かかる費用です。No.5381は、法人がゴルフクラブに支出する年会費、年決めのロッカー料その他の費用(名義書換料を含み、プレーする場合に直接要する費用を除く)について、入会金が資産として計上されている場合には交際費となり、入会金が給与とされている場合には会員である特定の役員または使用人に対する給与となる、としています。→ 本文で読む
ゴルフのプレー費は交際費になりますか
プレー費だけは、入会金の扱いと切り離して判断します。No.5381は、プレーする場合に直接要する費用については、入会金を資産に計上しているかどうかにかかわらず、その費用が法人の業務の遂行上必要なものであると認められる場合には交際費となり、その他の場合には役員または使用人に対する給与となる、としています。→ 本文で読む
出典
- 国税庁「No.5381 ゴルフクラブの入会金と会費の取扱い」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/5381.htm
この記事は、記載時点で公表されている法令・通達・国税庁の資料にもとづいて書いています。制度は改正されることがあり、また個別の事情によって取扱いは変わります。実際のご判断にあたっては、税理士にご相談いただくか、所轄の税務署にお確かめください。当事務所は本記事の情報を用いて行われた判断について責任を負いかねます。
入会する前に、法人会員か個人会員か、業務でどう使うかを決めておいてください。
ゴルフクラブの入会金は経費にならず、資産か給与のどちらかになります。個人会員で入会せざるを得ない場合に資産計上が認められるかどうかは、法人会員制度の有無と業務上の必要性で判断されます。入会前にご相談いただければ、年会費とプレー費の扱いまで含めて整理できます。ふじみ野市とその近隣の方は訪問でのご相談も承ります。初回30分は無料です。
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