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ステーキング・レンディング・マイニングの報酬。
受け取った時の時価が収入になります

暗号資産は、買わなくても増えることがあります。ステーキングの報酬、レンディングの利用料、マイニング。こうして受け取った暗号資産にも、受け取った時点で課税関係が生じます。

国税庁のFAQは、取得した暗号資産の取得時点の時価を収入に入れ、要した費用を必要経費にするとしています。円に換えていなくても、受け取ったときに収入が立つということです。

一方で、分裂(分岐)で受け取った新しい暗号資産は、受け取った時点では所得が出ません。給与として受け取った場合は給与所得です。受け取り方ごとに、FAQの扱いを並べます。

公開 最終更新

この記事の要点

マイニング、ステーキング、レンディングなどで暗号資産を取得した場合、取得した暗号資産の取得時点の時価が総収入金額に算入され、要した費用が必要経費になります。受け取った暗号資産の取得価額はその時価で、後で売ったときの譲渡原価の土台になります。分裂(分岐)で新しい暗号資産を受け取ったときは所得が生じず取得価額は0円、給与の一部を暗号資産で受け取ったときは支給時の価額で給与の収入金額になります。国税庁の暗号資産FAQをもとに整理しました。

先に見ておくと分かりやすいもの

受け取った時点の時価が総収入金額になる

国税庁のFAQは、マイニング、ステーキング、レンディングなどで暗号資産を取得した場合、その取得に伴い生ずる利益は所得税または法人税の課税対象になるとしています。収入に入れる金額は、取得した暗号資産の取得時点の価額(時価)です。

国税庁「暗号資産等に関する税務上の取扱いについて(FAQ)」1-7 マイニング、ステーキング、レンディングなどにより暗号資産を取得した場合

その取得した暗号資産の取得時点の価額(時価)については所得の金額の計算上総収入金額(法人税においては益金の額)に算入され、マイニング等に要した費用については所得の金額の計算上必要経費(法人税においては損金の額)に算入されることになります。

ポイントは「取得時点」です。受け取った後に値下がりしても、収入の額は受け取った時の時価のままです。円に換えるかどうかは関係ありません。報酬が出るたびに、その時点の時価で収入が積み上がっていきます。

所得の区分について、FAQの1-7は個別には書いていません。暗号資産取引の利益は原則として雑所得とされていますが、規模や帳簿の保存の状況で事業所得になる場合もあります。区分の考え方は暗号資産の税金は原則として雑所得で整理しています。

マイニング等に要した費用は必要経費になる

収入に対応する費用は、必要経費に入れられます。FAQは、マイニング等に要した費用を必要経費に算入するとしています。マイニングであれば、そのための機器や電気代などが考えられます。

FAQの2-3は、暗号資産の売却の場面について、回線利用料やパソコンの購入費用も直接必要な部分に限って必要経費にできるとしたうえで、注意点を2つ挙げています。回線利用料は暗号資産取引の分を明確に区分できる場合に限ること。パソコンなど使用可能期間が1年以上で一定金額を超える資産は、その年に一括せず、減価償却費として分けて必要経費にすること。マイニングの機器を考えるときも、同じ線で整理しておくのが無理のないところだと私は考えています。

所得が事業所得や業務に係る雑所得に区分される場合は、その業務について生じた販売費・一般管理費なども必要経費に入れられます。

受け取った暗号資産の取得価額は、その時の時価

受け取った暗号資産を後で売ったとき、二重に課税されないか、というご質問を受けます。FAQの1-5は、購入以外の方法で取得した暗号資産の取得価額を、取得時点の価額(時価)としています。マイニングや暗号資産どうしの交換がその例として挙がっています。

受け取ったときに時価で収入を計上し、同じ時価がその暗号資産の取得価額になる。後で売れば、売却価額からその取得価額(総平均法か移動平均法で計算した譲渡原価)を引いた差額だけが、改めて所得になります。受け取った時の時価を記録していないと、売ったときの譲渡原価も計算できません。

国内の交換業者から無償で暗号資産の交付を受けた場合、年間取引報告書では、交付を受けた数量が「年中購入数量」に、交付を受けた暗号資産の価額(時価)が「年中購入金額」と「年中売却金額」に表示される、とFAQの2-9は説明しています。

分裂(分岐)で受け取ったときは所得が生じない

同じ「受け取った」でも、分裂(分岐)は扱いが違います。FAQの1-6は、暗号資産の分裂(分岐)で新たに誕生した暗号資産を取得した場合、その時点では課税対象となる所得は生じないとしています。

理由は、分裂の時点では新しい暗号資産に取引相場がなく、価値を有していなかったと考えられるからです。そのかわり、新しい暗号資産の取得価額は0円になります。売ったり使ったりした時点で、受け取った金額がそのまま所得になる関係です。

法人税でも同じで、分裂で取得した新しい暗号資産の取得価額は0円、取得した時点で益金に算入すべき収益の額はないものと考えられる、とされています。

給与の一部を暗号資産で受け取ったとき

勤務先から給与の一部を暗号資産で受け取る場合は、その暗号資産も給与所得の収入金額です。FAQの5-1は、労働協約で別段の定めを設けて給与の一部を暗号資産で支給する場合を取り上げています。

設例では、200,000円を現金で、残りを給与支給時の取引価格が50,000円の暗号資産で支払った場合、給与の支給額は250,000円として源泉徴収税額を計算します。暗号資産の価額は、支給時の価額で評価します。

法人や事業者が受け取るときの注意

法人がステーキングやレンディングで報酬を受け取る場合も、取得時点の時価が益金になります。そのうえで法人には、期末に持っている暗号資産を時価で評価する仕組みがあります。FAQは、ステーキングのためにロックアップして譲渡できない暗号資産や、使用料を得るために貸し付けている暗号資産も、期末時価評価の対象になるとしています。詳しくは法人が持つ暗号資産の期末時価評価で整理しています。

また、利用料を対価とする暗号資産の貸付けは、消費税の課税対象になるとFAQの6-2は説明しています。課税事業者が国内の交換業者に暗号資産を貸し付けて利用料を受け取る場合の話です。暗号資産と消費税もあわせてご覧ください。

よくある質問

ステーキングの報酬はいつ課税されますか

国税庁のFAQは、マイニング、ステーキング、レンディングなどで暗号資産を取得した場合、 その取得に伴い生ずる利益は所得税または法人税の課税対象になる としています。収入に入れる金額は、取得した暗号資産の取得時点の価額(時価)です。→ 本文で読む

マイニングにかかった費用は必要経費になりますか

収入に対応する費用は、必要経費に入れられます。 FAQは、マイニング等に要した費用を必要経費に算入するとしています。 マイニングであれば、そのための機器や電気代などが考えられます。→ 本文で読む

受け取った暗号資産を売ったときの取得価額はいくらですか

受け取った暗号資産を後で売ったとき、二重に課税されないか、というご質問を受けます。 FAQの1-5は、購入以外の方法で取得した暗号資産の取得価額を、取得時点の価額(時価)としています。 マイニングや暗号資産どうしの交換がその例として挙がっています。→ 本文で読む

暗号資産の分裂(分岐)で受け取った暗号資産は課税されますか

同じ「受け取った」でも、分裂(分岐)は扱いが違います。 FAQの1-6は、暗号資産の分裂(分岐)で新たに誕生した暗号資産を取得した場合、その時点では課税対象となる所得は生じないとしています。→ 本文で読む

給与の一部を暗号資産で受け取ったときの税金はどうなりますか

勤務先から給与の一部を暗号資産で受け取る場合は、 その暗号資産も給与所得の収入金額です。 FAQの5-1は、労働協約で別段の定めを設けて給与の一部を暗号資産で支給する場合を取り上げています。→ 本文で読む

出典

  1. 国税庁「暗号資産等に関する税務上の取扱いについて(FAQ)」平成30年11月(令和7年12月最終改訂)
    https://www.nta.go.jp/publication/pamph/pdf/virtual_currency_faq_03.pdf

この記事は、記載時点で公表されている法令・通達・国税庁の資料にもとづいて書いています。制度は改正されることがあり、また個別の事情によって取扱いは変わります。実際のご判断にあたっては、税理士にご相談いただくか、所轄の税務署にお確かめください。当事務所は本記事の情報を用いて行われた判断について責任を負いかねます。

報酬を受け取るたびの時価の記録が、申告の土台になります。

ステーキングやレンディングの報酬は、少額で回数が多く、受け取った日ごとの時価を後から調べるのは手間がかかります。取引所の履歴の出し方と、受け取った時点の価額の残し方を、取引を続けている段階で決めておくことをおすすめします。ふじみ野市とその近隣の方は訪問でのご相談も承ります。初回30分は無料です。