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申告

暗号資産の年間取引報告書の見方と、
国税庁の計算書で所得金額を出す方法

年が明けると、交換業者から年間取引報告書が届きます。数字は並んでいるのに、どこを見れば申告の金額になるのかが分からない。そういう声をよく聞きます。

国税庁のFAQは、年間取引報告書の各欄の意味を説明したうえで、その数字を国税庁の「暗号資産の計算書(総平均法用)」に入力すれば所得金額を簡便に計算できるとしています。

報告書の10の欄が何を表しているか、交換や決済をしたときにどの欄に出るか、計算書への入れ方を、FAQの設例で確認します。

公開 最終更新

この記事の要点

国内の暗号資産交換業者から届く年間取引報告書には、年始数量・年中購入数量と金額・年中売却数量と金額・移入数量・移出数量・年末数量・証拠金取引の損益合計・支払手数料が記載されています。この数字を国税庁の「暗号資産の計算書(総平均法用)」に入力すると、所得金額を計算できます。交換や決済をしたときの表示、複数の交換業者を使っているとき、前年からの繰越しの入れ方も、国税庁の暗号資産FAQをもとに整理しました。

先に見ておくと分かりやすいもの

年間取引報告書に記載されている10の項目

年間取引報告書は、国税庁が国内の暗号資産交換業者に交付をお願いしているものです。FAQの2-9によると、各欄には次の10の事項が記載されています。暗号資産の売却・購入などを外貨で行った場合は、取引時の電信売買相場の仲値(TTM)で円に換算した金額です。

欄記載されている内容
① 年始数量その年の1月1日現在の保有数量
② 年中購入数量その年の購入数量
③ 年中購入金額その年の購入金額(取得価額)
④ 年中売却数量その年の売却数量
⑤ 年中売却金額その年の売却金額
⑥ 移入数量購入以外で口座に受け入れた数量
⑦ 移出数量売却以外で口座から払い出した数量
⑧ 年末数量その年の12月31日現在の保有数量
⑨ 損益合計その年の証拠金取引の損益の合計額
⑩ 支払手数料その年に交換業者に支払った手数料の額

申告の計算に直接使うのは、主に③の購入金額と⑤の売却金額、それぞれの数量です。⑥の移入と⑦の移出は数量しか書かれていません。ほかの取引所やウォレットとの間で出し入れがあると、その分の金額はこの報告書からは分かりません。

交換・決済・無償の交付をしたときの表示

円での売買以外の取引は、報告書の上でどう出てくるのか。FAQの2-9は、交換・決済・無償の交付の場合の表示を説明しています。

取引報告書の表示
暗号資産Aと暗号資産Bを交換したAの年中売却数量・金額に、交換したAの数量と取得したBの時価。Bの年中購入数量・金額に、取得したBの数量と時価
交換業者で円転して決済した年中売却数量・価額に、円転した暗号資産の数量と時価
暗号資産そのもので決済した移出数量に、決済で使用した数量(金額は出ない)
交換業者から無償で交付を受けた年中購入数量・金額に交付を受けた数量と時価、年中売却金額にその時価

交換は、売却と購入の両方の欄に反映されます。ここで注意したいのは、暗号資産そのもので決済した場合は移出数量にしか出てこないことです。暗号資産で商品を買えば、税金の上では手放した暗号資産を譲渡したことになりますが、その譲渡価額は報告書に書かれていません。決済に使った日と、そのときの商品の価額を、ご自身で記録しておく必要があります。

国税庁の計算書に入力して所得金額を出す

報告書の数字は、国税庁のホームページにある「暗号資産の計算書(総平均法用)」に入力して使います。FAQの2-8の設例では、交換業者AとBの報告書から計算した所得金額が2,189,000円になっています。

設例の数字は、1年間に取得したビットコインが6.5BTC・4,037,800円、売却が5BTC・5,295,000円です。総平均法で1単位当たりの取得価額を出すと621,200円(4,037,800円÷6.5BTC)。年末に残る1.5BTCの評価額は931,800円になり、譲渡原価は4,037,800円から931,800円を引いた3,106,000円です。

国税庁「暗号資産等に関する税務上の取扱いについて(FAQ)」2-8 年間取引報告書を活用した暗号資産の所得金額の計算

上記の場合の暗号資産の所得金額は、2,189,000 円となります。

売却価額5,295,000円から譲渡原価3,106,000円を引いて2,189,000円。支払手数料などの必要経費があれば、計算書の「手数料等」の欄に入力します。移動平均法を選んでいる方には、移動平均法用の計算書もあります。

複数の交換業者を使っているとき

交換業者を複数使っている場合、報告書は業者ごとに届きます。譲渡原価は暗号資産の種類(名称)ごとに計算するので、同じビットコインなら、A社とB社の購入・売却を合わせて1つの計算書で計算します。FAQの2-8の設例も、2社の報告書を1枚の計算書にまとめています。

業者ごとに別々に損益を出して足し合わせると、総平均法の単価が業者ごとに違ってしまい、正しい譲渡原価になりません。まとめる単位は、業者ではなく暗号資産の種類です。

前年から持ち越している暗号資産があるとき

前年以前から取引をしている方は、前年末に持っていた数量と金額を、計算書の「年始残高」の欄に入力します。年間取引報告書の年始数量は数量だけなので、金額は前年の計算書の年末残高から持ってきます。

前年末の数量・金額が分からない場合は、ご自身で前年分の計算書を作って計算するよう、FAQは案内しています。毎年の計算書を保存しておけば、翌年はその年末残高を書き写すだけで済みます。

年間取引報告書がない取引

年間取引報告書が届くのは、国内の交換業者を通じた取引です。国外の交換業者や個人間の取引は、銀行口座の入出金の状況や、取引の履歴と交換業者が公表する取引相場から、ご自身で取得価額や売却価額を確認します(FAQの2-7)。

それでも取得価額が分からない場合は、売却価額の5%相当額を取得価額とすることが認められています。ただ、残りの95%が利益になる計算ですから、実際の取得価額が分かるなら、そちらで計算するほうが有利になる場面が多いと思います。手元に報告書がない国内の取引は、交換業者に再交付を依頼できます。

よくある質問

暗号資産の年間取引報告書には何が書かれていますか

年間取引報告書は、国税庁が国内の暗号資産交換業者に交付をお願いしているものです。 FAQの2-9によると、各欄には次の10の事項が記載されています。 暗号資産の売却・購入などを外貨で行った場合は、取引時の電信売買相場の仲値(TTM)で円に換算した金額です。→ 本文で読む

暗号資産で決済した取引は年間取引報告書のどこに出ますか

円での売買以外の取引は、報告書の上でどう出てくるのか。 FAQの2-9は、交換・決済・無償の交付の場合の表示を説明しています。 交換は、売却と購入の両方の欄に反映されます。ここで注意したいのは、 暗号資産そのもので決済した場合は移出数量にしか出てこない ことです。暗号資産で商品を買えば、税金の上では手放した暗号資産を譲渡したことになりますが、その譲渡価額は報告書に書かれていません。決済に使った日と、そのときの商品の価額を、ご自身で記録しておく必要があります。→ 本文で読む

年間取引報告書から所得金額はどう計算しますか

報告書の数字は、国税庁のホームページにある「暗号資産の計算書(総平均法用)」に入力して使います。 FAQの2-8の設例では、交換業者AとBの報告書から計算した所得金額が2,189,000円になっています。→ 本文で読む

複数の交換業者の年間取引報告書はどうまとめますか

交換業者を複数使っている場合、報告書は業者ごとに届きます。 譲渡原価は暗号資産の種類(名称)ごとに計算するので、同じビットコインなら、A社とB社の購入・売却を合わせて1つの計算書で計算します。 FAQの2-8の設例も、2社の報告書を1枚の計算書にまとめています。→ 本文で読む

海外の取引所の取引は年間取引報告書がありませんがどうしますか

年間取引報告書が届くのは、国内の交換業者を通じた取引です。 国外の交換業者や個人間の取引は、銀行口座の入出金の状況や、取引の履歴と交換業者が公表する取引相場から、ご自身で取得価額や売却価額を確認します (FAQの2-7)。→ 本文で読む

出典

  1. 国税庁「暗号資産等に関する税務上の取扱いについて(FAQ)」平成30年11月(令和7年12月最終改訂)
    https://www.nta.go.jp/publication/pamph/pdf/virtual_currency_faq_03.pdf

この記事は、記載時点で公表されている法令・通達・国税庁の資料にもとづいて書いています。制度は改正されることがあり、また個別の事情によって取扱いは変わります。実際のご判断にあたっては、税理士にご相談いただくか、所轄の税務署にお確かめください。当事務所は本記事の情報を用いて行われた判断について責任を負いかねます。

年間取引報告書がそろっていれば、計算はそこから始められます。

国内の交換業者だけで取引しているなら、年間取引報告書と国税庁の計算書で所得金額まで出せます。海外の取引所やウォレットへの移出入がある場合は、報告書だけでは足りません。報告書と取引履歴をお持ちいただければ、計算と申告書の作成をお引き受けします。ふじみ野市とその近隣の方は訪問でのご相談も承ります。初回30分は無料です。