創業
ふじみ野市の創業補助金は3年で最大50万円。
ステップアップ補助金の要件と申請の流れ
「ふじみ野市に創業の補助金はない」と書いてあるページを見かけますが、あります。
ふじみ野市創業支援事業ステップアップ補助金。創業5年以内の方に、最大で3年間、合計50万円まで。市の公式ページに要件も様式も出ています。
ただし、事業に着手する前に申請して交付決定を受けていないと、1円も出ません。ここを外して相談に来られる方が多いところです。順に見ていきます。
この記事の要点
ふじみ野市創業支援事業ステップアップ補助金は、創業5年以内の方が対象で、1年目30万円・2年目10万円・3年目10万円が上限(補助対象経費の2分の1)。市内に店舗や事務所があること、市の特定創業支援等事業の認定を受けていること、市税を滞納していないことが要件です。登記費用・広告宣伝費・備品・キャッシュレス導入費など10種類の経費が対象で、着手前の申請が必須です。ふじみ野市の公式ページをもとに整理しました。
先に見ておくと分かりやすいもの
いくらもらえるか:3年で最大50万円
ふじみ野市創業支援事業ステップアップ補助金は、市内で創業する際にかかる費用に対して最大3年間支援するものです。年ごとに上限が決まっていて、いずれも補助対象経費の2分の1が上限になります。
この記事を読むときの注意
金額・要件・様式は、ふじみ野市の公式ページに掲載されている内容をそのまま整理したものです。市のページの更新日は補助金が2025年4月1日、特定創業支援等事業が2025年3月3日で、その後に変更されている可能性があります。また補助金は年度内予算の範囲で交付されるため、予算がなくなり次第その年度は終了します。申請の前に、必ず産業振興課 商工労政係(049-262-9023)にご確認ください。
| 年次 | 補助上限額 | 補助率 |
|---|---|---|
| 1年目 | 300,000円 | 補助対象経費の2分の1 |
| 2年目 | 100,000円 | 同上 |
| 3年目 | 100,000円 | 同上 |
| 合計 | 500,000円 | — |
出典:ふじみ野市「ふじみ野市創業支援事業ステップアップ補助金」
補助率が2分の1ですから、1年目に上限の30万円を受け取るには、対象経費を60万円使う必要があります。使った額がそのまま戻るわけではありません。
そしてもう一つ。市のページには、こう書かれています。
ふじみ野市「ふじみ野市創業支援事業ステップアップ補助金」
(注意2)創業4年目、5年目の方は3年間の支援を受けられませんので、あらかじめご了承ください。
対象は創業5年以内ですが、4年目・5年目に申請を始めた方は、3年分は受けられません。早く動いたほうが取れる額が大きくなる制度です。
対象になる人の4つの要件
市のページは、次の4つを「上記すべてを満たす方」としています。1つでも欠けると対象外です。
同ページ「対象者」
ふじみ野市内に店舗、事務所等(法人については本店)がある方
創業した日から5年以内の方
ふじみ野市特定創業支援等事業の認定を受けた方
市税を滞納していない方
実務でつまずくのは3つめです。「ふじみ野市特定創業支援等事業の認定を受けた方」。これは補助金とは別の手続きで、市の商工会や埼玉県産業振興公社の支援を受けたうえで、市に証明書を交付してもらう必要があります。特定創業支援等事業の記事にまとめました。この認定は会社設立の登録免許税が半額になる制度でもあるので、どのみち取っておいて損はありません。
なお、次に当たる方は対象外とされています。
- 風俗営業を行おうとする方
- 連鎖化事業(チェーン店)を行おうとする方
- 暴力団関係者
対象になる経費は10種類
市のページに挙がっている対象経費は、次のとおりです。
| 対象経費 | 条件・除かれるもの |
|---|---|
| 商号登記費又は法人登記に係る費用 | — |
| 事務所等新築工事費 | 増改築を含む。ただし住居部分を除く |
| ホームページ等の広告宣伝費 | 管理費、運用費を除く |
| 展示会出店及び販路開拓に向けた出店等に係る費用 | — |
| マーケティング調査費 | — |
| 事業用車両の購入費 | リース料を含むが、当該年度に係る経費に限る |
| 備品導入費 | 1件3万円以上のもの。中古の備品・自家用車両等、パソコン等の汎用性があり目的外使用になり得るものを除く |
| キャッシュレス決済導入に係る費用 | 契約金・初期導入費用・加入費用。継続的にかかる費用を除く |
| 試供品又はサンプル品の制作に係る委託費用及び原材料費 | — |
| ECサイト開設等に係る費用 | 継続的にかかるもの(使用料など)を除く |
出典:ふじみ野市「ふじみ野市創業支援事業ステップアップ補助金」
読みどころが3つあります。
ひとつめは「継続的にかかる費用は除く」が繰り返し出てくること。ホームページの管理費・運用費、キャッシュレス決済の月額、ECサイトの使用料。いずれも初期費用は対象でも、毎月かかるぶんは対象外です。開業のときに一度だけ出ていくお金を見ている制度だと分かります。
ふたつめは、備品の「1件3万円以上」という線。これを下回るものは、何個買っても対象になりません。そしてパソコンは「汎用性があり目的外使用になり得るもの」として除かれています。開業時の出費で大きいところなので、ここは当てにしないほうがよいところです。
みっつめは、登記費用が対象に入っていること。会社をつくるなら登録免許税と司法書士の報酬がかかりますが、その登記費用が対象経費に挙がっています。しかも特定創業支援等事業の認定を受けていれば、登録免許税そのものが半額になります。両方を重ねられる形です。
いちばん大事なのは「着手する前に申請」
ここが、この記事でいちばんお伝えしたいところです。
同ページ
(注意1)補助を受けるには事業などに着手する前に申請して交付決定まで受ける必要があります。
先に買ってしまった備品、先に払ってしまった登記費用、先に作ってしまったホームページ。これらは対象になりません。領収書を持って市役所に行っても、さかのぼって交付されることはありません。
補助金の多くがこの形をとっていますが、創業のときは判断も出費も同時に押し寄せるので、うっかり先に払ってしまいがちです。開業に向けて「何かを買う」前に、まず補助金の対象になるかを確かめてください。
順番を整理すると
特定創業支援等事業の支援を受けて証明書をもらう → 見積書をそろえる → 補助金を申請して交付決定通知を受け取る → そこで初めて発注・購入する。この順番です。証明書の取得にも時間がかかるので、逆算すると相当早く動き出す必要があります。
申請から入金までの3ステップ
市のページは、手続きを3つに分けて示しています。
1.交付申請 「創業支援事業ステップアップ補助金申請書」に次の書類を添えて産業振興課へ提出します。
- 創業した日が確認できる書類(開業届)
- 補助対象経費の見積書等
- 住民票の写し又は法人用登記事項証明書
- 特定創業支援等事業により支援を受けたことの証明書
- 営業許可書の写し(許認可を必要とする業種に限る)
- 申請日から3年間の収支計画書
審査のあと、不備がなければ市から「交付決定通知書」が郵送されます。
2.実績報告 交付決定を受けてから購入や工事を実施し、その年度の支払いがすべて終わったあとに「実績報告書」を出します。添えるのは、支払いが確認できる書類(領収書等)と、補助事業の成果等が分かるものです。審査後、「確定通知書」が郵送されます。
3.請求 確定通知書を受け取ったら「交付請求書」に振込先口座の通帳の写しを添えて提出します。ここでようやく入金です。
申請書・報告書・請求書の様式は、いずれも市のページからWordファイルでダウンロードできます。
収支計画書について
6つの提出書類のうち、3年間の収支計画書だけは自分で作るものです。ほかは写しや証明書ですが、これは事業の中身を書く書類になります。創業融資の事業計画書と考え方は同じなので、融資を受けるなら一緒に作ると二度手間になりません。
見落としやすいところ
最後に、相談でよく出てくる点をまとめます。
予算がなくなると終わります。市のページに「年度内予算の範囲で補助金を交付することになるため、予算がなくなり次第終了となります」と明記されています。要件を満たしていても、年度の後半では受けられないことがあります。
補助金は収入になります。受け取った補助金は、税務上は収入として扱われます。そのぶんの税金がかかるので、「50万円もらえる=50万円手元に残る」ではありません。法人であれば法人税、個人であれば所得税の対象です。国庫補助金等の圧縮記帳という制度もありますが、適用できるかは中身によります。
市外に移ると要件から外れます。対象は「ふじみ野市内に店舗、事務所等(法人については本店)がある方」です。3年間の支援を受けている途中で市外に移転すると、その先は要件を満たさなくなります。
特定創業支援等事業の認定が先です。繰り返しになりますが、補助金の要件に入っています。認定そのものに商工会等での支援と証明書の交付が必要なので、補助金を知ってから動き出すと間に合わないことがあります。
当事務所はふじみ野市鶴ケ岡にあります。補助金の収支計画書、創業融資の事業計画書、開業届や設立の届出まで、一度にご相談いただけます。ふじみ野市・富士見市・三芳町・川越市・所沢市の方は訪問も承ります。
よくある質問
ふじみ野市の創業補助金はいくらもらえますか
ふじみ野市創業支援事業ステップアップ補助金は、市内で創業する際にかかる費用に対して 最大3年間 支援するものです。年ごとに上限が決まっていて、いずれも 補助対象経費の2分の1 が上限になります。→ 本文で読む
ふじみ野市創業支援事業ステップアップ補助金の対象になるのはどんな人ですか
市のページは、次の4つを「上記すべてを満たす方」としています。1つでも欠けると対象外です。 実務でつまずくのは 3つめ です。「ふじみ野市特定創業支援等事業の認定を受けた方」。これは補助金とは 別の手続き で、市の商工会や埼玉県産業振興公社の支援を受けたうえで、市に証明書を交付してもらう必要があります。 特定創業支援等事業の記事 にまとめました。この認定は会社設立の登録免許税が半額になる制度でもあるので、どのみち取っておいて損はありません。→ 本文で読む
どんな費用が補助の対象になりますか
ひとつめは「継続的にかかる費用は除く」が繰り返し出てくること。 ホームページの管理費・運用費、キャッシュレス決済の月額、ECサイトの使用料。いずれも初期費用は対象でも、毎月かかるぶんは対象外です。開業のときに一度だけ出ていくお金を見ている制度だと分かります。→ 本文で読む
購入してから補助金を申請してもよいですか
先に買ってしまった備品、先に払ってしまった登記費用、先に作ってしまったホームページ。 これらは対象になりません。 領収書を持って市役所に行っても、さかのぼって交付されることはありません。→ 本文で読む
申請してから入金までどんな手続きがありますか
1.交付申請 「創業支援事業ステップアップ補助金申請書」に次の書類を添えて産業振興課へ提出します。 2.実績報告 交付決定を受けてから購入や工事を実施し、その年度の支払いがすべて終わったあとに「実績報告書」を出します。添えるのは、支払いが確認できる書類(領収書等)と、補助事業の成果等が分かるものです。審査後、「確定通知書」が郵送されます。→ 本文で読む
出典
- ふじみ野市「ふじみ野市創業支援事業ステップアップ補助金」(更新日 2025年4月1日)
https://www.city.fujimino.saitama.jp/soshikiichiran/sangyoshinkoka/shokoroseikakari/zigyousyanokatahe/13356.html - ふじみ野市「産業競争力強化法に基づく『特定創業支援等事業』」(更新日 2025年3月3日)
https://www.city.fujimino.saitama.jp/soshikiichiran/sangyoshinkoka/shokoroseikakari/zigyousyanokatahe/11301.html
この記事は、記載時点で公表されている法令・通達・国税庁の資料にもとづいて書いています。制度は改正されることがあり、また個別の事情によって取扱いは変わります。実際のご判断にあたっては、税理士にご相談いただくか、所轄の税務署にお確かめください。当事務所は本記事の情報を用いて行われた判断について責任を負いかねます。
創業の補助金と融資は、順番を間違えると取り逃します。
補助金は着手前の申請、融資は事業開始の何か月前から申し込めるか。どちらも「いつ動くか」で結果が変わります。まだ開業していない段階でも、むしろその段階のほうがお手伝いできることが多いです。ふじみ野市とその近隣の方は訪問でのご相談も承ります。初回30分は無料です。